【ビル管過去問】令和6年度 問題102|防災防犯用語(ICタグパッシブセンサライフライン)を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験 令和6年度(2024年)|建築物の構造概論 第102問

問題

防災防犯に関する語句の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) 無線 ICタグ ――― 入退室認証装置

(2) ストリートキャニオン ――― ビル風の発生

(3) サンクンガーデン ――― 水害対策

(4) パッシブセンサ ――― 防犯対策

(5) ライフライン ――― 生活を維持するための諸施設

ビル管過去問|防災防犯用語(ICタグパッシブセンサライフライン)を解説

この問題は、防災防犯や建築計画に関する基本用語の意味と用途を正しく対応づけられるかを問う問題です。個々の用語を暗記しているだけではなく、その言葉が実際にどの場面で使われるかまで理解しているかが試されます。正しい選択肢は、無線ICタグと入退室認証装置、ストリートキャニオンとビル風の発生、パッシブセンサと防犯対策、ライフラインと生活を維持するための諸施設です。不適当なのは、サンクンガーデンを水害対策とした組合せです。サンクンガーデンは地盤面より低く掘り下げて設ける庭や広場であり、むしろ雨水流入時には浸水しやすい空間となるため、水害対策として結び付けるのは不適切です。

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(1) 無線 ICタグ ――― 入退室認証装置

適切です。無線ICタグは、電波を利用して情報を読み書きする識別媒体で、建物の入退室管理に広く用いられます。社員証やカードキーに組み込まれ、認証装置にかざすことで、誰がいつ出入りしたかを管理できます。防犯上は、不審者の侵入防止や入退室履歴の記録に役立ちます。建築物管理では、単なる便利なカードではなく、セキュリティ設備の一部として理解しておくことが大切です。

(2) ストリートキャニオン ――― ビル風の発生

適切です。ストリートキャニオンとは、高い建物が道路の両側に連続して立ち並び、道路空間が峡谷のような形になる状態をいいます。このような都市空間では、風の流れが建物の間に集中しやすくなり、地上付近で強い風が生じることがあります。これが、いわゆるビル風の発生につながります。建築物の配置計画や周辺環境の検討では、歩行者の安全性や快適性の観点からも重要な概念です。

(3) サンクンガーデン ――― 水害対策

不適切です。サンクンガーデンとは、周囲の地盤面より一段低く造られた庭園や広場のことです。地下階に光や風を取り込んだり、開放感のある半地下空間をつくったりする目的で設けられます。しかし、地盤面より低いという性質上、豪雨時には雨水が流れ込みやすく、排水計画が不十分であれば浸水リスクが高まります。そのため、サンクンガーデンそのものを水害対策とみなすのは誤りです。むしろ水害時には注意を要する構造と理解したほうが正確です。

(4) パッシブセンサ ――― 防犯対策

適切です。パッシブセンサは、自ら電波や光を発するのではなく、人や物体が発する赤外線や熱の変化などを受けて検知するセンサです。防犯設備では、人の侵入を感知して警報を作動させる用途でよく使われます。たとえば、夜間に無人区域へ人が立ち入った場合に検知する仕組みなどが代表例です。防犯分野では非常に基本的な用語なので、能動的に発信する装置ではないという点とあわせて覚えておくと整理しやすいです。

(5) ライフライン ――― 生活を維持するための諸施設

適切です。ライフラインとは、人々の生活を維持するために不可欠な基盤施設の総称です。代表的なものとして、電気、ガス、水道、下水道、通信、交通などがあります。災害時には、これらの機能停止が建物利用者の生活や安全に大きな影響を及ぼすため、防災計画ではライフラインの確保や早期復旧が重要になります。建築物衛生管理の視点でも、建物単体だけでなく、周辺インフラとの関係を意識しておくことが大切です。

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この問題で覚えるポイント

無線ICタグは、入退室管理や個人認証に使われる識別媒体です。カードキーや社員証と結び付けて覚えると整理しやすいです。 ストリートキャニオンは、高層建築物が道路沿いに並ぶことで形成される都市空間で、風の流れが集中し、ビル風の原因になりやすいです。 サンクンガーデンは、地盤面より低く設けた庭や広場で、採光や通風、景観演出に有効ですが、浸水リスクに注意が必要です。水害対策そのものではありません。 パッシブセンサは、熱や赤外線の変化を受けて人の侵入を検知する防犯用センサです。自ら発信しない点が特徴です。 ライフラインは、電気、水道、ガス、通信、交通など、生活を維持するための基盤施設の総称です。災害時は建物設備だけでなく、これらの供給停止も大きな問題になります。 試験では、用語の定義だけでなく、どの場面で使われるか、どのような性質をもつかまで問われます。防犯設備、都市環境、外構計画、防災インフラを横断して結び付けて覚えることが重要です。

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ひっかけポイント

見た目や語感から、もっとも防災らしく聞こえるものを正しいと思い込ませるのが典型的なひっかけです。サンクンガーデンは整備された屋外空間なので、安全性や防災性まで高そうに感じますが、実際には低い位置にあるため浸水に弱い側面があります。 防災と防犯、建築計画と都市環境のように、分野が少しずつ異なる用語を並べることで、受験者の知識のあいまいさを突いてきます。個別に知っていても、対応関係が曖昧だと誤りやすいです。 「一部は正しいが、組合せとしては誤り」という形も頻出です。サンクンガーデン自体は建築用語として正しいため、用語を知っているだけでは安心できません。用途や性質まで一致しているかを確認する必要があります。 日常感覚では「設備がある」「整備されている」ものを安全対策と結び付けがちですが、試験では構造上の弱点まで含めて判断する必要があります。この視点をもつと、今後の類題にも強くなれます。

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