【ビル管過去問】令和5年度 問題99|防災設備|自動火災報知設備・避雷設備・非常用昇降機・非常用照明を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和5年度(2023年)|建築物の構造概論第99問

問題

建築設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 自動火災報知設備は、主に感知器、受信機、非常ベルなどで構成される。

(2) 避雷設備は、高さ18mを超える建築物に設置が義務付けられている。

(3) 建築基準法により、高さ31mを超える建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。

(4) 勾配が30度を超え35度以下のエスカレーターの定格速度は、30m/min以下とされている。

(5) 非常用照明装置は、停電を伴った災害発生時に居住者や利用者を安全に避難させるための設備である。

ビル管過去問|防災設備|自動火災報知設備・避雷設備・非常用昇降機・非常用照明を解説

この問題は、建築設備のうち防災に関わる基本事項を横断的に確認する問題です。正解は(2)です。避雷設備の設置義務は「高さ18mを超える建築物」ではなく、「高さ20mを超える建築物」が基準です。一方で、自動火災報知設備の基本構成、非常用昇降機の設置基準、エスカレーターの定格速度、非常用照明装置の役割はいずれも正しい知識として押さえておきたい内容です。数値の違いと、各設備の目的を結びつけて覚えることが得点につながります。

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(1) 自動火災報知設備は、主に感知器、受信機、非常ベルなどで構成される。

適切です。自動火災報知設備は、火災を自動的に感知して建物内に報知する設備で、代表的な構成機器として感知器、受信機、地区音響装置、発信機などがあります。設問では「主に」としており、感知器、受信機、非常ベルなどで構成されるという説明は大筋で正しいです。試験では、感知器が火災を検知し、受信機が信号を受け、ベルや放送設備などの音響装置で人に知らせる、という流れを理解しておくことが大切です。

(2) 避雷設備は、高さ18mを超える建築物に設置が義務付けられている。

不適切です。その理由は、建築基準法上の基準が18mではなく、20mを超える建築物だからです。つまり、数字が少しだけずらされているのが誤りです。こうした問題では、受験者が「高い建物には避雷設備が必要」という大枠だけを覚えていて、正確な数値をあいまいにしていると引っかかりやすくなります。避雷設備は落雷から建築物や人を守るための重要な設備ですが、試験では特に「20m超」という基準値を正確に覚えることが重要です。

(3) 建築基準法により、高さ31mを超える建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。

適切です。建築基準法では、高さ31mを超える建築物には、原則として非常用の昇降機の設置が求められています。これは火災時などに消防隊が上層階へ迅速に到達し、救助や消火活動を行うためです。普段使うエレベーターとは目的が異なり、非常用昇降機は防災活動を支える設備として位置付けられています。試験では「31m」という数値と、「避難者用」ではなく「消防活動支援のための設備」という役割をセットで理解しておくと整理しやすいです。

(4) 勾配が30度を超え35度以下のエスカレーターの定格速度は、30m/min以下とされている。

適切です。エスカレーターは勾配によって安全に運転できる速度の上限が定められており、勾配が急になるほど速度制限は厳しくなります。30度を超え35度以下のものは、30m/min以下とされており、この選択肢は正しい内容です。ここでは、エスカレーターは「速ければ便利」ではなく、勾配との組合せで安全性を確保している点が重要です。数値だけでなく、勾配が大きいほど転倒や事故の危険が増すため速度を抑える、という理屈で理解すると覚えやすくなります。

(5) 非常用照明装置は、停電を伴った災害発生時に居住者や利用者を安全に避難させるための設備である。

適切です。非常用照明装置は、火災時や停電時に避難経路の照度を確保し、避難方向の認識を助け、避難行動を安全に行えるようにする設備です。暗闇になると、人は方向感覚を失いやすく、避難速度も落ちます。そのため、非常用照明装置は単なる照明ではなく、避難安全を支える防災設備として設けられています。試験では、通常照明との違いとして「停電時に作動し、避難を助ける」という役割を明確にしておくことが大切です。

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この問題で覚えるポイント

防災設備の問題では、設備の名称だけでなく、何のために設置されるのかを整理して覚えることが重要です。自動火災報知設備は、火災を早期に感知して人に知らせる設備です。避雷設備は、落雷から建築物や人を守るための設備で、設置義務の基準は高さ20mを超える建築物です。非常用昇降機は、高さ31mを超える建築物に原則必要で、主な目的は消防隊の救助・消火活動の支援です。非常用照明装置は、火災時などの停電時に避難経路の明るさを確保し、安全な避難を支えます。また、エスカレーターは勾配と定格速度が対応しており、勾配が急になるほど速度制限が厳しくなるという安全思想を押さえておくと、関連問題にも対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、受験者が設備の存在や役割は知っていても、数値基準を正確に覚えていないところを突いている点にあります。特に避雷設備の「18m」と「20m」のような微妙なズレは非常に典型的です。また、非常用昇降機は「避難用」と思い込みやすいですが、実際には消防活動を支援する意味合いが強い設備です。さらに、エスカレーターのような設備では、日常感覚では速い方が便利に思えても、法令では勾配との関係で安全上の制限がかかります。このように、日常のイメージではなく、法令上の目的と数値を基準に判断する癖をつけることが、同テーマの問題で安定して正答するコツです。

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