【第二種衛生管理者過去問】2025年10月公表問題|問24|蛋白質の消化吸収とアミノ酸代謝・糖新生の基礎|労働生理を解説

出典:第二種衛生管理者2025年(令和7年度)10月公表問題|労働生理第24問

問題

蛋白質並びにその分解、吸収及び代謝に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 蛋白質は、約20種類のアミノ酸が結合してできており、内臓、筋肉、皮膚など人体の臓器等を構成する主成分である。

(2) 蛋白質は、膵臓から分泌される消化酵素である膵リパーゼなどによりアミノ酸に分解され、小腸から吸収される。

(3) 血液循環に入ったアミノ酸は、体内の各組織において蛋白質に再合成される。

(4) 肝臓では、アミノ酸から血漿蛋白質が合成される。

(5) 飢餓時には、肝臓などでアミノ酸などからブドウ糖を生成する糖新生が行われる。

第二種衛生管理者|蛋白質の消化吸収とアミノ酸代謝・糖新生の基礎を解説

蛋白質は、体をつくる主要な成分であり、消化によってアミノ酸に分解されてから吸収されます。答えは(2)です。蛋白質を分解する主な消化酵素はペプシンやトリプシンなどの蛋白質分解酵素であり、膵リパーゼは脂肪を分解する酵素です。消化酵素の名前と対象となる栄養素を正しく対応させることが、正誤判断の中心になります。

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(1) 蛋白質は、約20種類のアミノ酸が結合してできており、内臓、筋肉、皮膚など人体の臓器等を構成する主成分である。

適切です。その理由は、蛋白質は多数のアミノ酸がペプチド結合によってつながった高分子化合物であり、人体の構造をつくる重要な成分だからです。筋肉、皮膚、内臓、血液成分、酵素、ホルモンの一部など、体のさまざまな部分に蛋白質が関与しています。衛生管理者試験では、蛋白質はエネルギー源になるだけでなく、身体組織を構成する主成分である点を押さえておくと判断しやすくなります。

(2) 蛋白質は、膵臓から分泌される消化酵素である膵リパーゼなどによりアミノ酸に分解され、小腸から吸収される。

不適切です。その理由は、膵リパーゼは脂肪を分解する消化酵素であり、蛋白質をアミノ酸に分解する酵素ではないためです。蛋白質は、胃液中のペプシンや、膵液中のトリプシンなどの蛋白質分解酵素によって、ペプチドやアミノ酸へ分解されます。その後、主に小腸から吸収されます。文章の後半にある「小腸から吸収される」という部分は正しいため、前半の酵素名の誤りを見抜く必要があります。

(3) 血液循環に入ったアミノ酸は、体内の各組織において蛋白質に再合成される。

適切です。その理由は、小腸から吸収されたアミノ酸は血液によって全身へ運ばれ、各組織で必要な蛋白質の材料として利用されるからです。たとえば、筋肉では筋蛋白質、皮膚では皮膚を構成する蛋白質、細胞内では酵素や構造蛋白質などが合成されます。食事中の蛋白質がそのまま体の蛋白質になるのではなく、いったんアミノ酸まで分解され、吸収後に体内で再合成されるという流れが重要です。

(4) 肝臓では、アミノ酸から血漿蛋白質が合成される。

適切です。その理由は、肝臓はアミノ酸代謝の中心的な臓器であり、アルブミンなどの血漿蛋白質を合成する働きがあるからです。血漿蛋白質は、血液中に存在する蛋白質で、血液の浸透圧の維持や物質の運搬などに関係します。肝臓の機能としては、血漿蛋白質の合成、糖質・脂質・蛋白質の代謝、胆汁の生成、解毒などがよく出題されます。

(5) 飢餓時には、肝臓などでアミノ酸などからブドウ糖を生成する糖新生が行われる。

適切です。その理由は、飢餓時や長時間の空腹時には、血糖を維持するために、肝臓などでアミノ酸、乳酸、グリセロールなどからブドウ糖がつくられるからです。これを糖新生といいます。脳や赤血球などはブドウ糖への依存度が高いため、食事から糖質が十分に入ってこない場合でも、体内で血糖を保つ仕組みが働きます。蛋白質は必要に応じてエネルギー代謝や糖新生にも関わる点を押さえておきましょう。

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この問題で覚えるポイント

蛋白質は約20種類のアミノ酸が結合してできた栄養素で、筋肉、皮膚、内臓、酵素、血漿蛋白質などの材料になります。蛋白質は消化の過程でアミノ酸や小さなペプチドに分解され、主に小腸から吸収されます。蛋白質を分解する主な酵素は、胃液中のペプシンや膵液中のトリプシンなどです。膵リパーゼは脂肪を分解する酵素であり、蛋白質分解酵素ではありません。吸収されたアミノ酸は血液で全身に運ばれ、各組織で必要な蛋白質に再合成されます。肝臓ではアミノ酸からアルブミンなどの血漿蛋白質が合成されます。また、飢餓時や長時間の空腹時には、肝臓などでアミノ酸などからブドウ糖をつくる糖新生が行われます。消化酵素については、リパーゼは脂肪、アミラーゼは糖質、ペプシンやトリプシンは蛋白質という対応関係を覚えると、同じテーマの問題に対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、文章全体の流れが自然に見える中で、消化酵素の名前だけがすり替えられている点です。「蛋白質がアミノ酸に分解され、小腸から吸収される」という内容は正しいため、つい正しい文章だと判断しやすくなります。しかし、膵リパーゼは脂肪を分解する酵素であり、蛋白質を分解する酵素ではありません。このように、一部だけ正しい文章は試験でよく出ます。栄養素と消化酵素の対応をあいまいに覚えていると、リパーゼ、アミラーゼ、ペプシン、トリプシンを混同しやすくなります。正誤判断では、文章の結論だけでなく、途中に出てくる専門用語が正しく対応しているかを確認することが大切です。

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