【ビル管過去問】令和6年度 問題149|床維持剤 フロアポリッシュの特徴を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|清掃第149問

問題

清掃分野における床維持剤を説明する内容として、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) フロアオイル ――― 鉱油を主体とし、木質系床材の保護と美観の向上に使用される

(2) フロアポリッシュ ――― 塗布乾燥後に皮膜を形成し、物理的化学的方法により、容易に除去できる製品群

(3) フロアシーラ ――― 塗布乾燥後に皮膜を形成し、物理的化学的方法によっても容易には除去できない製品群

(4) 水性フロアポリッシュポリマータイプ ――― 不揮発性成分として、合成樹脂等のポリマが主原料

(5) 水性フロアポリッシュワックスタイプ ――― 一般的に樹脂ワックスと呼ばれ、フロアポリッシュの主流

ビル管過去問|床維持剤 フロアポリッシュの特徴を解説

この問題は、床維持剤の基本分類と、それぞれの性質の違いを正しく理解しているかを問う問題です。特に重要なのは、フロアポリッシュ、フロアシーラ、ポリマータイプ、ワックスタイプの違いです。結論として、不適当なのは「水性フロアポリッシュワックスタイプが一般的に樹脂ワックスと呼ばれ、主流である」とする内容です。一般に樹脂ワックスと呼ばれているのは、水性フロアポリッシュポリマータイプです。JISでは、ポリマータイプは不揮発性成分として合成樹脂などのポリマーを主原料とするものとされ、日本フロアーポリッシュ工業会も「樹脂ワックス」は水性フロアーポリッシュポリマータイプの通称であるとしています。さらに、床維持剤の代表例として広く用いられているのも、このポリマータイプです。

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(1) フロアオイル ――― 鉱油を主体とし、木質系床材の保護と美観の向上に使用される

適切です。フロアオイルは、主として木質系床材に用いられる床維持剤です。木材は水分や摩耗の影響を受けやすいため、油分を与えて表面を保護し、つややしっとりした外観を保つ目的で使用されます。この選択肢は、フロアオイルの用途を基本どおり述べたものです。木質床材向けの維持剤は、ビニル床用の樹脂ワックスとは役割も適性も異なるため、床材との適合性を意識して覚えることが大切です。

(2) フロアポリッシュ ――― 塗布乾燥後に皮膜を形成し、物理的化学的方法により、容易に除去できる製品群

適切です。フロアポリッシュは、床面に塗布して乾燥させることで表面に皮膜をつくり、床材の保護、美観の向上、清掃のしやすさの向上などに役立つ床維持剤です。そして、この皮膜は必要に応じて剥離洗浄などの物理的化学的方法で除去しやすいという性質を持ちます。つまり、再塗布や更新を前提にした保護膜である点が特徴です。床のメンテナンスでは、汚れた皮膜を除去して新しい皮膜を形成するという考え方が基本になるため、この説明は妥当です。

(3) フロアシーラ ――― 塗布乾燥後に皮膜を形成し、物理的化学的方法によっても容易には除去できない製品群

適切です。フロアシーラは、床表面や下地に対して密着し、下地の吸い込みを抑えたり、上に塗る維持剤の密着性を高めたりする下塗り的な役割を持つ材料です。一般的なフロアポリッシュよりも除去しにくく、容易に剥がれない性質を持つ点が特徴です。このため、フロアポリッシュとフロアシーラは、どちらも皮膜を形成するものの、除去のしやすさと役割が異なります。この違いを押さえておくと、正誤判断がしやすくなります。

(4) 水性フロアポリッシュポリマータイプ ――― 不揮発性成分として、合成樹脂等のポリマが主原料

適切です。これはJISの定義に沿った正しい説明です。JISでは、ポリマータイプとは、フロアポリッシュのうち、不揮発性成分として合成樹脂などのポリマーを主原料として作られたものとされています。現在、建築物清掃の現場で主流となっているのはこのタイプであり、耐久性、光沢、耐水性、耐汚染性などに優れています。試験では、ポリマータイプの定義そのものが問われることがあるため、語句をそのまま覚えておくと得点しやすいです。

(5) 水性フロアポリッシュワックスタイプ ――― 一般的に樹脂ワックスと呼ばれ、フロアポリッシュの主流

不適切です。その理由は、一般に樹脂ワックスと呼ばれているのは、水性フロアポリッシュワックスタイプではなく、水性フロアポリッシュポリマータイプだからです。日本フロアーポリッシュ工業会は、「樹脂ワックスとは水性フロアーポリッシュポリマータイプの通称である」と明示しています。また、業界資料でも、代表的な床維持剤として用いられているのは樹脂ワックス、すなわち水性フロアーポリッシュポリマータイプであると示されています。したがって、この選択肢は「ワックスタイプ」と「ポリマータイプ」を入れ替えている点が誤りです。ここがこの問題の最大のひっかけです。

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この問題で覚えるポイント

床維持剤の問題では、まず「何を保護するのか」と「どんな皮膜をつくるのか」を軸に整理すると覚えやすいです。フロアポリッシュは、床面に塗って乾燥させ、比較的除去しやすい皮膜をつくる床維持剤です。これに対し、フロアシーラは下地調整や密着性向上の役割が強く、容易には除去しにくい皮膜をつくります。両者は「皮膜をつくる」という点では似ていますが、除去のしやすさと用途が違います。 フロアポリッシュの中では、ポリマータイプとワックスタイプの違いが頻出です。JISでは、ポリマータイプは不揮発性成分として合成樹脂などのポリマーを主原料とするものと定義されています。一方で、ワックスタイプは名称どおり、ろう成分を中心とした性格のものです。試験対策としては、「樹脂ワックス=水性フロアポリッシュポリマータイプ」と結び付けて覚えるのが最重要です。業界でも主流なのはこのポリマータイプです。 また、床維持剤は床材との適合も重要です。木質系床材にはフロアオイルのような専用の維持剤が用いられることがあり、ビニル系床材などに使う樹脂ワックスと同じ感覚で考えないことが大切です。試験では、用途、主成分、皮膜性、除去性のどれかをずらして出題されることが多いため、「名称だけでなく性質までセットで覚える」ことが正答への近道です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「ワックス」という日常語のイメージに引っ張られる点です。現場では「樹脂ワックス」という言い方が非常に一般的なので、名称だけ見るとワックスタイプが主流だと錯覚しやすいです。しかし実際には、樹脂ワックスは水性フロアポリッシュポリマータイプの通称です。つまり、「ワックス」という通称の中身がポリマータイプであるところに、受験者が混乱しやすい罠があります。 また、フロアポリッシュとフロアシーラも混同しやすいです。どちらも塗布後に皮膜を形成するため、表面的には似た説明に見えます。しかし、除去しやすいか、容易には除去しにくいかという違いが重要です。試験では、この「一部は正しいが、決定的な一語が違う」という形で誤答を誘ってきます。したがって、用語の丸暗記ではなく、「皮膜の役割」「除去性」「主原料」の3点セットで整理して覚えることが大切です。

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