【ビル管過去問】令和4年度 問題22|人体の構造と機能 細胞・組織・臓器・臓器系の基礎を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|建築物の環境衛生第22問

問題

細胞・組織・臓器・臓器系とその機能の説明との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) 自律神経 ―――― 消化、呼吸、循環等の諸機能を調整する。

(2) 腎臓 ――――――― 血液の老廃物などをろ過して尿を生成する。

(3) 消化器系 ―――― 栄養や水を摂取・吸収して再合成と排泄(せつ)を行う。

(4) 赤血球 ――――― 細菌などに対する生体防御作用をもつ。

(5) 内分泌系 ―――― 成長、発達、代謝をコントロールする。

ビル管過去問|人体の構造と機能 細胞・組織・臓器・臓器系の基礎を解説

この問題は、細胞・組織・臓器・臓器系の基本的な役割を正しく理解しているかを問う問題です。人体は、細胞が集まって組織となり、組織が集まって臓器となり、さらに臓器が連携して臓器系を構成しています。それぞれの名称だけでなく、どのような働きを担っているかを結びつけて覚えることが大切です。正しい選択肢は、自律神経、腎臓、消化器系、内分泌系に関する記述であり、不適当なのは赤血球に生体防御作用があるとした記述です。生体防御の中心を担うのは白血球であり、赤血球の主な役割は酸素と二酸化炭素の運搬です。この違いを正確に押さえることが合格への近道です。

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(1) 自律神経 ―――― 消化、呼吸、循環等の諸機能を調整する。

適切です。自律神経は、自分の意思とは関係なく働く神経で、心拍、血圧、呼吸、消化、発汗など、生命維持に必要な機能を自動的に調整しています。交感神経と副交感神経から成り、状況に応じて各器官の働きを高めたり抑えたりします。たとえば、緊張時に心拍数が上がるのは交感神経の作用であり、食後に消化活動が活発になるのは副交感神経の作用です。このため、消化、呼吸、循環等の諸機能を調整するという説明は正しいです。

(2) 腎臓 ――――――― 血液の老廃物などをろ過して尿を生成する。

適切です。腎臓は血液をろ過し、不要な老廃物や余分な水分、電解質を尿として体外へ排出する臓器です。腎臓の中にはネフロンという機能単位が多数存在し、糸球体で血液がろ過され、その後、必要な水分や栄養素が尿細管で再吸収されます。こうして最終的に尿がつくられます。腎臓は尿の生成だけでなく、体液量や電解質濃度、酸塩基平衡の調整にも重要な役割を果たしており、この記述は適切です。

(3) 消化器系 ―――― 栄養や水を摂取・吸収して再合成と排泄(せつ)を行う。

適切です。消化器系は、口腔から食道、胃、小腸、大腸、肛門までの消化管と、肝臓、膵臓などの付属器官から構成されます。食物や水分を体内に取り入れ、消化・吸収し、体に必要な栄養素として利用できる形にします。また、吸収後には体内で栄養素が再合成され、不要となった残りかすは便として排泄されます。設問の表現はやや幅広いまとめ方ですが、消化器系の役割としては妥当であり、正しい記述です。

(4) 赤血球 ――――― 細菌などに対する生体防御作用をもつ。

不適切です。赤血球の主な役割は、ヘモグロビンによって酸素を全身へ運び、二酸化炭素の一部を回収することです。細菌や異物に対して防御作用を担うのは白血球であり、白血球には好中球、リンパ球、単球などが含まれます。これらが食作用や抗体産生などを通じて生体防御に関与します。赤血球と白血球はともに血液中の成分ですが、働きはまったく異なります。この違いを混同しないことが重要です。

(5) 内分泌系 ―――― 成長、発達、代謝をコントロールする。

適切です。内分泌系は、脳下垂体、甲状腺、副腎、膵臓、性腺などの内分泌腺から分泌されるホルモンによって体の働きを調整する仕組みです。ホルモンは血液を通じて全身に運ばれ、成長、発達、代謝、生殖、血糖調節などに影響を与えます。たとえば、成長ホルモンは発育に、甲状腺ホルモンは代謝に深く関わります。このため、内分泌系が成長、発達、代謝をコントロールするという説明は正しいです。

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この問題で覚えるポイント

人体の基本構造は、細胞、組織、臓器、臓器系の順に成り立っています。細胞は生命活動の最小単位であり、同じような働きをもつ細胞が集まると組織になり、複数の組織が集まって臓器となり、複数の臓器が連携すると臓器系になります。この階層構造を押さえると、問題文の理解がしやすくなります。神経系では、自律神経が呼吸、循環、消化などの不随意な機能を調整します。泌尿器系では、腎臓が血液をろ過して尿を生成し、老廃物の排出と体液調節を行います。消化器系では、摂取、消化、吸収、再合成、排泄までの流れを担います。血液成分では、赤血球は酸素運搬、白血球は生体防御、血小板は止血という役割の違いを明確に区別して覚えることが重要です。内分泌系はホルモンによって成長、発達、代謝などを調整します。このように、各器官や器官系の名称と機能を一対で整理して覚えることが、同テーマの問題に対応するための基本になります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、血液中の成分である赤血球と白血球の役割を混同させる点にあります。どちらも血液に含まれるため、あいまいに覚えていると、細菌に対する防御も赤血球が担っているように見えてしまいます。しかし、赤血球はガス運搬、白血球は免疫防御というように役割が明確に異なります。また、ほかの選択肢はいずれも大きく外れていないため、消去法だけで解くと迷いやすい問題です。試験では、このように一部だけ役割をすり替えた記述がよく出ます。名称が似たもの、同じ系統に属するもの、同じ場所に存在するものほど、役割の違いを正確に覚えておくことが得点につながります。

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