出典:建築物衛生管理技術者試験令和5年度(2023年)|清掃第155問
問題
硬性床材の特徴に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
(1) 大理石は、耐アルカリ性に優れる。
(2) テラゾは、耐酸性に優れる。
(3) セラミックタイルは、低吸水性に優れる。
(4) 花崗岩は、耐熱性に優れる。
(5) コンクリートは、耐酸性に優れる。
ビル管過去問|硬性床材|大理石・テラゾ・セラミックタイル・花崗岩・コンクリートの性質を解説
この問題は、硬性床材ごとの材質上の性質を正しく理解しているかを問う問題です。見た目の印象や日常感覚で判断すると迷いやすいですが、試験では「酸に強いか」「アルカリに強いか」「吸水しにくいか」など、材料ごとの基本的な特徴を整理して覚えておくことが大切です。正しい選択肢はセラミックタイルの低吸水性を述べたものです。一方で、大理石やテラゾ、コンクリートは化学薬品に対する弱点があり、花崗岩についても耐熱性だけを特徴として捉えるのは適切ではありません。材質ごとの性質を比較しながら確認していきましょう。
(1) 大理石は、耐アルカリ性に優れる。
不適切です。大理石は炭酸カルシウムを主成分とする石材であり、特に酸に弱いことで知られています。酸性洗剤や酸性成分を含む汚れが付着すると、表面が溶かされて光沢が失われたり、しみや荒れが生じたりします。一方で、この選択肢では耐アルカリ性に優れるとしていますが、試験では大理石は化学的影響を受けやすい石材として理解しておくべきです。美観に優れる反面、洗剤選定や日常管理に注意が必要な床材です。
(2) テラゾは、耐酸性に優れる。
不適切です。テラゾは大理石や御影石などの砕石をセメントや樹脂で固めて仕上げた床材です。特にセメント系テラゾはアルカリ性の結合材を含み、酸に触れると表面が侵されやすくなります。また、骨材として大理石が用いられる場合もあり、その場合も酸に弱い性質を持ちます。そのため、耐酸性に優れると覚えてしまうと誤りです。テラゾは意匠性と耐久性に優れた床材ですが、酸性洗剤の使用には注意が必要です。
(3) セラミックタイルは、低吸水性に優れる。
適切です。セラミックタイルは高温で焼成してつくられるため、緻密で硬く、吸水しにくいという特徴があります。特に磁器質タイルは吸水率が非常に低く、水や汚れが内部にしみにくいため、耐久性や耐水性に優れています。この性質は、床材としての維持管理のしやすさにもつながります。硬性床材の中でも、セラミックタイルは水回りや人の出入りが多い場所でも使いやすく、試験でも代表的な特徴として問われやすい重要事項です。
(4) 花崗岩は、耐熱性に優れる。
不適切です。花崗岩は非常に硬く、耐摩耗性や耐久性に優れた天然石です。そのため、床材としては重歩行にも比較的強い材料といえます。ただし、この選択肢のように耐熱性に優れることを代表的な特徴として答えさせるのは適切ではありません。試験では、花崗岩は硬くて丈夫であること、耐摩耗性に優れることなどを中心に押さえるべきです。熱に関する性質だけを取り上げて正答肢にするのは、硬性床材の基本的な比較としてはずれています。
(5) コンクリートは、耐酸性に優れる。
不適切です。コンクリートはセメントを主成分とするため、アルカリ性を示しますが、酸には弱い材料です。酸性物質が接触すると、表面が中和・劣化し、強度低下や表面荒れの原因になります。そのため、工場や厨房など酸性物質が関わる場所では、コンクリート素地のままでは不利になることがあります。日常では頑丈な印象があるため酸にも強そうに感じやすいですが、化学的な性質としては耐酸性に優れるとはいえません。
この問題で覚えるポイント
硬性床材は、見た目だけでなく材質ごとの化学的性質と物理的性質を区別して覚えることが重要です。大理石は美観に優れる天然石ですが、主成分が炭酸カルシウムであるため酸に弱いという点が重要です。テラゾも大理石などの骨材やセメント成分の影響で酸に強いとはいえません。コンクリートも同様にセメント系材料であるため酸に弱く、酸性環境では劣化しやすい床材です。これに対して、セラミックタイルは焼成によって緻密に作られており、低吸水性で耐水性に優れることが特徴です。花崗岩は硬く、耐摩耗性や耐久性に優れる天然石として整理しておくと判断しやすくなります。試験では、酸に弱い材料として大理石、テラゾ、コンクリートを押さえ、吸水しにくい材料としてセラミックタイルを区別できるようにしておくと、同テーマの問題に対応しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、素材の「丈夫そうな印象」と、実際の「化学的性質」とを混同させるところにあります。たとえば、石材やコンクリートは固くて強そうに見えるため、酸や熱にも強いと思い込みやすいですが、試験では見た目ではなく成分に基づいて判断しなければなりません。特に大理石やテラゾは高級感があり丈夫そうに見えるため、耐酸性まで高いと誤解しやすいです。また、花崗岩も硬い石なので何にでも強いと思いがちですが、試験では「何に強いのか」を具体的に分けて覚える必要があります。つまり、「硬い」「丈夫」「高級」という印象語に引っぱられず、「酸に弱い」「吸水しにくい」「耐摩耗性に優れる」といった正誤判断に直結する性質で整理することが、この種の問題を解くコツです。
