【ビル管過去問】令和6年度 問題12|建築物衛生法の登録事業(清掃業防除業など)を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|建築物衛生行政概論第12問

問題

建築物衛生法に基づく事業の登録に必要な物的要件のうち、機械器具以外の設備を必要としない登録事業は次のうちどれか。

(1) 建築物清掃業

(2) 建築物飲料水水質検査業

(3) 建築物飲料水貯水槽清掃業

(4) 建築物排水管清掃業

(5) 建築物ねずみ昆虫等防除業

ビル管過去問|建築物衛生法の登録事業の物的要件を解説

この問題は、建築物衛生法に基づく登録事業のうち、どの業種で「機械器具以外の設備」が必要かを見分ける問題です。ポイントは、各登録事業に求められる物的要件を、機械器具だけで足りるものと、保管庫や検査室などの設備まで必要になるものに整理して覚えることです。正しい選択肢は(1)建築物清掃業です。建築物清掃業は、真空掃除機や床みがき機などの機械器具は必要ですが、機械器具以外の特別な設備までは求められません。一方で、建築物飲料水水質検査業は水質検査室、建築物飲料水貯水槽清掃業建築物排水管清掃業建築物ねずみ昆虫等防除業は保管庫が必要になるため、不適切です。

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(1) 建築物清掃業

適切です。建築物清掃業では、清掃に用いる機械器具を備える必要がありますが、機械器具以外の独立した設備までは登録要件として求められていません。つまり、物的要件の中心は、業務を適正に行うための清掃用機械器具そのものです。この問題は「機械器具以外の設備を必要としない」業種を問うていますので、建築物清掃業が該当します。建築物清掃業は、日常清掃や定期清掃を適切に実施できるだけの機械器具を備えているかが重要であり、水質検査室や薬剤保管庫のような専用設備までは要件に入っていない点を押さえることが大切です。

(2) 建築物飲料水水質検査業

不適切です。建築物飲料水水質検査業では、単に検査機器を持っているだけでは足りません。水質検査を適正に行うための水質検査室が必要です。これは、試料の取り扱い、試薬や標準物質の管理、分析機器の配置、検査精度の確保といった観点から、専用の設備が不可欠だからです。したがって、この業種は「機械器具以外の設備を必要としない」登録事業には当たりません。試験では、水質検査業だけは検査室が必要になるという点がよく問われます。

(3) 建築物飲料水貯水槽清掃業

不適切です。建築物飲料水貯水槽清掃業では、清掃用の機械器具だけでなく、それらを適切に保管するための保管庫が必要です。貯水槽清掃は飲料水を扱う衛生性の高い業務ですので、器具の保管状態が不適切だと、かえって汚染の原因になりかねません。そのため、機械器具を衛生的かつ安全に管理できる設備が求められています。つまり、この業種は機械器具以外の設備を必要とする登録事業です。

(4) 建築物排水管清掃業

不適切です。建築物排水管清掃業でも、清掃に用いる機械器具以外に、それらを保管するための保管庫が必要です。排水管清掃に使う器具は、汚れや臭気、衛生害虫との関係も深く、管理が不十分だと衛生上の問題を生じやすくなります。そのため、単に器具を持っているだけではなく、適切に収納し、維持管理できる設備が求められます。したがって、この選択肢は誤りです。

(5) 建築物ねずみ昆虫等防除業

不適切です。建築物ねずみ昆虫等防除業では、防除用機械器具に加えて、薬剤や機械器具を適切に保管するための保管庫が必要です。特に薬剤を扱うため、漏えい防止、安全管理、誤使用防止の観点からも、保管設備は重要です。このため、防除業は機械器具だけでは登録要件を満たさず、機械器具以外の設備を必要とする業種に該当します。日常感覚では「薬剤があればよい」と考えがちですが、法令上はその保管体制まで含めて問われている点に注意が必要です。

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この問題で覚えるポイント

建築物衛生法の登録事業では、物的要件として「機械器具」と「機械器具以外の設備」を区別して覚えることが重要です。建築物清掃業は、真空掃除機や床みがき機などの清掃用機械器具が中心で、専用の保管庫や検査室までは登録要件として求められません。これに対して、建築物飲料水水質検査業では水質検査室が必要になります。建築物飲料水貯水槽清掃業、建築物排水管清掃業、建築物ねずみ昆虫等防除業では保管庫が必要です。試験対策としては、「水質検査業は検査室」「貯水槽清掃業排水管清掃業防除業は保管庫」「清掃業は機械器具中心」と整理して覚えると、同テーマの問題に対応しやすくなります。さらに、人的要件と混同しないことも大切です。監督者や資格者の配置は人的要件であり、検査室や保管庫は物的要件です。この切り分けができると、正誤判断がかなり安定します。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「どの業種も何らかの器具を使うのだから、全部同じような物的要件だろう」と受験者に思わせるところにあります。実際には、業種ごとに求められる設備が異なります。特に引っかかりやすいのは、建築物清掃業と建築物飲料水貯水槽清掃業の混同です。名前にどちらも「清掃」と入っているため、同じ扱いだと誤認しやすいのですが、貯水槽清掃業には保管庫が必要で、建築物清掃業にはそれがありません。また、水質検査業も「検査機器があればよい」と考えると誤ります。実際には検査室という専用設備が必要です。つまり、業務内容を日常語でざっくり捉えると間違えやすく、法令上どの設備が明示されているかまで押さえないと失点しやすい問題です。「名称が似ている業種ほど、必要設備の違いをセットで覚える」という意識が、今後の再発防止につながります。

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