出典:第二種衛生管理者2025年(令和7年度)10月公表問題|労働衛生第11問
問題
WBGT(湿球黒球温度)に関する次の文中の( )内に入れるA及びBの語句の組合せとして、正しいものは次のうちどれか。
「WBGTは、暑熱環境による熱ストレスの評価を行うための指標で、その値は次の式により算出される。
日射がある場合:WBGT=0.7×自然湿球温度+0.2×( A )+0.1×( B )日射がない場合:WBGT=0.7×自然湿球温度+0.3×( A )」
(1) (A)黒球温度 (B)風速
(2) (A)黒球温度 (B)気温(乾球温度)
(3) (A)風速 (B)黒球温度
(4) (A)気温(乾球温度) (B)風速
(5) (A)気温(乾球温度) (B)黒球温度
第二種衛生管理者|暑熱環境のWBGT指数と熱ストレス評価式を解説を解説
WBGTは、暑熱環境で身体が受ける熱ストレスを評価するための代表的な指標です。日射がある場合は、自然湿球温度、黒球温度、気温(乾球温度)の3つを使い、日射がない場合は、自然湿球温度と黒球温度の2つを使います。正しい式は、日射がある場合が「WBGT=0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×気温(乾球温度)」、日射がない場合が「WBGT=0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度」です。よって、Aは黒球温度、Bは気温(乾球温度)となり、答えは(2)です。

(1) (A)黒球温度 (B)風速
不適切です。その理由は、Aの黒球温度は正しいですが、Bに風速を入れる点が誤りだからです。WBGTの計算式では、風の影響は自然湿球温度などに反映されますが、式の中に「風速」をそのまま代入する形ではありません。日射がある場合に使う3つの要素は、自然湿球温度、黒球温度、気温(乾球温度)です。
(2) (A)黒球温度 (B)気温(乾球温度)
適切です。その理由は、WBGTの標準的な計算式に正しく合っているからです。日射がある場合は、自然湿球温度を0.7、黒球温度を0.2、気温(乾球温度)を0.1の割合で加重して求めます。日射がない場合は、自然湿球温度を0.7、黒球温度を0.3の割合で求めます。黒球温度は放射熱の影響を反映し、気温(乾球温度)は空気そのものの温度を表します。
(3) (A)風速 (B)黒球温度
不適切です。その理由は、Aに風速を入れている点が誤りだからです。日射がない場合の式は「WBGT=0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度」であり、Aには黒球温度が入ります。風速は暑熱環境を考えるうえで重要な要素ですが、WBGTの計算式にそのまま入る語句ではありません。
(4) (A)気温(乾球温度) (B)風速
不適切です。その理由は、AもBもWBGTの式に合っていないからです。日射がない場合に使うAは黒球温度であり、気温(乾球温度)ではありません。また、日射がある場合のBは気温(乾球温度)であり、風速ではありません。気温という言葉に引かれやすいですが、日射がない場合の式では気温(乾球温度)は使われない点に注意が必要です。
(5) (A)気温(乾球温度) (B)黒球温度
不適切です。その理由は、AとBの位置が逆になっているからです。日射がある場合、黒球温度は0.2を掛ける項目で、気温(乾球温度)は0.1を掛ける項目です。日射がない場合に使うのは黒球温度であり、気温(乾球温度)ではありません。数字の係数と組み合わせて覚えると、入れ替えミスを防ぎやすくなります。
この問題で覚えるポイント
WBGTは、暑熱環境による熱ストレスを評価する指標です。日射がある場合は、自然湿球温度、黒球温度、気温(乾球温度)の3つを使い、「0.7、0.2、0.1」の順で計算します。日射がない場合は、自然湿球温度と黒球温度の2つを使い、「0.7、0.3」の順で計算します。自然湿球温度は湿度や気流の影響を含み、黒球温度は放射熱の影響を反映し、気温(乾球温度)は空気そのものの温度を表します。試験では、日射の有無によって気温(乾球温度)を使うかどうかが正誤判断の中心になります。
ひっかけポイント
この問題では、風速という暑熱環境に関係しそうな語句を混ぜて迷わせています。風は体感温度や熱の逃げやすさに関係するため、日常感覚では正しそうに見えますが、WBGTの計算式に直接「風速」を入れるわけではありません。また、気温(乾球温度)と黒球温度の位置を入れ替えるひっかけも典型です。日射がある場合だけ気温(乾球温度)が0.1で登場し、日射がない場合は気温(乾球温度)を使わない、と整理して覚えると同じテーマの問題に対応しやすくなります。
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