問題
機械により荷役する構造を有しない運搬容器に危険物を収納して運搬する場合の、原則的な収納率に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、告示で定める特例は考慮しないものとする。
(1) ガラスびんに液体の危険物を収納する場合は、内容積の100%まで収納できる。
(2) 固体の危険物は、運搬容器の内容積の95%以下となるように収納しなければならない。
(3) プラスチック製の運搬容器では、危険物の種類や性状にかかわらず、内容積の90%以下となるように収納しなければならない。
(4) 液体の危険物は、内容積の98%以下であれば、55℃の温度で漏れるおそれがあっても収納できる。
(5) 固体・液体を問わず、すべての危険物は運搬容器の内容積の80%以下となるように収納しなければならない。
危険物取扱者乙種4類|危険物運搬容器の収納率を解説
危険物を運搬容器に収納するときは、温度変化などによる漏えいを防止するため、収納方法や収納率が定められています。機械により荷役する構造を有しない運搬容器では、告示で定める特例を除き、固体の危険物は内容積の95%以下、液体の危険物は内容積の98%以下の収納率とします。さらに、液体については、55℃の温度において漏れないよう、十分な空間容積を確保しなければなりません。したがって、正しいものは(2)です。

(1) ガラスびんに液体の危険物を収納する場合は、内容積の100%まで収納できる。
不適切です。液体の危険物は、ガラスびんであるかどうかにかかわらず、原則として運搬容器の内容積の98%以下の収納率としなければなりません。さらに、55℃の温度において漏れないよう、十分な空間容積を確保する必要があります。液体を容器いっぱいまで収納すると、温度上昇によって液体が膨張した際に、内容物が漏れるおそれがあります。容器の材質がガラスであっても、内容積の100%まで収納できるわけではありません。
(2) 固体の危険物は、運搬容器の内容積の95%以下となるように収納しなければならない。
適切です。機械により荷役する構造を有しない運搬容器では、告示で定める特例を除き、固体の危険物は運搬容器の内容積の95%以下の収納率で収納しなければなりません。一方、液体の危険物は、原則として内容積の98%以下の収納率とし、さらに55℃の温度において漏れないよう十分な空間容積を確保する必要があります。固体と液体では、原則的な収納率が異なることを覚えておきましょう。
(3) プラスチック製の運搬容器では、危険物の種類や性状にかかわらず、内容積の90%以下となるように収納しなければならない。
不適切です。運搬容器がプラスチック製であるという理由だけで、収納率が一律に90%以下となる規定はありません。原則的な収納率は、固体の危険物が95%以下、液体の危険物が98%以下です。また、運搬容器には、収納する危険物と危険な反応を起こさないなど、その危険物の性質に適応した材質を使用する必要があります。容器の材質に関する基準と、収納率に関する基準を混同しないようにしましょう。なお、第3類のアルキルアルミニウム等のように、危険物の品名や性状によって特別な収納基準が設けられているものもあります。
(4) 液体の危険物は、内容積の98%以下であれば、55℃の温度で漏れるおそれがあっても収納できる。
不適切です。液体の危険物は、原則として運搬容器の内容積の98%以下の収納率とするだけでは不十分です。55℃の温度において漏れないよう、十分な空間容積を確保しなければなりません。したがって、「98%以下」という収納率の条件を満たしていても、55℃で漏れるおそれがある状態では、法令上の収納基準を満たしません。収納率と温度上昇による体積膨張への対策は、両方とも必要です。
(5) 固体・液体を問わず、すべての危険物は運搬容器の内容積の80%以下となるように収納しなければならない。
不適切です。すべての危険物について、収納率を一律に内容積の80%以下とする規定はありません。機械により荷役する構造を有しない運搬容器では、告示で定める特例を除き、固体の危険物は内容積の95%以下、液体の危険物は内容積の98%以下とするのが原則です。もっともらしい数値に惑わされず、固体と液体の基準を区別して覚えることが重要です。
この問題で覚えるポイント
機械により荷役する構造を有しない運搬容器に危険物を収納する場合、告示で定める特例を除き、固体の危険物は運搬容器の内容積の95%以下、液体の危険物は内容積の98%以下の収納率とします。液体の危険物については、98%以下とするだけでなく、55℃の温度において漏れないよう、十分な空間容積を確保しなければなりません。基本的な組合せは、次のとおりです。固体の危険物:内容積の95%以下。液体の危険物:内容積の98%以下で、55℃において漏れない十分な空間容積を確保。また、危険物は、収納する危険物と危険な反応を起こさないなど、その危険物の性質に適応した材質の運搬容器に収納する必要があります。ただし、容器の材質が金属製・ガラス製・プラスチック製のいずれであるかだけを理由として、収納率が決まるわけではありません。なお、危険物の品名、性状、収納方法などによって特例があります。例えば、第3類のアルキルアルミニウム等は、内容積の90%以下の収納率とし、50℃の温度において5%以上の空間容積を確保するという特別な基準が設けられています。また、機械により荷役する構造を有する運搬容器には、固体95%の規定がそのまま適用されるわけではありません。乙種4類の試験では、まず「固体95%・液体98%・液体は55℃で漏れない空間を確保」という原則を正確に覚えましょう。
ひっかけポイント
このテーマでは、「ガラスびんなら100%まで収納できる」「プラスチック製容器は90%以下」「すべての危険物は80%以下」など、容器の材質やもっともらしい数値を使った選択肢が出題されます。原則的な収納率は、容器の材質だけで決まるものではありません。機械により荷役する構造を有しない運搬容器では、固体の危険物は95%以下、液体の危険物は98%以下です。また、液体については「98%以下」という数値だけを覚えるのではなく、「55℃の温度において漏れないよう、十分な空間容積を確保する」という条件もセットで覚える必要があります。ただし、「固体は必ず95%、液体は必ず98%」と例外なく断定するのも正確ではありません。危険物の品名や性状、収納方法、運搬容器の構造などによって特例が設けられています。試験では、問題文に「原則として」「特例を除く」などの条件があるかにも注意しましょう。数字だけを暗記するのではなく、「どの運搬容器に適用される原則なのか」「固体と液体のどちらの基準なのか」「温度に関する条件があるか」まで確認することが得点につながります。
