問題
防火設備及び消防用設備の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 消防法で定められている消防用設備は、火災時に確実に起動し、所期の性能を達成する必要がある。
(2) 特定防火対象物における法定定期点検の結果とその不備に関する是正措置の報告は、1年に1回である。
(3) 消防用設備などに附置される自家発電装置は、6か月に1回「機器点検」を行う。
(4) 防火管理者は日常の点検項目として、消防用設備の異常信号などについて確認し、異常が認められたら直ちに修理し、機能回復を図る。
(5) 非特定防火対象物における法定定期点検の結果とその不備に関する是正措置の報告は、5年に1回である。
ビル管過去問|消防設備の保守管理を解説
この問題は、防火設備や消防用設備の保守管理に関する基本事項を問う問題です。特に重要なのは、消防用設備等の点検周期と、特定防火対象物・非特定防火対象物で異なる報告周期を正確に覚えているかどうかです。消防庁の案内では、機器点検は6か月ごと、総合点検は1年ごとで、点検結果の報告は特定防火対象物が1年に1回、それ以外が3年に1回とされています。したがって、誤っているのは「非特定防火対象物は5年に1回」とする(5)です。
(1) 消防法で定められている消防用設備は、火災時に確実に起動し、所期の性能を達成する必要がある。
適切です。消防用設備等は、火災が発生したときに初めて役立つ設備です。そのため、普段は異常がなく見えても、非常時に確実に作動し、必要な消火・警報・避難誘導などの機能を発揮できなければ意味がありません。消防用設備等点検報告制度も、まさに火災時に必要な機能を確実に発揮させることを目的として設けられています。
(2) 特定防火対象物における法定定期点検の結果とその不備に関する是正措置の報告は、1年に1回である。
適切です。特定防火対象物とは、病院、旅館、百貨店、地下街など、不特定多数の人や避難に支援が必要な人が利用する建物を指します。こうした建物は火災時の危険性が高いため、消防用設備等の点検結果の報告は1年に1回とされています。利用者の安全を守るため、一般の建物よりも短い周期で報告が求められていると理解すると覚えやすいです。
(3) 消防用設備などに附置される自家発電装置は、6か月に1回「機器点検」を行う。
適切です。消防用設備等の点検には、主として外観や簡易な操作で確認する「機器点検」と、実際に作動させて総合的な機能を確認する「総合点検」があります。消防庁の案内では、機器点検は6か月ごとに実施することとされており、消防用設備等に附置される非常電源である自家発電設備もこの対象に含まれます。したがって、この記述は正しいです。
(4) 防火管理者は日常の点検項目として、消防用設備の異常信号などについて確認し、異常が認められたら直ちに修理し、機能回復を図る。
適切です。防火管理者には、建物内の火災予防体制を日常的に維持する役割があります。異常信号の放置は、火災時に警報設備や消火設備が正常に機能しない原因となるため、異常を発見した場合は速やかに必要な対応を行い、機能回復につなげることが重要です。実務上は、防火管理者自身が修理作業を行うというより、修理手配や是正の確認を含めて、設備が正常な状態へ戻るよう管理する趣旨で理解するとよいです。
(5) 非特定防火対象物における法定定期点検の結果とその不備に関する是正措置の報告は、5年に1回である。
不適切です。その理由は、非特定防火対象物の点検結果報告の周期は5年に1回ではなく、3年に1回だからです。消防庁の資料では、特定防火対象物は1年に1回、それ以外は3年に1回と明示されています。5年という数字にしてしまうと、実際の法定周期より長すぎてしまい、保守管理上の重要なミスになります。したがって、この選択肢が最も不適当です。
この問題で覚えるポイント
消防用設備等の機器点検は6か月ごと、総合点検は1年ごとです。
点検結果の報告周期は、特定防火対象物が1年に1回、それ以外の非特定防火対象物が3年に1回です。
特定防火対象物は、病院や百貨店など、不特定多数の人や避難弱者が利用する建物です。
消防設備の管理では、設備があること自体ではなく、火災時に確実に機能する状態を維持することが本質です。
ひっかけポイント
特定防火対象物と非特定防火対象物の報告周期を逆に覚えないことが重要です。
機器点検と総合点検の周期を混同しやすいので、6か月と1年をセットで覚えると有効です。
「報告周期」と「点検周期」は別物なので、そこを混同すると誤答しやすいです。
数字を大きくした選択肢はもっともらしく見えますが、5年に1回という周期は長すぎるため注意が必要です。
