【第二種衛生管理者過去問】2024年10月公表問題|問17|脳血管障害と虚血性心疾患の種類・症状・危険因子|労働衛生を解説

出典:第二種衛生管理者2024年(令和6年度)10月公表問題|労働衛生第17問

問題

脳血管障害及び虚血性心疾患に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 出血性の脳血管障害は、脳表面のくも膜下腔(くう)に出血するくも膜下出血、脳実質内に出血する脳出血などに分類される。

(2) 虚血性の脳血管障害である脳梗塞は、脳血管自体の動脈硬化性病変による脳塞栓症と、心臓や動脈壁の血栓が剥がれて脳血管を閉塞する脳血栓症に分類される。

(3) 虚血性心疾患は、冠動脈による心筋への血液の供給が不足したり途絶えることにより起こる心筋障害である。

(4) 心筋梗塞では、突然激しい胸痛が起こり、「締め付けられるように痛い」、「胸が苦しい」などの症状が、1時間以上続くこともある。

(5) 運動負荷心電図検査は、虚血性心疾患の発見に有用である。

第二種衛生管理者|脳血管障害と虚血性心疾患の種類・症状・危険因子を解説

脳血管障害と虚血性心疾患は、どちらも血管の異常によって重要な臓器への血流が障害される病気です。答えは(2)です。脳梗塞には、脳血管自体に血栓ができて詰まる脳血栓症と、心臓などでできた血栓が脳血管に流れて詰まる脳塞栓症がありますが、選択肢ではこの説明が逆になっています。

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(1) 出血性の脳血管障害は、脳表面のくも膜下腔(くう)に出血するくも膜下出血、脳実質内に出血する脳出血などに分類される。

適切です。脳血管障害は大きく、血管が詰まる虚血性のものと、血管が破れて出血する出血性のものに分けられます。出血性の代表例には、脳の表面を覆うくも膜の内側にあるくも膜下腔に出血するくも膜下出血と、脳の実質内に出血する脳出血があります。くも膜下出血は突然の激しい頭痛を起こすことがあり、脳出血は出血した部位に応じて麻痺や意識障害などを起こすことがあります。

(2) 虚血性の脳血管障害である脳梗塞は、脳血管自体の動脈硬化性病変による脳塞栓症と、心臓や動脈壁の血栓が剥がれて脳血管を閉塞する脳血栓症に分類される。

不適切です。説明されている内容が逆です。脳血管自体の動脈硬化などによって、その場所に血栓ができて血管が詰まるものは脳血栓症です。これに対して、心臓や動脈壁などでできた血栓が血流に乗って脳血管まで運ばれ、そこで血管を閉塞するものは脳塞栓症です。脳梗塞の分類では、血栓がその場でできたのか、別の場所から飛んできたのかを区別して覚えると判断しやすくなります。

(3) 虚血性心疾患は、冠動脈による心筋への血液の供給が不足したり途絶えることにより起こる心筋障害である。

適切です。虚血性心疾患は、心臓の筋肉である心筋に酸素や栄養を送る冠動脈の血流が悪くなることで起こります。冠動脈が狭くなって一時的に血流不足になると狭心症となり、冠動脈が詰まって心筋の一部が壊死すると心筋梗塞となります。心臓そのものの病気に見えますが、根本には冠動脈の血流障害がある点が重要です。

(4) 心筋梗塞では、突然激しい胸痛が起こり、「締め付けられるように痛い」、「胸が苦しい」などの症状が、1時間以上続くこともある。

適切です。心筋梗塞では、冠動脈が閉塞して心筋が酸素不足となり、強い胸痛や胸部圧迫感が生じます。痛みは「締め付けられる」「押さえつけられる」「胸が苦しい」と表現されることがあり、狭心症よりも長く続く傾向があります。冷汗、吐き気、息苦しさを伴うこともあり、生命に関わる緊急性の高い疾患です。

(5) 運動負荷心電図検査は、虚血性心疾患の発見に有用である。

適切です。運動負荷心電図検査は、運動によって心臓に負荷をかけた状態で心電図の変化を調べる検査です。安静時には異常が出にくい狭心症などでも、運動により心筋の酸素需要が増えると虚血の所見が現れることがあります。そのため、虚血性心疾患の発見に有用です。

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この問題で覚えるポイント

脳血管障害は、血管が破れる出血性と、血管が詰まる虚血性に分けられます。出血性には、くも膜下腔に出血するくも膜下出血と、脳実質内に出血する脳出血があります。虚血性の代表は脳梗塞で、脳血管自体の動脈硬化などにより血栓がその場でできるものを脳血栓症、心臓や動脈壁などでできた血栓が流れてきて脳血管を詰まらせるものを脳塞栓症といいます。虚血性心疾患は、冠動脈の血流不足によって心筋に障害が起こる病気で、狭心症と心筋梗塞が代表です。狭心症は一時的な血流不足、心筋梗塞は血流が途絶えて心筋が壊死する状態と整理すると理解しやすいです。心筋梗塞では強い胸痛や胸部圧迫感が長く続くことがあり、運動負荷心電図検査は虚血性心疾患の発見に役立ちます。

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ひっかけポイント

この問題の最大のひっかけは、脳血栓症と脳塞栓症の説明を入れ替えている点です。どちらも脳血管が詰まる脳梗塞なので、名前だけで判断すると混同しやすくなります。脳血栓症は、脳の血管そのものに血栓ができるものです。脳塞栓症は、別の場所でできた血栓が血流に乗って脳に飛んできて詰まるものです。「血栓」はその場でできる、「塞栓」は飛んできてふさぐ、とイメージすると再現性高く判断できます。また、虚血性心疾患では冠動脈、脳血管障害では脳の血管が中心になるため、どの血管が障害されているのかを意識して読むことが大切です。

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