【ビル管過去問】令和6年度 問題30|室内空気汚染による健康障害(シックハウス症候群など)を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験 令和6年度(2024年)|建築物の環境衛生 第30問

問題

室内に存在する空気汚染物質による健康影響が一因となる疾患として、ア〜エの組合せのうち、正しいものは次のどれか。 ア オゾン ――― 肺気腫 イ ラドン ――― 肺がん ウ 真菌 ――― 過敏性肺炎 エ トルエン ――― シックハウス症候群

(1) アとイとウ

(2) アとウとエ

(3) アとイとエ

(4) イとウとエ

(5) 全て正しい

ビル管過去問|室内空気汚染による健康障害(シックハウス症候群など)を解説

この問題は、室内空気汚染物質と健康障害の対応関係を正しく整理できているかを問う問題です。ビル管では、物質名だけでなく、その物質がどのような臓器や疾患と結びつくかまで押さえておくことが重要です。本問では、オゾンは呼吸器への障害を起こし肺気腫の原因となり得ること、ラドンは肺がんのリスク因子であること、真菌は過敏性肺炎の原因となること、トルエンのような揮発性有機化合物はシックハウス症候群の一因となることを押さえれば解けます。したがって、ア〜エはすべて正しく、正解は(5) 全て正しいです。

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(1) アとイとウ

不適切です。この組合せは、エを誤りとして除外していますが、エの「トルエン ――― シックハウス症候群」も正しいため、不完全です。トルエンは揮発性有機化合物の一つで、室内空気質の悪化に関与し、シックハウス症候群の原因物質群として扱われます。したがって、アイウだけを正しいとするこの選択肢は不適切です。

(2) アとウとエ

不適切です。この組合せは、イを誤りとして除外していますが、イの「ラドン ――― 肺がん」は正しい対応です。ラドンは自然由来の放射性物質で、吸入によって肺がんのリスク上昇と関連することが広く知られています。そのため、イを外しているこの選択肢は不適切です。

(3) アとイとエ

不適切です。この組合せは、ウを誤りとして除外していますが、ウの「真菌 ――― 過敏性肺炎」も正しい対応です。室内に存在する真菌は、アレルギーや感染症だけでなく、過敏性肺炎の原因にもなります。特にカビなどの真菌は、室内環境の悪化と結びつけて問われやすい重要事項です。したがって、ウを外しているこの選択肢は不適切です。

(4) イとウとエ

不適切です。この組合せは、アを誤りとして除外していますが、アの「オゾン ――― 肺気腫」も正しい内容です。オゾンは強い酸化作用を持つ気体で、呼吸器に障害を与えます。環境行政分野でも、オゾンは肺の奥深くまで到達し、喘息や慢性気管支炎だけでなく、肺気腫を引き起こす可能性がある物質として説明されています。したがって、アを除外しているこの選択肢は不適切です。

(5) 全て正しい

適切です。アのオゾンと肺気腫、イのラドンと肺がん、ウの真菌と過敏性肺炎、エのトルエンとシックハウス症候群は、いずれも正しい対応関係です。この問題は、個々の物質名を暗記しているだけではなく、それぞれがどのような健康障害と結びつくかを正確に理解しているかを確認しています。すべて正しいため、この選択肢が正解です。

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この問題で覚えるポイント

室内空気汚染では、物質ごとに起こしやすい健康障害をセットで覚えることが大切です。ラドンは放射性物質で、代表的な健康影響は肺がんです。真菌はカビとして室内に発生しやすく、喘息やアレルギーだけでなく、過敏性肺炎の原因にもなります。トルエンは揮発性有機化合物に分類され、シックハウス症候群の原因物質として重要です。オゾンは刺激臭のある強い酸化性ガスで、呼吸器障害と結びつけて覚えます。試験では、物質名だけを見て判断するのではなく、「放射性物質なら肺がん」「真菌なら過敏性肺炎」「VOCならシックハウス症候群」というように、健康影響の型で整理すると得点しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、受験者が「見慣れた組合せだけ正しい」と思い込みやすい点にあります。たとえば、ラドンと肺がん、トルエンとシックハウス症候群は比較的よく知られているため、そこだけで判断してしまうと、オゾンと肺気腫、真菌と過敏性肺炎を落としやすくなります。また、真菌という言葉から単純に「感染症だけ」と考えるのも典型的な誤りです。さらに、オゾンは日常的には除菌や脱臭のイメージで捉えられやすいため、健康障害との結び付きが弱く見えてしまうことがあります。試験では、このように日常感覚と専門知識のズレを突いてきます。知らない組合せを消すのではなく、各物質がどの臓器系に影響するかを軸に判断することが大切です。

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