【特例第一種衛生管理者過去問】2023年4月公表問題|問8|労働安全衛生規則の衛生基準・硫化水素・暑熱環境対策|関係法令(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2023年(令和5年度)4月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第8問

問題

労働安全衛生規則の衛生基準について、誤っているものは次のうちどれか。

(1) 硫化水素濃度が5ppmを超える場所には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。

(2) 強烈な騒音を発する屋内作業場においては、その伝ぱを防ぐため、隔壁を設ける等必要な措置を講じなければならない。

(3) 屋内作業場に多量の熱を放散する溶融炉があるときは、加熱された空気を直接屋外に排出し、又はその放射するふく射熱から労働者を保護する措置を講じなければならない。

(4) 病原体により汚染された排気、排液又は廃棄物については、消毒、殺菌等適切な処理をした後に、排出し、又は廃棄しなければならない。

(5) 著しく暑熱又は多湿の作業場においては、坑内等特殊な作業場でやむを得ない事由がある場合を除き、休憩の設備を作業場外に設けなければならない。

特例第一種衛生管理者|労働安全衛生規則の衛生基準・硫化水素・暑熱環境対策を解説

労働安全衛生規則の衛生基準では、有害ガス、騒音、暑熱、病原体汚染などから労働者を守るための措置が定められています。答えは(1)です。硫化水素について立入禁止と表示が必要となる基準は「5ppmを超える場所」ではなく、「10ppmを超える場所」です。数値だけを入れ替えた典型的なひっかけなので、硫化水素は10ppmと覚えておくことが大切です。

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【特例第一種衛生管理者過去問】2023年4月公表問題|問8|労働安全衛生規則の衛生基準・硫化水素・暑熱環境対策|関係法令(有害業務)__t1syu-2023-04-houreiyugai-q8

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(1) 硫化水素濃度が5ppmを超える場所には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。

不適切です。硫化水素濃度について、関係者以外の立入りを禁止し、その旨を見やすい箇所に表示しなければならないのは、硫化水素濃度が10ppmを超える場所です。硫化水素は腐卵臭のある有毒ガスで、高濃度では嗅覚が麻痺し、においで危険を判断できなくなることがあります。そのため、一定濃度を超える場所では、立入禁止や表示によって不用意な接近を防ぐ必要があります。この選択肢は措置の内容自体は正しいのですが、基準値が5ppmとなっている点が誤りです。

(2) 強烈な騒音を発する屋内作業場においては、その伝ぱを防ぐため、隔壁を設ける等必要な措置を講じなければならない。

適切です。強烈な騒音を発する屋内作業場では、騒音が周囲に広がらないように、隔壁を設けるなどの措置が必要です。騒音は聴力障害の原因になるだけでなく、会話や警報音を聞き取りにくくし、作業中の事故につながることもあります。耳栓などの保護具だけに頼るのではなく、発生源や伝ぱ経路に対して設備面の対策を行うことが衛生基準上も重要です。

(3) 屋内作業場に多量の熱を放散する溶融炉があるときは、加熱された空気を直接屋外に排出し、又はその放射するふく射熱から労働者を保護する措置を講じなければならない。

適切です。屋内作業場に多量の熱を放散する溶融炉などがある場合、加熱された空気を屋外へ排出したり、ふく射熱から労働者を守る措置を講じたりする必要があります。暑熱環境では、体温調節が追いつかなくなり、熱中症や脱水、疲労の蓄積が起こりやすくなります。特に溶融炉のような熱源では、空気の温度だけでなく、熱源から直接伝わるふく射熱も問題になります。そのため、排気、遮へい、断熱、作業位置の工夫などによって、労働者への熱負荷を減らすことが重要です。

(4) 病原体により汚染された排気、排液又は廃棄物については、消毒、殺菌等適切な処理をした後に、排出し、又は廃棄しなければならない。

適切です。病原体により汚染された排気、排液、廃棄物は、そのまま排出または廃棄してはいけません。消毒、殺菌などの適切な処理をした後に扱う必要があります。これは、作業者だけでなく、周囲の人や環境への感染拡大を防ぐための措置です。医療、研究、清掃、廃棄物処理などの現場では、目に見えない病原体への対策が重要であり、汚染物を無害化してから処理するという考え方が基本になります。

(5) 著しく暑熱又は多湿の作業場においては、坑内等特殊な作業場でやむを得ない事由がある場合を除き、休憩の設備を作業場外に設けなければならない。

適切です。著しく暑熱または多湿の作業場では、原則として休憩の設備を作業場外に設ける必要があります。暑熱や多湿の環境では、休憩しているつもりでも身体への熱負荷が続いてしまうため、作業場内での休憩では十分な回復にならないことがあります。坑内など特殊な作業場でやむを得ない場合は例外がありますが、原則は作業場外に休憩設備を設け、労働者が体温を下げ、水分補給などを行いやすい環境を確保することです。

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この問題で覚えるポイント

労働安全衛生規則の衛生基準では、有害な作業環境から労働者を守るために、立入禁止、表示、隔壁、排気、ふく射熱対策、消毒、休憩設備などの措置が定められています。硫化水素については、濃度が10ppmを超える場所では関係者以外の立入りを禁止し、その旨を見やすい箇所に表示する必要があります。騒音対策では、強烈な騒音を発する屋内作業場について、隔壁を設けるなど伝ぱを防ぐ措置が必要です。暑熱対策では、溶融炉などの熱源がある場合に加熱空気の排出やふく射熱からの保護を行い、著しく暑熱または多湿の作業場では、原則として作業場外に休憩設備を設けます。病原体に汚染された排気、排液、廃棄物は、消毒や殺菌などの適切な処理をしてから排出または廃棄することが基本です。数値、原則、例外をセットで覚えると、同じテーマの問題に対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題の最大のひっかけは、措置の内容が正しく見える文章の中に、基準値だけをずらしている点です。硫化水素は危険なガスであり、立入禁止や表示が必要という方向性は自然に正しく見えるため、5ppmという数値を見落としやすくなります。衛生基準の問題では、文章全体の雰囲気ではなく、数値、対象場所、原則と例外の条件を確認することが重要です。特に「5ppm」「10ppm」のような近い数値、「作業場内」「作業場外」のような場所の違い、「原則」と「やむを得ない場合の例外」は誤答を誘いやすいポイントです。内容が一部だけ正しい文章ほど正解に見えやすいため、最後は法令上の基準値や条件に照らして判断することが大切です。

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