【危険物取扱者乙種4類予想問題5】|問24|粉じん爆発の発生条件 粉末化による表面積増加、空気中への浮遊、着火源|物理・化学を解説

問題

粉じん爆発に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

(1) 可燃性固体は、粉末にしても質量が変わらないため、燃焼の速さは塊状の場合とほとんど変わらない。

(2) 可燃性粉じんが容器の底に厚く堆積しているだけで、空気中に浮遊していなくても粉じん爆発が起こる。

(3) 粉じん爆発は、粉じんの濃度が高いほど必ず起こりやすく、空気がほとんど含まれない状態でも発生する。

(4) 可燃性固体が微細な粉末となって表面積が増加し、一定濃度で空気中に浮遊しているところへ着火源が加わると、粉じん爆発を起こすことがある。

(5) 粉じん爆発は、金属粉や石炭粉では起こるが、小麦粉や砂糖などの有機物の粉じんでは起こらない。

危険物取扱者乙種4類|粉じん爆発の発生条件 粉末化による表面積増加、空気中への浮遊、着火源を解説

粉じん爆発は、可燃性固体が細かい粉末となり、空気中に一定の濃度で浮遊している状態で、火花や炎などの着火源が加わることによって急激に燃焼する現象です。固体を粉末化すると、同じ質量でも空気に触れる表面積が著しく増えるため、塊状のときより燃焼反応が急速に進みます。ただし、粉じんが床や容器の底に堆積しているだけでは、通常は粉じん爆発の条件を満たしません。また、粉じん濃度には爆発可能な範囲があり、濃度が高すぎて酸素が不足する場合には爆発しにくくなります。正解は(4)です。粉末化による表面積の増加、空気中への浮遊、適切な粉じん濃度、酸素、着火源という発生条件を正しく示しているためです。

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(1) 可燃性固体は、粉末にしても質量が変わらないため、燃焼の速さは塊状の場合とほとんど変わらない。

不適切です。固体を粉末にしても全体の質量は変わりませんが、空気に触れる表面積は大幅に増加します。燃焼は可燃物と酸素が接触する部分で進むため、表面積が大きいほど酸素と反応できる場所が増え、燃焼速度が速くなります。例えば、木材の大きな塊には火がつきにくいのに対し、細かい木くずやおがくずは容易に燃えます。鉄も塊状では簡単に燃えませんが、微細な鉄粉にすると火花を発して燃焼することがあります。このように、燃焼の速さを判断するときは質量だけではなく、粒子の細かさと表面積を考える必要があります。粉末化によって燃焼が急激に進む性質が、粉じん爆発の重要な要因です。

(2) 可燃性粉じんが容器の底に厚く堆積しているだけで、空気中に浮遊していなくても粉じん爆発が起こる。

不適切です。粉じん爆発が発生するためには、可燃性粉じんが空気中に分散し、一定の濃度で浮遊していることが必要です。容器の底や床に粉じんが堆積しているだけでは、粉じん粒子と空気中の酸素が十分に混ざっていないため、通常は爆発的な燃焼にはなりません。ただし、堆積した粉じんは安全という意味ではありません。近くで小規模な爆発や強い風圧が発生すると、堆積粉じんが巻き上げられて空気中に浮遊し、粉じん雲を形成することがあります。その状態で着火源が加わると、二次爆発と呼ばれる大規模な爆発につながる可能性があります。堆積状態では直ちに粉じん爆発の条件を満たさなくても、浮遊すれば危険な状態になると理解することが大切です。

(3) 粉じん爆発は、粉じんの濃度が高いほど必ず起こりやすく、空気がほとんど含まれない状態でも発生する。

不適切です。粉じん爆発には、爆発が可能となる一定の濃度範囲があります。粉じん濃度が低すぎる場合は、燃焼が隣の粒子へ伝わりにくいため爆発しません。反対に、濃度が高すぎる場合は、燃焼に必要な酸素が相対的に不足するため、爆発しにくくなります。これは可燃性蒸気と空気の混合物に燃焼範囲があることと似た考え方です。粉じんが多ければ多いほど必ず危険になるのではなく、粉じんと空気が適切な割合で混ざっていることが重要です。空気がほとんど含まれない状態では酸素が不足するため、通常の燃焼や爆発は継続できません。試験では、「濃度が高いほど必ず起こる」という断定表現が誤りとして出題されやすいため注意が必要です。

(4) 可燃性固体が微細な粉末となって表面積が増加し、一定濃度で空気中に浮遊しているところへ着火源が加わると、粉じん爆発を起こすことがある。

適切です。可燃性固体を微細な粉末にすると、塊状の場合よりも空気に触れる表面積が著しく大きくなり、酸素との反応が急速に進みやすくなります。その粉じんが空気中に一定濃度で浮遊すると、多数の粒子が酸素と接触した粉じん雲が形成されます。この状態に火炎、火花、静電気による放電、高温の物体などの着火源が加わると、一つの粒子で始まった燃焼が周囲の粒子へ急速に伝わり、爆発的な燃焼となることがあります。粉じん爆発の主な発生条件は、可燃性の粉じんであること、粒子が十分に細かいこと、空気中に分散していること、爆発可能な濃度範囲にあること、酸素が存在すること、着火源があることです。工場の設備や容器内など、圧力が逃げにくい閉鎖空間では爆発圧力が高まり、被害が大きくなる可能性があります。

(5) 粉じん爆発は、金属粉や石炭粉では起こるが、小麦粉や砂糖などの有機物の粉じんでは起こらない。

不適切です。粉じん爆発は、金属粉や石炭粉だけでなく、小麦粉、砂糖、でんぷん、木粉、穀物粉、樹脂粉などの有機物の粉じんでも発生します。小麦粉や砂糖は日常生活では危険物という印象が弱い物質ですが、微細な粉末として空気中に浮遊すると、広い表面積で酸素と接触するため急速に燃焼することがあります。アルミニウム粉やマグネシウム粉などの金属粉、石炭粉、硫黄粉なども粉じん爆発を起こす代表的な物質です。重要なのは物質の日常的な印象ではなく、可燃性を持つ微細な粉じんが空気中に分散しているかどうかです。砂やセメントのように通常は燃焼しない物質の粉じんは、空気中に浮遊しても粉じん爆発を起こしません。

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この問題で覚えるポイント

粉じん爆発は、可燃性固体の微細な粉じんが空気中に分散し、爆発可能な濃度範囲の粉じん雲を形成しているところへ、火炎、火花、静電気、高温物体などの着火源が加わることで発生します。固体を粉末化すると質量は変わりませんが、表面積が大きくなるため、酸素との接触面積が増えて燃焼速度が著しく速くなります。発生には可燃性粉じん、十分に細かい粒子、空気中への浮遊、適切な濃度、酸素、着火源が必要です。容器や建物などの閉鎖空間では圧力が逃げにくく、爆発による被害が大きくなります。粉じん濃度には爆発可能な範囲があり、薄すぎる場合は燃焼が伝わらず、濃すぎる場合は酸素不足となるため、濃度が高いほど必ず危険になるわけではありません。床や設備に堆積している粉じんは、そのままでは通常、粉じん爆発の条件を満たしませんが、風圧などで巻き上げられると爆発性の粉じん雲を作ります。最初の爆発で堆積粉じんが舞い上がり、さらに大きな二次爆発が起こる危険もあります。粉じん爆発を起こす代表例には、石炭粉、硫黄粉、アルミニウム粉、マグネシウム粉、鉄粉、小麦粉、砂糖、でんぷん、木粉、穀物粉、樹脂粉などがあります。可燃性蒸気の爆発が気体や蒸気と空気の混合物で起こるのに対し、粉じん爆発は固体の微粒子が空気中に分散した状態で起こる点を区別して覚えてください。

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ひっかけポイント

粉じん爆発では、「粉末にしても質量が同じだから燃え方も同じ」と考えさせる表現がよく使われますが、燃焼速度を左右するのは質量だけではなく、空気と接触する表面積です。また、「粉じんが多いほど爆発しやすい」という日常的な感覚も誤答につながります。実際には爆発可能な濃度範囲があり、濃すぎると酸素不足になります。「堆積している粉じん」と「空気中に浮遊している粉じん」の混同にも注意が必要です。堆積粉じんは直ちに粉じん爆発を起こす状態ではありませんが、巻き上げられると危険な粉じん雲になります。小麦粉や砂糖は食品であるため安全だと思い込みやすいものの、可燃性の有機物であり、微粉末が空気中に浮遊すれば爆発する可能性があります。「金属粉や石炭粉だけが危険である」という限定表現は誤りです。「必ず」「ほとんど変わらない」「起こらない」などの強い断定が含まれる場合は、発生条件や例外が無視されていないかを確認すると正誤を判断しやすくなります。

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