出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|空気環境の調整第89問
問題
点光源直下3.0mの水平面照度が600ルクスである場合、点光源直下1.5mの水平面照度として最も近いものは次のうちどれか。
(1) 300ルクス
(2) 600ルクス
(3) 1200ルクス
(4) 2400ルクス
(5) 3600ルクス
ビル管過去問|照度の距離減衰(逆二乗則)を解説
この問題は、点光源からの距離が変わったときに照度がどのように変化するかを問う計算問題です。照度は距離の二乗に反比例するという逆二乗則を使って判断します。今回は3.0mで600ルクスなので、距離が半分の1.5mになれば照度は4倍になります。したがって正しい選択肢は2400ルクスです。計算式を正しく立てられるかどうかがポイントです。
(1) 300ルクス
不適切です。照度は光源に近づくほど大きくなります。今回のように距離が3.0mから1.5mへと半分になる場合、照度は半分になるのではなく4倍になります。300ルクスは、距離が近くなったのに照度が下がっているため、物理的な関係と逆になっています。逆二乗則では、照度Eは距離rの二乗に反比例し、E∝1/r²で表されます。この基本関係に照らすと、この数値は明らかに合いません。
(2) 600ルクス
不適切です。これは距離が変わっても照度が変わらないと考えた場合の数値ですが、点光源の照度は距離に応じて変化します。3.0mから1.5mへ近づくと、距離は2分の1になります。逆二乗則により照度は1/(1/2)²=4倍となるため、600ルクスのままではありません。距離が変わったのに照度をそのままと考えてしまうのは、逆二乗則を使わずに感覚で選んでしまった場合によくある誤りです。
(3) 1200ルクス
不適切です。これは距離が半分になったから照度も単純に2倍になると考えた場合に出やすい誤答です。しかし、照度は距離に反比例するのではなく、距離の二乗に反比例します。そのため、距離が2分の1になると照度は2倍ではなく4倍です。実際には600×4=2400ルクスとなります。逆二乗則の「二乗」を見落とすと、この選択肢を選びやすくなります。
(4) 2400ルクス
適切です。点光源の照度は距離の二乗に反比例するので、次のように計算します。3.0mで600ルクス、1.5mでの照度をEとすると、E=600×(3.0/1.5)²となります。3.0/1.5=2なので、E=600×2²=600×4=2400ルクスです。このように、距離が半分になれば照度は4倍になるため、2400ルクスが最も近い値です。ビル管試験では、この種の比例関係を正しく処理できるかが頻出ポイントです。
(5) 3600ルクス
不適切です。距離が近くなると照度が増える方向性自体は正しいですが、増え方が大きすぎます。逆二乗則に基づけば、距離が3.0mから1.5mへ半分になったときの照度は4倍です。したがって600×4=2400ルクスであり、3600ルクスにはなりません。この選択肢は、近づくほど明るくなるという感覚だけで数値を過大に見積もった場合に選びやすい誤答です。計算問題では感覚ではなく、式で確かめることが大切です。
この問題で覚えるポイント
点光源の照度は距離の二乗に反比例します。式で表すとE∝1/r²です。 距離が2倍になれば照度は4分の1になり、距離が2分の1になれば照度は4倍になります。 照度の比は、距離の比を二乗して求めます。つまりE1/E2=(r2/r1)²です。 この種の問題では、距離が短くなったら明るくなる、距離が長くなったら暗くなるという方向性をまず確認し、そのうえで二乗計算を行うことが大切です。 反比例と逆二乗則は異なります。単なる反比例なら距離が半分で2倍ですが、逆二乗則では4倍になります。この違いは非常によく問われます。 点光源という条件も重要です。線光源や面光源では同じ扱いにならないことがあるため、問題文の前提条件をきちんと確認する必要があります。 計算結果が元の照度より小さくなるのか大きくなるのかを先に見極めると、明らかな誤答を素早く除外できます。
ひっかけポイント
もっとも多い罠は、距離が半分になったら照度も単純に2倍と考えてしまうことです。これは「反比例」と「距離の二乗に反比例」を混同した誤りです。 次によくあるのは、近づくほど明るくなることは分かっていても、具体的な倍率を感覚で選んでしまうことです。照度問題は感覚ではなく、比の式で処理する必要があります。 元の照度600ルクスをそのまま選んでしまうのは、距離が変化していることを見落としているパターンです。数値より先に、条件の変化を確認する癖が必要です。 問題作成者は「方向性は分かっているが、倍率を間違える受験者」を狙って、2倍や過大な数値を選択肢に入れてきます。このパターンは今後も繰り返し出るため、距離の比を必ず二乗することを習慣化すると引っかかりにくくなります。
