出典:第二種衛生管理者2024年(令和6年度)4月公表問題|労働衛生第15問
問題
労働者の健康保持増進のために行う健康測定における運動機能検査の項目とその測定種目との組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
(1) 筋力 ―――――― 握力
(2) 柔軟性 ――――― 座位体前屈
(3) 筋持久力 ―――― 上体起こし
(4) 敏しょう性 ――― 踏み台昇降
(5) 全身持久性 ――― 最大酸素摂取量
第二種衛生管理者|健康測定の運動機能検査|筋力・柔軟性・持久力の測定項目一覧を解説
健康測定における運動機能検査では、体力要素ごとに代表的な測定種目を対応させて覚えることが大切です。答えは(4)です。踏み台昇降は、敏しょう性ではなく、主に全身持久性を評価する測定種目です。敏しょう性は、すばやく動作を切り替える能力をみる項目であり、反復横とびなどが代表的な測定種目です。

(1) 筋力 ―――――― 握力
適切です。握力は、手や前腕の筋肉が発揮する力を測定する種目で、筋力の代表的な検査項目です。筋力とは、筋肉が一度に発揮できる力の大きさをいいます。握力測定は器具を用いて比較的簡単に行うことができ、全身の筋力状態を推測する指標としても用いられます。
(2) 柔軟性 ――――― 座位体前屈
適切です。座位体前屈は、主に腰背部や太ももの裏側の筋肉、関節の柔らかさを測る種目です。柔軟性とは、関節を無理なく大きく動かせる能力のことです。体が硬いと作業姿勢の負担が増えたり、腰痛などにつながることがあるため、健康保持増進の観点でも重要な検査項目です。
(3) 筋持久力 ―――― 上体起こし
適切です。上体起こしは、腹筋などを繰り返し使う能力を測るため、筋持久力の測定種目です。筋持久力とは、筋肉が一定の力を出し続けたり、同じ動作を繰り返したりする能力をいいます。単に一瞬だけ強い力を出す筋力とは異なり、作業を継続するための体力に関係します。
(4) 敏しょう性 ――― 踏み台昇降
不適切です。踏み台昇降は、一定のリズムで台を昇り降りした後の心拍数などから、主に全身持久性を評価する種目です。敏しょう性は、方向転換や動作の切り替えをすばやく行う能力を指します。代表的な測定種目は反復横とびなどです。踏み台昇降は「すばやさ」よりも、心肺機能や持久力を見る検査として理解するのが正確です。
(5) 全身持久性 ――― 最大酸素摂取量
適切です。最大酸素摂取量は、運動中に体内へ取り込んで利用できる酸素の最大量を示す指標で、全身持久性を評価する代表的な項目です。全身持久性とは、心臓、肺、血管、筋肉が協力して、長時間運動を続ける能力のことです。最大酸素摂取量が高いほど、持久的な運動を継続しやすいと判断されます。
この問題で覚えるポイント
健康測定の運動機能検査では、筋力は握力、柔軟性は座位体前屈、筋持久力は上体起こし、敏しょう性は反復横とび、全身持久性は踏み台昇降や最大酸素摂取量と対応させて覚えると正誤判断がしやすくなります。筋力は一度に発揮する力、筋持久力は筋肉が繰り返し働き続ける力、全身持久性は心肺機能を含めて長く運動を続ける力です。柔軟性は関節や筋肉の動かしやすさ、敏しょう性は動作をすばやく切り替える能力です。特に踏み台昇降は、動きがあるため敏しょう性と誤解しやすいですが、実際には心拍数などから全身持久性をみる種目として整理します。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、踏み台昇降という言葉から「すばやく動く検査」と連想して、敏しょう性と判断してしまう点です。踏み台昇降は台を昇り降りする動作なので、見た目には動作能力を測るように感じますが、試験上は心肺機能や持久力を評価する種目として扱います。敏しょう性は、動作の速さそのものよりも、方向転換や動作の切り替えのすばやさを見る点が重要です。運動機能検査では、測定種目の動きの印象ではなく、何を評価する検査なのかを基準に判断することが再現性のある解き方です。
