【ビル管過去問】令和5年度 問題4|建築物衛生法|特定建築物に該当する用途(対象施設)の判定問題を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和5年度(2023年)|建築物衛生行政概論第4問

問題

建築物衛生法に基づく特定建築物の用途として、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) 結婚式場

(2) 理容所

(3) 認可保育園

(4) 公民館

(5) 社交ダンスホール

ビル管過去問|建築物衛生法|特定建築物に該当する用途(対象施設)の判定問題を解説

この問題は、建築物衛生法における「特定建築物」の用途に何が含まれるかを問う問題です。特定建築物は、単に人が集まる施設すべてを指すのではなく、法令で定められた用途に当てはまる建築物だけが対象になります。したがって、日常感覚で「人が多く利用するから対象だろう」と考えるのではなく、法令上の用途区分に当てはめて判断することが大切です。結論として、認可保育園は建築物衛生法上の特定建築物の用途としては最も不適当です。建築物衛生法施行令では、特定用途として興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、学校、旅館などが定められており、保育園そのものはここに含まれていません。なお、学校については学校教育法第1条の学校などが対象であり、保育所とは区別して押さえる必要があります。

下に移動する

(1) 結婚式場

適切です。その理由は、結婚式場は不特定または多数の人が集まって利用する施設であり、建築物衛生法上の「集会場」に含めて考えることができるからです。集会場とは、会議、催物、儀式、催し物などのために人が集まる用途の施設を指します。結婚式場は、挙式や披露宴のために多数の利用者が一定時間滞在する施設であり、衛生的環境の確保が必要な用途として扱われます。このように、名称そのものではなく、実際にどのような用途で人が集まる施設なのかで判断することが重要です。

(2) 理容所

適切です。その理由は、理容所は一般に「店舗」に該当するものとして扱われるからです。建築物衛生法施行令では、特定用途の一つとして「店舗」が挙げられています。店舗という言葉を聞くと、物を売る店だけを思い浮かべがちですが、実際には来客に対してサービスを提供する営業施設も含めて考える必要があります。理容所は来客を受け入れて継続的に営業する施設であり、多数の者が利用する建築物として衛生管理の対象になり得ます。そのため、理容所を特定建築物の用途から外してしまうのは適切ではありません。

(3) 認可保育園

不適切です。その理由は、認可保育園は建築物衛生法上の特定建築物の用途として、当然に含まれるものではないからです。この問題ではこれが最も不適当な選択肢であり、正答になります。受験上特に重要なのは、「学校」と「保育所」を混同しないことです。建築物衛生法施行令では、特定用途として「学校」が挙げられていますが、ここでいう学校は学校教育法第1条に規定する学校などが中心であり、保育園とは法令上の位置づけが異なります。実際に特定建築物の定義では、学校については面積基準の特則もありますが、保育園一般がそのまま特定用途として列挙されているわけではありません。日常感覚では子どもが集まる施設なので対象と思いやすいですが、法令上の列挙にない以上、機械的に含めてはいけません。

(4) 公民館

適切です。その理由は、公民館は人が集会、講演、学習活動、地域行事などを行う施設であり、用途としては「集会場」に該当すると考えられるからです。建築物衛生法では、施設の正式名称よりも、その建物がどのような用途に供されるかが重要です。公民館は地域住民が集まり、一定時間滞在して利用する性格を持つため、集会場として扱うのが自然です。名称に「館」と付いているかどうかではなく、集会・会合・催しの場であるという実態から判断することが得点につながります。

(5) 社交ダンスホール

適切です。その理由は、社交ダンスホールは不特定または多数の利用者が利用する施設であり、「集会場」や集会性の強い施設として特定用途に含めて考えられるからです。建築物衛生法では、こうした多数人利用施設について、空気環境や清掃、給排水、ねずみ・こん虫等の防除などの衛生管理が重要になります。社交ダンスホールは長時間の滞在や人の密集が生じやすく、衛生環境の確保が必要な施設です。そのため、特定建築物の用途として扱うのが妥当です。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

建築物衛生法の特定建築物は、「人が多く使う建物」なら何でも対象になるわけではなく、法令で定められた用途に該当し、さらに一定以上の延べ面積を満たす建築物が対象です。特定用途として重要なのは、興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、学校、旅館です。延べ面積は原則として3,000平方メートル以上で、専ら学校教育法第1条の学校などは8,000平方メートル以上が基準です。したがって、問題ではまず「その施設が法令上の用途区分のどれに当たるか」を見て、そのうえで面積要件を確認する流れが基本になります。特に覚えたいのは、学校は含まれるが、保育園や保育所を当然に同じものとして扱ってはいけないという点です。また、結婚式場や公民館のように、名称だけ見ると迷いやすい施設でも、実態として人が集まる場であれば集会場に含めて判断できます。理容所のような施設も、物販店だけでなくサービスを提供する営業施設として店舗に含めて考える視点が大切です。

下に移動する

ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「日常感覚では対象に見える施設」と「法令上実際に列挙されている用途」とをずらしている点にあります。受験者は、子どもが集まる認可保育園を見て、学校に近い施設だから対象だろうと考えやすいです。しかし、試験で必要なのはイメージではなく、法令上の定義です。建築物衛生法では、学校と保育園は同じではありません。ここを曖昧に覚えていると誤答につながります。また、結婚式場や公民館のように正式な用途名が条文と一致しない施設もよく出題されます。このときに「条文にそのまま書いていないから違う」と考えるのも危険です。実際には、集会場や店舗などの上位概念に当てはめて考える必要があります。つまり、この種の問題では、施設の名前を丸暗記するのではなく、「法令上の用途名に置き換える力」があるかどうかが問われています。

次の問題へ