【ビル管過去問】令和6年度 問題155|外装清掃 窓ガラス清掃の特徴を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|清掃第155問

問題

外装の清掃に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 窓ガラスは、平滑で緻密なため、汚れによる変質をしにくいので、1年に1回程度の頻度で洗浄を行う。

(2) 窓ガラス洗浄のスクイジー法は、ウォッシャで水又は専用洗剤を塗布し、端から窓用スクイジーでかき取る。

(3) ロープ高所作業を行う場合は、労働安全衛生規則により、特別教育の実施などが義務付けられている。

(4) 田園地帯など汚れが少ない地域の金属材は、1年に1回程度の頻度で洗浄を行う。

(5) 石材やコンクリートは汚れが目立ちにくいが、立地条件に応じて3〜5年に1回程度は洗浄を行う。

ビル管過去問|外装清掃 窓ガラス清掃の特徴を解説

この問題は、外装材ごとの汚れやすさと洗浄頻度、さらに窓ガラス清掃の基本的な方法や高所作業時の安全管理について問う問題です。ポイントは、材料の性質だけでなく、実際の維持管理では美観保持や汚れの蓄積防止の観点から、どの程度の頻度で清掃するかを正しく押さえることです。窓ガラスは変質しにくい材料ですが、だからといって洗浄頻度を極端に少なくしてよいわけではありません。正解は(1)で、窓ガラスの洗浄頻度として「1年に1回程度」は少なすぎるため、不適当です。

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(1) 窓ガラスは、平滑で緻密なため、汚れによる変質をしにくいので、1年に1回程度の頻度で洗浄を行う。

不適切です。窓ガラスはたしかに平滑で緻密な材料であり、石材や金属材に比べると、汚れが材料内部にしみ込んだり、材質そのものを劣化させたりしにくい特徴があります。しかし、外装清掃の実務では、変質しにくいことと、洗浄回数を少なくしてよいことは同じではありません。窓ガラスは透明であるため、手あか、粉じん、排気ガス、雨だれ、水あかなどが付着すると非常に目立ちやすく、美観を大きく損ねます。また、汚れを長期間放置すると、こびりつきやうろこ状の汚れとなり、除去しにくくなります。そのため、窓ガラスは一般に年1回程度ではなく、建物の用途や立地条件に応じて、もっと高い頻度で洗浄されるのが通常です。この選択肢は、「変質しにくい」という正しい説明のあとに、「だから年1回で十分」と結論づけている点が誤りです。

(2) 窓ガラス洗浄のスクイジー法は、ウォッシャで水又は専用洗剤を塗布し、端から窓用スクイジーでかき取る。

適切です。スクイジー法は、窓ガラス清掃の代表的な方法です。まずウォッシャでガラス面に水や専用洗剤を均一に塗布し、付着した汚れを浮かせます。その後、窓用スクイジーを用いて、上から下、または端から一定方向に動かしながら水分と汚れをかき取ります。この方法は、洗浄むらを防ぎやすく、乾燥後のすじ残りも抑えやすいため、実務でも広く用いられています。試験では、用具の名称と役割の組合せがよく問われます。ウォッシャは洗浄液を塗布する道具であり、スクイジーは水切りを行う道具であることを整理して覚えることが大切です。

(3) ロープ高所作業を行う場合は、労働安全衛生規則により、特別教育の実施などが義務付けられている。

適切です。ロープ高所作業は、外壁や窓ガラスの清掃などで行われる高所作業の一つであり、墜落転落災害の危険が高い作業です。そのため、関係法令により、安全帯ではなく墜落制止用器具の適切な使用、作業方法の遵守、そして特別教育の実施などが求められています。建築物衛生管理技術者試験では、清掃技術だけでなく、作業安全に関する基本知識も問われます。特に高所作業は、清掃そのものの知識だけでなく、労働災害防止の観点を必ずセットで押さえておく必要があります。現場では、作業品質より先に安全確保が前提です。この感覚を持っておくと、関連問題にも対応しやすくなります。

(4) 田園地帯など汚れが少ない地域の金属材は、1年に1回程度の頻度で洗浄を行う。

適切です。金属材の外装は、地域の環境条件によって汚れ方や腐食の進み方が大きく異なります。海岸地域や工業地帯では塩分や煤煙などの影響を受けやすく、より高頻度の洗浄が必要になります。一方で、田園地帯のように比較的汚染の少ない地域では、金属材の洗浄頻度は年1回程度が目安とされます。この問題では、「地域条件によって維持管理頻度が変わる」という実務的な考え方が理解できているかが問われています。同じ金属材でも、どこに建っている建物かによって管理水準が変わることが重要です。

(5) 石材やコンクリートは汚れが目立ちにくいが、立地条件に応じて3〜5年に1回程度は洗浄を行う。

適切です。石材やコンクリートは、窓ガラスのように汚れがすぐ目立つ材料ではありませんが、表面にほこり、雨だれ、藻、排気ガス汚れなどが徐々に蓄積します。また、材料によっては表面の微細な凹凸に汚れが入り込みやすく、長期間放置すると見た目の劣化だけでなく、清掃しても回復しにくくなることがあります。そのため、汚れが目立ちにくい材料であっても、立地条件や外観維持の必要性に応じて、3〜5年に1回程度の洗浄を行うのが一般的です。この選択肢は、外装材の特性と維持管理周期の考え方を正しく示しています。

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この問題で覚えるポイント

外装清掃では、材料の性質と立地条件をセットで考えることが重要です。窓ガラスは平滑で緻密であり、材質そのものは汚れで変質しにくいですが、汚れが非常に目立ちやすいため、洗浄頻度は比較的高くなります。ここで大切なのは、「変質しにくい」ことと「汚れが目立たない」ことは別だと理解することです。試験では、このズレを突いてきます。 金属材は地域差が大きく、田園地帯のような汚染の少ない地域では年1回程度が目安になりますが、海岸地帯や工業地帯ではより短い周期での洗浄が必要です。石材やコンクリートは汚れが目立ちにくい反面、洗浄を全くしなくてよいわけではなく、立地条件に応じて3〜5年に1回程度の洗浄が必要です。 窓ガラス清掃の方法としては、ウォッシャで洗浄液を塗布し、スクイジーでかき取るスクイジー法が基本です。用具の名称と役割の対応は頻出ですので、ウォッシャは塗布、スクイジーは水切りと整理して覚えることが大切です。 さらに、高所での外装清掃では、清掃技術だけでなく安全管理も重要です。ロープ高所作業では特別教育などの法的義務があり、清掃実務は安全確保を前提として成り立っています。試験では、材料知識、清掃方法、安全管理が横断的に問われるため、個別に覚えるのではなく、外装清掃の全体像として理解することが合格への近道です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「材料の性質」と「清掃頻度」の関係を単純化してしまう受験者心理を突いている点にあります。窓ガラスは変質しにくいという説明自体は正しいため、そのまま「洗浄は少なくてよい」と読んでしまうと誤答しやすくなります。ですが実務では、変質のしやすさだけでなく、汚れの見えやすさ、美観、汚れの除去のしやすさも考慮して洗浄頻度を決めます。 また、外装材ごとの頻度を丸暗記しているだけだと、金属材、石材、コンクリート、窓ガラスの違いが曖昧になりやすいです。試験作成者はそこを狙って、「もっともらしい頻度」を並べてきます。こうした問題では、単に数字を見るのではなく、その材料は汚れが目立つのか、立地の影響を受けやすいのか、材質保護と美観維持のどちらが主目的になりやすいのか、という観点で判断することが大切です。 さらに、清掃方法や安全管理の選択肢は比較的正しく見えやすいため、受験者は頻度の選択肢に意識が向きにくくなります。このように、一部だけ正しい説明を前半に置き、後半で誤らせるパターンは非常によく出ます。今後も、「前半は正しいが、結論だけ誤っている選択肢」に注意して読み取ることが大切です。

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