【特例第一種衛生管理者過去問】2022年4月公表問題|問5|石綿障害予防規則・健康診断・記録保存義務|関係法令(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第5問

問題

石綿障害予防規則に基づく措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 石綿等を取り扱う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の石綿の濃度を測定するとともに、測定結果等を記録し、これを40年間保存しなければならない。

(2) 石綿等の粉じんが発散する屋内作業場に設けられた局所排気装置については、原則として、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査を行うとともに、検査の結果等を記録し、これを3年間保存しなければならない。

(3) 石綿等の取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務に常時従事する労働者に対し、雇入れ又は当該業務への配置替えの際及びその後6か月以内ごとに1回、定期に、特別の項目について医師による健康診断を行い、その結果に基づき、石綿健康診断個人票を作成し、これを当該労働者が当該事業場において常時当該業務に従事しないこととなった日から40年間保存しなければならない。

(4) 石綿等の取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所において、常時石綿等を取り扱う作業に従事する労働者については、1か月を超えない期間ごとに、作業の概要、従事した期間等を記録し、これを当該労働者が当該事業場において常時当該作業に従事しないこととなった日から40年間保存しなければならない。

(5) 石綿等を取り扱う事業者が事業を廃止しようとするときは、石綿関係記録等報告書に、石綿等に係る作業の記録及び局所排気装置、除じん装置等の定期自主検査の記録を添えて所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

特例第一種衛生管理者|石綿障害予防規則・健康診断・記録保存義務を解説

石綿障害予防規則では、作業環境測定、局所排気装置などの自主検査、健康診断、作業記録について、それぞれ実施時期や保存期間が定められています。答えは(5)です。事業廃止時に提出が必要な記録には、石綿等に係る作業の記録や石綿健康診断個人票などが含まれますが、局所排気装置や除じん装置等の定期自主検査の記録は該当しません。

実物イメージを見る

局所排気装置

下に移動する

【特例第一種衛生管理者過去問】2022年4月公表問題|問5|石綿障害予防規則・健康診断・記録保存義務|関係法令(有害業務)__t1syu-2022-04-houreiyugai-q5

下に移動する

(1) 石綿等を取り扱う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の石綿の濃度を測定するとともに、測定結果等を記録し、これを40年間保存しなければならない。

適切です。その理由は、石綿は肺がん、中皮腫、石綿肺などの重大な健康障害を長い潜伏期間を経て発症させるおそれがあるためです。石綿等を取り扱う屋内作業場では、空気中の石綿濃度を6か月以内ごとに1回測定し、測定結果を長期間保存する必要があります。保存期間は40年間です。これは、後年になって健康障害が発生した場合に、過去の作業環境やばく露状況を確認できるようにするためです。したがって、この記述は正しいです。

(2) 石綿等の粉じんが発散する屋内作業場に設けられた局所排気装置については、原則として、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査を行うとともに、検査の結果等を記録し、これを3年間保存しなければならない。

適切です。その理由は、局所排気装置は石綿粉じんを作業者が吸い込まないように発散源の近くで捕集するための重要な設備だからです。装置の性能が低下すると、作業環境中に石綿粉じんが拡散し、ばく露リスクが高まります。そのため、原則として1年以内ごとに1回、定期自主検査を行う必要があります。局所排気装置などの自主検査の記録は、健康診断個人票や作業記録とは異なり、保存期間は3年間です。したがって、この記述は正しいです。

(3) 石綿等の取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務に常時従事する労働者に対し、雇入れ又は当該業務への配置替えの際及びその後6か月以内ごとに1回、定期に、特別の項目について医師による健康診断を行い、その結果に基づき、石綿健康診断個人票を作成し、これを当該労働者が当該事業場において常時当該業務に従事しないこととなった日から40年間保存しなければならない。

適切です。その理由は、石綿による健康障害は早期発見と長期管理が特に重要だからです。石綿の粉じんを発散する場所で常時業務に従事する労働者には、雇入れ時または配置替え時、その後6か月以内ごとに1回、医師による特殊健康診断を行います。さらに、石綿健康診断個人票を作成し、当該労働者が常時その業務に従事しなくなった日から40年間保存しなければなりません。石綿障害は長い潜伏期間をもつため、健康診断記録の長期保存が求められます。したがって、この記述は正しいです。

(4) 石綿等の取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所において、常時石綿等を取り扱う作業に従事する労働者については、1か月を超えない期間ごとに、作業の概要、従事した期間等を記録し、これを当該労働者が当該事業場において常時当該作業に従事しないこととなった日から40年間保存しなければならない。

適切です。その理由は、石綿ばく露の履歴を後から確認できるようにする必要があるためです。石綿を取り扱う作業に常時従事する労働者については、1か月を超えない期間ごとに、作業の概要、従事期間、石綿粉じんへのばく露状況などを記録します。この記録も、労働者が常時当該作業に従事しなくなった日から40年間保存する必要があります。健康障害が長期間経過後に現れる可能性があるため、作業記録の長期保存が義務付けられています。したがって、この記述は正しいです。

(5) 石綿等を取り扱う事業者が事業を廃止しようとするときは、石綿関係記録等報告書に、石綿等に係る作業の記録及び局所排気装置、除じん装置等の定期自主検査の記録を添えて所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

不適切です。その理由は、事業廃止時に提出する記録の対象が誤っているためです。石綿等を取り扱う事業者が事業を廃止しようとするときは、石綿関係記録等報告書に、石綿等に係る作業の記録や石綿健康診断個人票などを添えて、所轄労働基準監督署長に提出する必要があります。しかし、局所排気装置や除じん装置等の定期自主検査の記録を添えるという部分が誤りです。定期自主検査の記録は通常3年間保存する設備管理上の記録であり、事業廃止時に添付する長期健康管理関係の記録とは区別します。したがって、この記述が誤りです。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

石綿障害予防規則では、石綿の健康障害が長い潜伏期間を経て発症することを前提に、作業環境測定、健康診断、作業記録について40年間保存が求められます。石綿等を取り扱う屋内作業場の空気中濃度測定は6か月以内ごとに1回で、測定結果は40年間保存します。石綿の粉じんを発散する場所で常時業務に従事する労働者には、雇入れ時または配置替え時、その後6か月以内ごとに1回、特殊健康診断を行い、石綿健康診断個人票を40年間保存します。作業記録も1か月を超えない期間ごとに作成し、40年間保存します。一方、局所排気装置や除じん装置等の定期自主検査は、原則として1年以内ごとに1回実施し、その記録の保存期間は3年間です。40年保存と3年保存、6か月以内ごとの健康診断と1年以内ごとの自主検査を整理して覚えることが正誤判断に直結します。事業廃止時に所轄労働基準監督署長へ提出する記録は、長期的な健康管理に関わる作業記録や健康診断個人票などであり、局所排気装置などの定期自主検査記録とは区別して覚える必要があります。

下に移動する

ひっかけポイント

この問題のひっかけは、石綿関係の記録がどれも重要に見えるため、すべて40年保存または事業廃止時提出の対象だと思い込ませる点にあります。石綿は重大な健康障害を起こすため、健康診断個人票、作業記録、作業環境測定結果のように、労働者のばく露や健康管理に直接関係する記録は長期保存が必要です。一方で、局所排気装置や除じん装置の定期自主検査記録は設備管理の記録であり、保存期間は3年間です。文章の前半が正しくても、後半で保存期間や提出対象がすり替えられていることがあります。特に「石綿」「40年間」「労働基準監督署長に提出」という強い言葉が並ぶと、全体として正しそうに見えますが、何の記録を、いつまで保存し、事業廃止時に提出するのかを分けて確認することが大切です。

現在売れている衛生管理者テキストはこちら

人気の教材ランキングを確認できます。

次の問題へ