【ビル管過去問】令和5年度 問題157|廃棄物処理の現状|一般廃棄物・産業廃棄物・資源化・焼却処理を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和5年度(2023年)|清掃第157問

問題

平成27年度の廃棄物の排出及び処理状況等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) ごみの中間処理量は約4,000万トンで、そのうち、約85%が直接焼却処理されている。

(2) ごみの総排出量は約4,400万トンで、そのうち、70%が事業系ごみ、30%が家庭系ごみである。

(3) ごみの総資源化量は約900万トンであり、この中には住民団体による集団回収量が含まれている。

(4) 産業廃棄物の排出量を業種別に見ると、電気・ガス・熱供給・水道業からの排出量が最も多い。

(5) 産業廃棄物の総排出量は約4億トンで、その約53%が再生利用されている。

ビル管過去問|廃棄物処理の現状を解説

この問題は、一般廃棄物と産業廃棄物の排出量、内訳、資源化率、焼却率などの基本数値を正しく押さえているかを問う問題です。正答は(2)です。一般廃棄物の総排出量は約4,400万トンという方向性はよいのですが、内訳は事業系ごみが約30%、家庭系ごみが約70%であり、設問文はこの割合が逆になっています。数字そのものではなく、何が多いのかという関係を正確に覚えておくことが大切です。一般廃棄物は家庭系が中心であり、産業廃棄物は総量が大きく、再生利用率も高いという全体像で整理すると解きやすくなります。環境省の資料では、一般廃棄物の総排出量は約4,398万トンで、生活系ごみが約70%、事業系ごみが約30%です。また、中間処理量は約4,008万トン、そのうち直接焼却は約84.7%、総資源化量は約913万トンで集団回収量を含みます。産業廃棄物は総排出量約3億9,800万トンで、再生利用率は約53%とされています。さらに業種別排出量では、電気・ガス・熱供給・水道業が最大です。

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(1) ごみの中間処理量は約4,000万トンで、そのうち、約85%が直接焼却処理されている。

適切です。その理由は、平成27年度の一般廃棄物処理実態では、ごみの中間処理量は約4,008万トンであり、そのうち直接焼却処理の割合は約84.7%とされているためです。設問では「約4,000万トン」「約85%」と概数で表現しており、実際の統計値とほぼ一致しています。この種の問題では、細かい小数点まで暗記する必要はありませんが、「一般廃棄物は多くが焼却される」という大きな特徴は押さえておく必要があります。日本では埋立地の制約などもあり、一般廃棄物の処理において焼却の割合が高いことが重要なポイントです。

(2) ごみの総排出量は約4,400万トンで、そのうち、70%が事業系ごみ、30%が家庭系ごみである。

不適切です。その理由は、総排出量約4,400万トンという数字自体はおおむね正しいものの、事業系ごみと家庭系ごみの割合が逆だからです。平成27年度の一般廃棄物では、家庭系ごみ、資料上は生活系ごみが約70%を占め、事業系ごみは約30%です。日常感覚では「事業活動のほうが大量にごみを出しそうだ」と感じやすいですが、一般廃棄物の区分では家庭から出る生活系ごみの比率が大きいことが特徴です。ここを逆にすると誤りになります。数字だけでなく、「どちらが多いのか」という方向までセットで覚えることが合格には大切です。

(3) ごみの総資源化量は約900万トンであり、この中には住民団体による集団回収量が含まれている。

適切です。その理由は、一般廃棄物の総資源化量は約913万トンであり、その中には市町村等による資源化だけでなく、住民団体による集団回収量も含まれているからです。試験では「資源化量」と聞くと、行政が回収した分だけを想像してしまうことがありますが、実際には地域の集団回収も含めて総資源化量として集計されます。したがって、この選択肢は統計の定義も含めて正しい内容です。単に数量を覚えるだけでなく、「何が含まれるか」まで確認しておくと、似た問題にも対応しやすくなります。

(4) 産業廃棄物の排出量を業種別に見ると、電気・ガス・熱供給・水道業からの排出量が最も多い。

適切です。その理由は、環境省の資料で、産業廃棄物の業種別排出量は電気・ガス・熱供給・水道業、特に下水道業を含む分野が最も多いと示されているからです。受験者としては、製造業や建設業が最大だと思い込みやすいところですが、実際には下水処理に伴う汚泥などの量が非常に大きいため、この業種が上位になります。これは日常感覚と統計実態がずれやすい代表例です。名称だけを見るのではなく、何が大量に発生する業種かという背景まで理解すると記憶に残りやすくなります。

(5) 産業廃棄物の総排出量は約4億トンで、その約53%が再生利用されている。

適切です。その理由は、平成27年度前後の環境省資料で、産業廃棄物の総排出量は約4億トン規模であり、再生利用率は約53%とされているためです。設問の「約4億トン」「約53%」という表現は概数として妥当です。一般廃棄物と比べると、産業廃棄物は総量が非常に多く、しかも再生利用の割合も高いという特徴があります。試験では、一般廃棄物と産業廃棄物の数字を混同しやすいため、「一般廃棄物は4,000万トン台、産業廃棄物は4億トン台」と桁で整理しておくと判断しやすくなります。

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この問題で覚えるポイント

廃棄物は、まず一般廃棄物と産業廃棄物に大別して整理することが重要です。一般廃棄物は家庭や事業所から出るごみのうち、産業廃棄物に当たらないものを指し、総排出量は4,000万トン台です。内訳では家庭系、生活系ごみが約70%、事業系ごみが約30%です。ここは頻出で、割合を逆にしたひっかけが出やすいところです。中間処理量は約4,000万トンで、その大半が直接焼却です。したがって、一般廃棄物は「家庭系が多い」「焼却割合が高い」と覚えると整理しやすいです。

総資源化量は約900万トンで、住民団体の集団回収量を含むという点も重要です。資源化量の定義を問う問題では、「行政回収分だけ」と誤解しないように注意が必要です。数値だけでなく、集計範囲まで押さえておくと正誤判断が安定します。

一方、産業廃棄物は総排出量が約4億トン規模で、一般廃棄物より桁が一つ大きいです。再生利用率は約53%で、一般廃棄物より資源化が進んでいる点が特徴です。また、業種別排出量では電気・ガス・熱供給・水道業が最大です。これは下水道汚泥などの影響が大きく、感覚的な印象とずれやすいので、そのまま覚えておく価値があります。試験では、一般廃棄物と産業廃棄物の数値、割合、処理方法の特徴を相互に比較できるようにしておくと強いです。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、数字そのものを大きくずらすのではなく、もっともらしい数値を使いながら内訳や関係だけを逆転させている点にあります。総排出量約4,400万トンという数字が正しいため、その先の事業系70%、家庭系30%という部分まで正しいように見えてしまいます。しかし、試験作成者はここで「数字は合っているが内訳が逆」という思考の罠を仕込んでいます。こうした問題では、数値単体ではなく、「何が多いか」「どちらが主か」という関係まで覚えているかが問われています。

また、産業廃棄物の業種別排出量では、製造業や建設業が最多だと早合点しやすい点も典型的な罠です。日常感覚では工場や工事現場のほうが大量に廃棄物を出していそうですが、統計上は電気・ガス・熱供給・水道業が最大です。このように、日常のイメージと公的統計がずれるテーマは狙われやすいです。感覚で解かず、統計の特徴をそのまま覚える姿勢が大切です。

さらに、一般廃棄物と産業廃棄物で桁が異なることも混同しやすいポイントです。一般廃棄物は4,000万トン台、産業廃棄物は4億トン台です。この桁感を持っておくと、数値問題でかなり有利になります。試験では、一部だけ正しい文章に引っ張られないことが大切です。最初の数字が合っていても、割合、定義、含まれる範囲まで丁寧に確認する癖をつけておくと、同じパターンの問題に強くなれます。

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