【ビル管過去問】令和6年度 問題147|ビルクリーニング機械 真空掃除機の構造を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|清掃第147問

問題

ビルクリーニング用機械の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 真空掃除機は、電気ファンによって機械内部に空気の低圧域を作り、ホース等を通じてほこりと空気を吸引する構造を有する。

(2) アップライト型真空掃除機は、繊維床よりも弾性床のほこりを取るのに適する構造を有する。

(3) 床移動型のウェット式真空掃除機は、モータ部が濡(ぬ)れずに泥水や洗浄汚水を吸引除去できる構造を有する。

(4) 手動スイーパは、床面を押すことで回転ブラシがごみを掃き取って、器具の内部に巻き込む構造を有する。

(5) エクストラクタは、ノズルから洗浄液を噴射して、直ちに吸引する構造を有する。

ビル管過去問|ビルクリーニング機械 真空掃除機の構造を解説

この問題は、ビルクリーニングで用いられる代表的な機械の構造と用途の違いを理解しているかを問う問題です。単に機械の名前を覚えているだけではなく、どの床材に向くのか、どのような仕組みでごみや汚水を回収するのかまで把握しておくことが大切です。今回の誤りは、アップライト型真空掃除機の適用床材に関する記述です。アップライト型は繊維床に向く機械であり、弾性床向きとした点が不適当です。

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(1) 真空掃除機は、電気ファンによって機械内部に空気の低圧域を作り、ホース等を通じてほこりと空気を吸引する構造を有する。

適切です。真空掃除機の基本原理は、ファンを回転させて機械内部の圧力を下げ、外部との圧力差によって空気と一緒にほこりを吸い込むことにあります。建築物清掃の現場では最も基本的な機械の一つであり、吸引した空気の流れの中でごみを集じん袋やダストボックスに分離回収します。この「低圧域を作って吸い込む」という理解は、真空掃除機全般に共通する重要な基礎知識です。

(2) アップライト型真空掃除機は、繊維床よりも弾性床のほこりを取るのに適する構造を有する。

不適切です。アップライト型真空掃除機は、一般にカーペットなどの繊維床に適した構造を有しています。機種によっては回転ブラシを備え、パイルの奥に入り込んだほこりや砂じんをかき起こしながら吸引できるため、繊維床の清掃で高い効果を発揮します。一方で、弾性床ではこうした構造の利点が相対的に小さく、むしろタンク型や床材に応じた別の機械の方が扱いやすいことが多いです。つまり、この選択肢は「繊維床」と「弾性床」を逆にしている点が誤りです。

(3) 床移動型のウェット式真空掃除機は、モータ部が濡(ぬ)れずに泥水や洗浄汚水を吸引除去できる構造を有する。

適切です。ウェット式真空掃除機は、水や洗浄汚水を吸引することを前提に作られているため、吸い込んだ液体がそのままモータ部に入って故障しないような構造上の工夫がされています。具体的には、回収タンクで汚水を受け止めたり、フロート機構で液体の吸い込み過多を防いだりして、モータ側を保護します。床洗浄後の汚水回収や泥水除去に使用されるため、乾式真空掃除機とは区別して理解する必要があります。

(4) 手動スイーパは、床面を押すことで回転ブラシがごみを掃き取って、器具の内部に巻き込む構造を有する。

適切です。手動スイーパは、電力を使わず、前に押す力を利用して車輪やブラシを回転させ、ごみを機械内部の回収部に取り込む構造です。広い平滑床で紙くずや砂などを効率よく回収するのに向いています。真空掃除機のように吸引するのではなく、「掃き込む」ことが基本であるため、構造と用途を分けて覚えることが大切です。

(5) エクストラクタは、ノズルから洗浄液を噴射して、直ちに吸引する構造を有する。

適切です。エクストラクタは、主にカーペットなどの繊維床に対して用いる洗浄機で、洗浄液を噴射し、汚れを浮かせた直後にその液を吸引回収する構造です。これにより、繊維内部に入り込んだ汚れを比較的効率よく除去できます。洗浄と同時に回収まで行うため、床に水分を過度に残しにくいことも特徴です。真空掃除機と似た吸引機能を持ちますが、目的は乾いたごみの除去ではなく、洗浄液を用いた繊維床の洗浄にあります。

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この問題で覚えるポイント

ビルクリーニング機械は、まず「何を回収する機械か」と「どの床材に向くか」で整理すると理解しやすいです。真空掃除機は空気の圧力差を利用してほこりを吸い込む機械で、乾いたごみの除去が基本です。ウェット式真空掃除機は泥水や洗浄汚水を回収する機械で、乾式とは用途が異なります。エクストラクタは洗浄液を噴射してすぐ吸引回収する、繊維床向けの洗浄機です。手動スイーパは吸引ではなく、回転ブラシで掃き込み回収する機械です。 床材との対応では、アップライト型真空掃除機は繊維床向き、弾性床では必ずしも最適ではないという点が重要です。試験では「機械の名称」と「得意な清掃対象」の組合せがよく問われます。特に、繊維床ではブラシ作用が重要になりやすく、弾性床では表面のごみを効率よく除去できる別の方式が選ばれやすいです。このように、構造と用途をセットで覚えることが正誤判断に直結します。 また、乾式と湿式の違いも頻出です。乾式は主に粉じんや乾いたごみ、湿式は泥水や洗浄後の汚水を対象とします。ここを曖昧にすると、ウェット式真空掃除機やエクストラクタに関する問題で混乱しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、機械の名称だけ知っている受験者に対して、「適用床材」を逆転させて判断ミスを誘うところにあります。アップライト型真空掃除機という名称を知っていても、繊維床向きか弾性床向きかまで正確に覚えていないと、もっともらしく見えてしまいます。 また、すべての選択肢がそれらしい機械説明になっているため、「機械の構造」と「用途」が頭の中で曖昧だと誤りを見抜きにくいです。特に、真空掃除機、ウェット式真空掃除機、エクストラクタは、いずれも吸引機能を持つため、違いをぼんやり覚えていると混同しやすくなります。試験ではこのように、似た機能を持つ機械同士を並べて、対象物や使用場面の違いを問うパターンがよく出ます。 今後の対策としては、機械ごとに「構造」「対象物」「適用床材」「乾式か湿式か」を一行で整理して覚えることが有効です。これができれば、類似問題にも対応しやすくなります。

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