【ビル管過去問】令和6年度 問題105|建築物管理の基礎用語(BELSCOPステークホルダー)を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|建築物の構造概論第105問

問題

建築物の管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) リテラシーとは、情報やデータを管理、活用する能力のことである。

(2) BELSとは、中央監視、エネルギー管理、ビル管理等を含んだ包括的なシステムのことである。

(3) 冷暖房設備のCOP(成績係数)は、入力エネルギーに対して出力された熱量の割合を示す。

(4) 非常用発電機により電力供給される防災負荷とは、消火設備、排煙設備等に必要な電力負荷のことである。

(5) ステークホルダとは、企業組織の利害関係者のことである。

ビル管過去問|建築物管理の基礎用語(BELSCOPステークホルダー)を解説

この問題は、建築物管理に関する基本用語の意味を正しく理解しているかを問う問題です。単語だけを見て何となく意味を連想すると迷いやすいですが、それぞれの用語がどの分野の言葉なのかを切り分けて考えることが大切です。正しい選択肢は、リテラシー、COP、防災負荷、ステークホルダーの説明であり、最も不適当なのはBELSの説明です。BELSは建物の省エネルギー性能を評価し、表示する制度であって、中央監視やビル管理を含む包括的な管理システムではありません。

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(1) リテラシーとは、情報やデータを管理、活用する能力のことである。

適切です。リテラシーは本来、読み書き能力を意味する言葉ですが、現在では特定分野の情報を理解し、適切に扱い、活用する能力という意味で広く使われています。たとえば情報リテラシー、データリテラシー、ITリテラシーなどの形で用いられます。建築物管理の現場でも、設備データや点検記録、エネルギー使用量、異常警報などの情報を読み取り、適切に判断して活用する力が重要です。そのため、この記述は概ね正しい内容です。

(2) BELSとは、中央監視、エネルギー管理、ビル管理等を含んだ包括的なシステムのことである。

不適切です。BELSはBuilding-Housing Energy-efficiency Labeling Systemの略で、建築物の省エネルギー性能を第三者評価により表示する制度です。要するに、建物がどの程度省エネ性能を備えているかを見える化するラベリング制度であり、設備を統合して監視制御する中央監視システムやBAS、BEMSのような管理システムそのものではありません。この選択肢は、省エネに関係する横文字であることからBELSとBEMSや中央監視システムを混同させる典型的な誤りです。したがって、最も不適当な記述です。

(3) 冷暖房設備のCOP(成績係数)は、入力エネルギーに対して出力された熱量の割合を示す。

適切です。COPはCoefficient of Performanceの略で、日本語では成績係数といいます。冷凍機やヒートポンプなどの効率を表す代表的な指標で、消費した電力などの入力エネルギーに対して、どれだけの熱量を得られたかを示します。たとえばCOPが3であれば、1のエネルギー投入に対して3の熱移動効果が得られることを意味します。冷房でも暖房でも使われる基本用語であり、この説明は正しいです。

(4) 非常用発電機により電力供給される防災負荷とは、消火設備、排煙設備等に必要な電力負荷のことである。

適切です。防災負荷とは、火災や停電などの非常時に人命保護や被害拡大防止のために必要となる設備の電力負荷を指します。具体的には、消火設備、排煙設備、非常照明、非常放送、誘導関連設備などが含まれます。これらは通常時の利便性のための負荷ではなく、災害時に優先して機能を維持すべき負荷です。そのため、非常用発電機から電力供給を受ける対象として説明されるのは妥当です。

(5) ステークホルダとは、企業組織の利害関係者のことである。

適切です。ステークホルダーとは、企業や組織の活動によって影響を受けたり、逆に影響を与えたりする利害関係者のことです。株主、従業員、顧客、取引先、地域住民、行政などが代表例です。建築物管理の分野でも、建物所有者、管理会社、利用者、テナント、維持管理業者、行政機関など多くの関係者が存在します。この記述は用語の説明として正しいです。

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この問題で覚えるポイント

BELSは建築物の省エネルギー性能を評価して表示する制度です。システムそのものではなく、性能表示制度であることが重要です。 BEMSはBuilding Energy Management Systemの略で、建物内のエネルギー使用状況を計測、監視、制御して、省エネ運用につなげるシステムです。BELSとBEMSは名称が似ていますが、前者は表示制度、後者は運用管理システムという違いがあります。 COPは成績係数であり、入力エネルギーに対する出力熱量の比です。数値が大きいほど効率が高いと判断します。 リテラシーは、単に知識があるというだけでなく、情報を理解し、判断し、活用する能力まで含んだ概念です。 ステークホルダーは利害関係者全般を指す広い概念です。株主だけでなく、従業員、利用者、地域社会、行政なども含まれます。 防災負荷は、非常時に人命安全や防災機能の維持に必要な電力負荷です。通常負荷との区別が重要です。 試験では、横文字の略語について、制度なのか、設備なのか、システムなのか、評価指標なのかを整理して覚えると正誤判断しやすくなります。

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ひっかけポイント

BELSとBEMSのように、アルファベット略語が似ている用語の混同が最大のひっかけです。省エネに関係する横文字だから同じような意味だろうと考えると誤答しやすくなります。 一見もっともらしい説明でも、制度とシステム、概念と装置、評価指標と管理手法がすり替えられている場合があります。用語の分類を意識しないと引っかかります。 COPは日常感覚では理解しにくいため、入力より出力が大きいのはおかしいと感じて迷う人がいます。しかし、COPは熱を発生させる量ではなく、熱を移動させる効率を表すため、この感覚のずれが罠になります。 リテラシーやステークホルダーは一般用語としても使われるため、何となく知っているつもりになりやすい言葉です。そのため、曖昧な理解のまま選ぶと、別の選択肢の専門用語の誤りを見落としやすくなります。 このタイプの問題では、知らない用語を無理に推測するより、確実に定義を言える用語を一つずつ確認し、消去法で判断することが有効です。

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