【ビル管過去問】令和6年度 問題169|ダニの種類と生態(ヒゼンダニなど衛生害虫)を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|ねずみ、昆虫等の防除第169問

問題

ダニに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) ヒゼンダニは、ヒトの皮下に内部寄生するダニ類として知られている。

(2) ヤケヒョウヒダニは、アレルゲンとなることが知られている。

(3) カベアナタカラダニは、ヒトを刺さない。

(4) ミナミツメダニは、捕食性のダニである。

(5) マダニの顎体部には、脚が付属している。

 

 

 

ビル管過去問|ダニの種類と生態(ヒゼンダニなど衛生害虫)を解説

この問題は、衛生害虫として重要なダニの種類ごとの特徴と、体の構造、生態、人への影響を正しく区別できるかを問う問題です。ダニは見た目が似ていても、寄生性か捕食性か、吸血するかしないか、アレルゲンになるかどうかなどが大きく異なります。正解は(5)です。マダニの脚が付いているのは顎体部ではなく胴体部であり、体の構造に関する基本事項を正確に押さえておくことが大切です。

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(1) ヒゼンダニは、ヒトの皮下に内部寄生するダニ類として知られている。

適切です。ヒゼンダニは、ヒトの皮膚の角質層にトンネルを掘って寄生するダニです。いわゆる疥癬の原因となるダニとして知られています。ヒゼンダニは体の深い内部に入り込むのではなく、表皮のうち角質層というごく浅い部分に寄生します。試験では、皮膚のどの層に寄生するかまでは細かく問われないこともありますが、「体内深部に寄生するわけではない」という点は正誤判断の重要なポイントです。

(2) ヤケヒョウヒダニは、アレルゲンとなることが知られている。

適切です。ヤケヒョウヒダニは、室内環境中で問題となる代表的なチリダニ類の一つで、虫体そのものや死骸、ふんがアレルゲンになります。気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などとの関連で重要です。建築物衛生の観点では、単に「ダニがいるかどうか」ではなく、ダニ由来物質が室内空気や寝具、カーペットなどに蓄積し、人の健康に影響することが問題になります。したがって、ヤケヒョウヒダニをアレルゲンとして理解するのは基本事項です。

(3) カベアナタカラダニは、ヒトを刺さない。

適切です。カベアナタカラダニは、建物の壁面やベランダ、コンクリート面などで赤い小さなダニとして目に付くことがある種類です。見た目の不快感から害虫として意識されやすいのですが、ヒトを刺して吸血するダニではありません。このため、衛生害虫としては「不快害虫」に近い位置づけで理解すると整理しやすいです。見た目の印象から危険そうに感じても、実際の加害性は別問題であるという点が、この選択肢の判断ポイントです。

(4) ミナミツメダニは、捕食性のダニである。

適切です。ミナミツメダニは、他の小さなダニや昆虫などを捕食する性質を持つダニです。特に室内では、チリダニ類が多い環境でそれらを餌として発生しやすくなることがあります。つまり、ミナミツメダニ自体が捕食性であるため、その発生は周囲に餌となる小動物が多いことのサインにもなります。なお、ツメダニ類は人を刺してかゆみの原因になることがあるため、捕食性であることと、人に被害を与えうることは両立します。このように、生態と人への影響を分けて理解することが大切です。

(5) マダニの顎体部には、脚が付属している。

不適切です。マダニの体は、大きく顎体部と胴体部に分けて考えます。顎体部には口器があり、宿主の皮膚に取り付いて吸血するための構造が集まっています。一方、脚が付いているのは胴体部です。ダニやクモ類などの節足動物では、体の各部位の名称と役割を混同しやすいため注意が必要です。この選択肢は、口器のある部分と脚のある部分をわざと入れ替えており、形態学の基本を確認する典型的なひっかけです。

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この問題で覚えるポイント

ダニは、衛生上の観点から大きく、寄生性のダニ、室内塵中で問題となるダニ、吸血性のダニ、不快害虫として目立つダニに整理すると覚えやすいです。ヒゼンダニは疥癬の原因で、寄生部位は皮膚の角質層です。ヤケヒョウヒダニなどのチリダニ類は吸血しませんが、死骸やふんがアレルゲンになります。ツメダニ類は捕食性ですが、人を刺して皮膚炎の原因になることがあります。マダニは吸血性で、感染症媒介の面でも重要です。カベアナタカラダニは赤く目立ちますが、ヒトを刺さないため、見た目の不快感と衛生学的加害性を分けて考える必要があります。体の構造では、顎体部は口器、脚は胴体部に付くという基本を押さえてください。試験では、生態、人体への影響、体の構造の3つを横断して問われやすいです。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「見た目や語感で判断させること」にあります。たとえば、カベアナタカラダニのように赤く目立つ種類は、日常感覚では刺しそうに感じますが、実際には刺しません。さらに、ミナミツメダニは捕食性である一方で、人に皮膚症状を起こすこともあるため、「捕食性なら人に無害」と早合点すると誤ります。マダニの問題では、顎体部と胴体部という専門用語の位置関係を曖昧に覚えていると引っかかります。このように、ダニの問題は「寄生性」「吸血性」「捕食性」「アレルゲン性」「形態」を混同させる形で出題されやすいため、種類ごとの特徴を表で整理するつもりで覚えることが合格への近道です。

 

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