【第二種衛生管理者過去問】2025年10月公表問題|問13|二酸化炭素濃度から求める必要換気量の計算式|労働衛生を解説

出典:第二種衛生管理者2025年(令和7年度)10月公表問題|労働衛生第13問

問題

事務室における必要換気量Q(㎥/h)を算出する式として、適切なものは次のうちどれか。

ただし、AからDは次のとおりとする。

A 室内二酸化炭素濃度の測定値(ppm)

B 室内二酸化炭素基準濃度(ppm)

C 外気の二酸化炭素濃度(ppm)

D 在室者全員が1時間に呼出する二酸化炭素量(㎥/h)

(1) Q={D/(A-B)}×100

(2) Q={D/(A-C)}×100

(3) Q={D/(B-C)}×100

(4) Q={D/(A-B)}×1,000,000

(5) Q={D/(B-C)}×1,000,000

 

 

 

第二種衛生管理者|二酸化炭素濃度から求める必要換気量の計算式を解説

事務室の必要換気量は、在室者が呼出する二酸化炭素量を、室内で許容できる二酸化炭素濃度の上昇分で割って求めます。正しい式は、Q={D/(B-C)}×1,000,000です。答えは(5)です。Bは室内二酸化炭素基準濃度、Cは外気の二酸化炭素濃度なので、B-Cは「外気から室内基準値まで、どれだけ二酸化炭素濃度が増えてよいか」を表します。また、ppmは100万分の1を意味する単位であるため、計算では×1,000,000を用いる点が重要です。

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(1) Q={D/(A-B)}×100

不適切です。その理由は、A-Bが必要換気量を求めるときの正しい濃度差ではないためです。Aは現在の室内二酸化炭素濃度の測定値、Bは室内二酸化炭素基準濃度です。必要換気量は、室内濃度を基準値以下に保つために必要な外気量を求めるものなので、基準濃度Bと外気濃度Cの差を使います。また、ppmを濃度の割合として扱うには100万分の1に直す必要があるため、×100ではなく×1,000,000を用います。

(2) Q={D/(A-C)}×100

不適切です。その理由は、A-Cは現在の室内濃度と外気濃度の差であり、基準値を満たすための必要換気量を求める式にはならないためです。換気量の基準計算では、室内の実測値Aではなく、室内で許される上限である基準濃度Bを使います。さらに、ppmの換算係数も×100では不十分で、正しくは×1,000,000です。

(3) Q={D/(B-C)}×100

不適切です。その理由は、B-Cという濃度差の考え方は正しいものの、ppmの換算係数が誤っているためです。B-Cは、室内二酸化炭素基準濃度と外気の二酸化炭素濃度との差であり、必要換気量の計算に用いる正しい濃度差です。ただし、ppmは100万分の1を表すため、式では×1,000,000を掛ける必要があります。×100は百分率の感覚に引きずられた誤りです。

(4) Q={D/(A-B)}×1,000,000

不適切です。その理由は、ppmの換算係数は正しいものの、分母に用いる濃度差が誤っているためです。A-Bは、実際の室内測定値が基準値をどれだけ上回っているか、または下回っているかを示す差にすぎません。必要換気量の基本式では、在室者が発生させる二酸化炭素を、外気濃度Cから室内基準濃度Bまでの許容上昇分で薄めると考えます。そのため、分母はA-BではなくB-Cです。

(5) Q={D/(B-C)}×1,000,000

適切です。その理由は、必要換気量の基本式に正しく当てはまっているためです。Dは在室者全員が1時間に呼出する二酸化炭素量であり、これを室内で許容できる二酸化炭素濃度の上昇分で割ることで、必要な外気量を求めます。B-Cは、室内二酸化炭素基準濃度と外気の二酸化炭素濃度の差です。ppmは100万分の1の単位なので、㎥/hの換気量として求めるために×1,000,000を掛けます。

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この問題で覚えるポイント

事務室の必要換気量は、Q={在室者全員が1時間に呼出する二酸化炭素量/(室内二酸化炭素基準濃度-外気の二酸化炭素濃度)}×1,000,000で求めます。室内二酸化炭素基準濃度は、事務室では一般に1,000ppm以下に保つ基準として出題されます。外気の二酸化炭素濃度は問題文で与えられることが多く、400ppmなどの数値がよく使われます。重要なのは、実測値ではなく基準濃度と外気濃度の差を使うことです。必要換気量は「今どれだけ汚れているか」ではなく、「人が出す二酸化炭素を、基準濃度を超えないように薄めるには、どれだけ外気が必要か」を考える計算です。また、ppmは100万分の1を表すため、式の最後に×1,000,000を掛ける点も必ず覚えておく必要があります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、Aの「室内二酸化炭素濃度の測定値」を使いたくなる点です。実際の測定値が与えられると、現在の室内濃度を使って計算するように見えますが、必要換気量の基本式では、室内を基準濃度以下に保つための計算をするため、使うのは室内基準濃度と外気濃度の差です。また、ppmを百分率のように考えて×100を選んでしまうのも典型的な誤りです。ppmはパーセントではなく100万分率なので、換算には×1,000,000が必要です。濃度差はB-C、換算係数は1,000,000、この2つを同時に満たすものを選ぶことが正答への近道です。

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