問題
外装の清掃に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) ゴンドラによる外壁クリーニング作業は、厚生労働省令で定められたゴンドラ安全規則を厳守しなければならない。
(2) ロープ高所作業を行う場合は、労働安全衛生規則により、特別教育の実施が努力義務となっている。
(3) 石材や陶磁器タイルの壁面は、数年に1回の類度で洗浄を行う。
(4) 田園地帯の金属製の外壁は、1年に1回の頻度で洗浄を行う。
(5) ガラスは、1~2か月に1回の頻度で洗浄を行う。
ビル管過去問|外装清掃を解説
この問題は、外装清掃における安全管理と、外壁材ごとの一般的な清掃頻度について問う問題です。ポイントは、法令上の義務と努力義務の違いを正確に区別することと、外装材の種類や立地条件に応じた適切な清掃頻度を押さえることです。正しい選択肢ではなく、最も不適当なものを選ぶ問題であり、正解は(2)です。ロープ高所作業に従事する者への特別教育は、努力義務ではなく、事業者に義務付けられています。
(1) ゴンドラによる外壁クリーニング作業は、厚生労働省令で定められたゴンドラ安全規則を厳守しなければならない。
適切です。その理由は、ゴンドラを用いた外壁清掃は高所作業に該当し、墜落や機械的事故など重大災害につながる危険があるためです。ゴンドラの設置、点検、操作、作業方法などについては、ゴンドラ安全規則に基づいて適切に管理する必要があります。外装清掃では作業者の安全確保が最優先であり、法令に従った運用が必須です。そのため、この記述は正しいです。
(2) ロープ高所作業を行う場合は、労働安全衛生規則により、特別教育の実施が努力義務となっている。
不適切です。その理由は、ロープ高所作業に従事する労働者に対する特別教育は、単なる努力義務ではなく、事業者に課された義務だからです。ロープを使用した高所作業は、支持物の不備、器具の使用方法の誤り、身体保持の不十分さなどにより、重大な墜落事故を生じるおそれがあります。そのため、作業方法、器具の点検、異常時の措置などについて、あらかじめ特別教育を実施しなければなりません。努力義務という表現にしてしまうと、法令上の重みを軽く理解してしまうため、この選択肢が最も不適当です。
(3) 石材や陶磁器タイルの壁面は、数年に1回の類度で洗浄を行う。
適切です。その理由は、石材や陶磁器タイルは比較的耐久性が高く、表面も安定しているため、金属やガラスに比べて汚れの影響を受けにくいからです。ただし、全く清掃しなくてよいという意味ではなく、外観維持や劣化防止のために定期的な洗浄は必要です。一般には、周辺環境や汚染状況を考慮しつつ、数年に1回程度の周期で洗浄する考え方が妥当です。そのため、この記述は適切です。
(4) 田園地帯の金属製の外壁は、1年に1回の頻度で洗浄を行う。
適切です。その理由は、金属製外壁は汚れや腐食性物質の付着状況に応じて洗浄頻度を検討する必要があるものの、田園地帯は都市部や工業地帯、海岸地域に比べて大気汚染や塩害の影響が比較的小さいためです。そのため、洗浄頻度は比較的少なくて済み、1年に1回程度が一つの目安になります。立地条件によって外装清掃の頻度が変わることを理解しておくことが大切です。
(5) ガラスは、1~2か月に1回の頻度で洗浄を行う。
適切です。その理由は、ガラス面は汚れが目立ちやすく、建物の美観に大きく影響するためです。特に外装ガラスは、雨だれ、粉じん、排気ガス、手あかなどの影響を受けやすく、放置すると見た目が悪くなるだけでなく、清掃しにくい固着汚れになることもあります。そのため、一般には1〜2か月に1回程度の比較的高い頻度で洗浄するのが標準的です。この記述は適切です。
この問題で覚えるポイント
外装清掃では、安全関係の法令事項と、材料ごとの清掃頻度の目安を分けて整理して覚えることが重要です。ゴンドラ作業はゴンドラ安全規則に従う必要があります。ロープ高所作業の特別教育は努力義務ではなく義務です。石材や陶磁器タイルは比較的長い周期で洗浄します。金属製外壁の洗浄頻度は立地条件で変わり、田園地帯では年1回程度が目安です。ガラスは美観維持のため1〜2か月に1回程度の洗浄が基本です。
ひっかけポイント
法令問題では、義務と努力義務を入れ替えた表現がよく出ます。今回の最大のひっかけは、ロープ高所作業の特別教育を努力義務としている点です。また、清掃頻度は絶対的な数字としてではなく、材質と周辺環境との組合せで判断することが大切です。金属製外壁は常に高頻度で洗うと思い込むと誤りやすく、田園地帯のような汚染の少ない環境では頻度が下がることを押さえておく必要があります。
