出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|建築物の環境衛生第42問
問題
喉の渇きが生じた場合の体内における水分欠乏率として、最も適当なものは次のうちどれか。
(1) 1%程度
(2) 4%程度
(3) 6%程度
(4) 8%程度
(5) 10%以上
ビル管過去問|脱水症状 喉の渇きと体内水分欠乏率を解説
この問題は、体内の水分がどの程度失われるとどのような症状が現れるかを問う問題です。喉の渇きは脱水のかなり初期のサインであり、体内水分の欠乏率が軽度の段階で生じます。したがって、正しい選択肢は(1)の1%程度です。脱水は進行するほど全身への影響が強くなり、初期症状から重篤な症状まで段階的に悪化していくため、数値と症状の対応を整理して覚えることが大切です。
(1) 1%程度
適切です。喉の渇きは、体内の水分がわずかに不足し始めた段階で現れる代表的な初期症状です。一般に、体内水分が1%程度失われると口渇感が出始めるとされます。これは身体が脱水の進行を防ぐために、水分摂取を促す生理的な反応です。まだ重度の異常は出ていない段階ですが、この時点で適切に水分補給を行うことが重要です。試験では、喉の渇きは軽度脱水のサインであることを押さえておくと正答しやすくなります。
(2) 4%程度
不適切です。体内水分の欠乏率が4%程度になると、単なる喉の渇きだけではなく、強い疲労感、だるさ、不快感、作業能力の低下など、より明らかな脱水症状がみられやすくなります。喉の渇きはそれより前の段階で出現するため、この数値は高すぎます。喉の渇きだけを示す数値として覚えるには不適当です。初期症状と中等度の症状を区別して理解することが大切です。
(3) 6%程度
不適切です。体内水分が6%程度失われると、脱水はかなり進行した状態であり、喉の渇きだけでは済まず、体温調節機能の低下、脈拍の増加、頭痛、めまいなどの症状が現れやすくなります。日常生活や作業にも支障が出やすい段階です。この程度の欠乏率を喉の渇きの出現時点と考えるのは不正確です。脱水の初期と進行後の状態を数値で分けて覚えておく必要があります。
(4) 8%程度
不適切です。体内水分の8%程度の欠乏は重度の脱水に近い状態で、全身状態の悪化が目立ちます。循環機能や意識状態に影響が及ぶこともあり、極めて注意が必要な段階です。喉の渇きはもっと早い時点で起こる生体反応であるため、この数値は明らかに高すぎます。喉の渇きを感じる頃にはまだ軽度であっても、そのまま放置すると短時間で重症化するおそれがあることも理解しておくと実務的です。
(5) 10%以上
不適切です。体内水分が10%以上失われる状態は、生命に危険が及ぶ重篤な脱水です。この段階では強い循環不全、意識障害、けいれんなどが生じる可能性があり、喉の渇きという初期症状の段階を大きく超えています。選択肢としては極端な数値であり、軽い脱水症状と重篤な脱水症状の違いを理解しているかを確認するためのものと考えられます。
この問題で覚えるポイント
脱水症状は、体内水分の欠乏率とともに段階的に悪化していきます。まず軽度の段階では喉の渇きが現れ、これはおおむね体内水分が1%程度失われた頃にみられる初期反応です。ここで水分補給を行えば、重症化を防ぎやすくなります。さらに欠乏が進むと、疲労感、集中力低下、頭痛、めまい、脈拍増加などが現れます。重度になると循環不全や意識障害に至ることもあります。試験対策としては、喉の渇きは初期症状であり、数%以上の水分欠乏はすでに進行した脱水状態と整理して覚えることが重要です。特に、喉の渇きと重症症状を同じ段階で捉えないことが正誤判断に直結します。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、喉の渇きという身近な感覚から、受験者が実際より重い脱水状態を想像してしまう点にあります。日常感覚では、かなり喉が渇いてから水を飲む人も多いため、4%や6%程度を選びたくなることがあります。しかし、医学的には喉の渇きは脱水のかなり早い段階で出る生理反応です。つまり、本人の主観的な感覚の強さと、体内水分欠乏率の客観的な数値は必ずしも一致しません。また、大きい数値ほどもっともらしく見えるように作られている点も注意が必要です。症状の重さと数値を対応させて、初期症状なのか進行後の症状なのかを冷静に見分けることが、この種の問題では重要です。
