【ビル管過去問】令和4年度 問題44|ヒトーヒト感染する感染症 感染経路の違いを解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|建築物の環境衛生第44問

問題

主にヒトーヒト感染によって感染が拡大する感染症は次のうちどれか。

(1) マイコプラズマ肺炎

(2) デング熱

(3) 発疹チフス

(4) レプトスピラ症

(5) ジカウイルス感染症

ビル管過去問|ヒトーヒト感染する感染症 感染経路の違いを解説

この問題は、各感染症の主な感染経路を見分けられるかを問う問題です。正しい選択肢はマイコプラズマ肺炎です。マイコプラズマ肺炎は飛沫感染や接触感染により人から人へ広がります。一方、デング熱やジカウイルス感染症は主に蚊が媒介し、発疹チフスはシラミが関与し、レプトスピラ症は動物の尿で汚染された水や土壌から感染するため、主にヒトーヒト感染で拡大する感染症ではありません。

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(1) マイコプラズマ肺炎

適切です。マイコプラズマ肺炎は、感染した人のせきのしぶきによる飛沫感染や、感染者との接触による接触感染で広がるとされています。家庭内や学校などでも伝播がみられるため、主にヒトからヒトへ感染が拡大する感染症として理解しておくことが大切です。今回の設問の中では、最も典型的なヒトーヒト感染の感染症です。

(2) デング熱

不適切です。デング熱の主な感染経路は、ウイルスを保有したネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊に刺されることです。ヒトからヒトへ直接うつる病気ではなく、患者を吸血した蚊が別の人を刺すことで感染が広がります。そのため、感染の主体はヒトーヒトではなく、蚊を介した媒介感染です。

(3) 発疹チフス

不適切です。発疹チフスは、主に感染したコロモジラミの糞便に含まれる病原体が、刺し口や掻き傷に入り込むことで感染します。感染のサイクルはヒトとシラミが関与するものであり、インフルエンザのように人同士の飛沫や接触で直接広がる感染症とは異なります。ヒトが関与する感染症であっても、媒介生物が必要なら主にヒトーヒト感染とはいえない、という点が重要です。

(4) レプトスピラ症

不適切です。レプトスピラ症は、げっ歯類などの保菌動物の尿で汚染された水や土壌に、傷や粘膜が触れることで感染します。つまり、人から人へ広がるのではなく、動物由来の病原体に環境を介して感染する疾患です。人獣共通感染症の代表例として整理しておくと、他の感染経路との区別がしやすくなります。

(5) ジカウイルス感染症

不適切です。ジカウイルス感染症は基本的に蚊媒介性で、ジカウイルスを持つ蚊が人を吸血することで感染します。輸血や性行為、母子感染などが起こる場合はありますが、設問は「主に」ヒトーヒト感染で拡大するものを問うています。したがって、例外的に人から人への感染経路があっても、主たる感染経路が蚊媒介である以上、この選択肢は正答にはなりません。

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この問題で覚えるポイント

感染症の問題では、病名だけでなく「主な感染経路」で分類できることが大切です。ヒトーヒト感染には、飛沫感染、接触感染、空気感染などがあります。マイコプラズマ肺炎はこのうち飛沫感染や接触感染で広がるため、ヒトーヒト感染の代表として押さえるべきです。これに対して、デング熱やジカウイルス感染症は蚊が媒介する感染症です。発疹チフスはシラミが関与する媒介感染であり、レプトスピラ症は動物の尿で汚染された水や土壌から感染する人獣共通感染症です。試験では、病名を見て症状を思い出すだけでなく、「人から人か」「動物や昆虫を介するか」「環境を介するか」という視点で整理すると、正誤判断に直結します。特に「主に」という語が入っている問題では、例外的な感染経路ではなく、中心となる感染経路を答える必要があります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「ヒトが感染源になりうること」と「主にヒトーヒト感染で広がること」を混同させる点にあります。たとえばジカウイルス感染症は性行為や母子感染があり、デング熱も患者の血液中にウイルスが存在します。しかし、だからといって主な感染拡大の仕組みがヒトーヒト感染になるわけではありません。試験では、このように一部だけ正しい知識を混ぜて、主たる感染経路の判断を曖昧にさせる出題がよくあります。また、発疹チフスのようにヒトが感染サイクルに入っていても、媒介するシラミが必要であれば、直接的なヒトーヒト感染とは区別しなければなりません。今後も「主に」「基本的に」「直接」「媒介」といった語に注目し、感染拡大の中心となるルートを答える意識を持つことが重要です。

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