出典:第二種衛生管理者2023年(令和5年度)10月公表問題|労働生理第21問
問題
血液に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 血液は、血漿成分と有形成分から成り、血漿成分は血液容積の約55%を占める。
(2) 血漿中の蛋白質のうち、アルブミンは血液の浸透圧の維持に関与している。
(3) 白血球のうち、好中球には、体内に侵入してきた細菌や異物を貪食する働きがある。
(4) 血小板のうち、リンパ球には、Bリンパ球、Tリンパ球などがあり、これらは免疫反応に関与している。
(5) 血液の凝固は、血漿中のフィブリノーゲンがフィブリンに変化し、赤血球などが絡みついて固まる現象である。
第二種衛生管理者|血液の構成と働き|血漿・白血球・血液凝固の基礎知識を解説
血液は、液体成分である血漿と、赤血球、白血球、血小板などの有形成分から成ります。答えは(4)です。リンパ球は白血球の一種であり、血小板の一種ではありません。Bリンパ球やTリンパ球が免疫反応に関与するという部分は正しいため、「血小板のうち」という分類の誤りを見抜くことが重要です。

(1) 血液は、血漿成分と有形成分から成り、血漿成分は血液容積の約55%を占める。
適切です。その理由は、血液は大きく分けて、液体成分である血漿と、細胞成分である有形成分から構成されるためです。血漿は血液全体の約55%を占め、有形成分は約45%を占めます。有形成分には、酸素運搬に関わる赤血球、免疫に関わる白血球、止血に関わる血小板が含まれます。試験では、血漿が約55%、有形成分が約45%という割合がよく問われます。
(2) 血漿中の蛋白質のうち、アルブミンは血液の浸透圧の維持に関与している。
適切です。その理由は、アルブミンには血液中に水分を保持し、血液の浸透圧を維持する働きがあるためです。血漿中にはアルブミン、グロブリン、フィブリノーゲンなどの蛋白質が含まれています。アルブミンが少なくなると、血管内に水分を保ちにくくなり、むくみなどが起こりやすくなります。衛生管理者試験では、アルブミンは浸透圧、グロブリンは免疫、フィブリノーゲンは血液凝固と整理すると覚えやすいです。
(3) 白血球のうち、好中球には、体内に侵入してきた細菌や異物を貪食する働きがある。
適切です。その理由は、好中球は白血球の一種で、体内に侵入した細菌や異物を取り込んで処理する貪食作用をもつためです。白血球は体を病原体から守る免疫機能に関与します。その中でも好中球は、細菌感染などに対して早く反応する代表的な細胞です。貪食という言葉は、細菌や異物を包み込んで処理する働きと理解するとよいです。
(4) 血小板のうち、リンパ球には、Bリンパ球、Tリンパ球などがあり、これらは免疫反応に関与している。
不適切です。その理由は、リンパ球は血小板ではなく、白血球の一種だからです。Bリンパ球やTリンパ球が免疫反応に関与するという説明自体は正しいです。Bリンパ球は抗体産生に関係し、Tリンパ球は細胞性免疫などに関係します。しかし、この選択肢では「血小板のうち、リンパ球には」としており、分類が誤っています。血小板は主に止血や血液凝固に関わる成分であり、リンパ球とは別の有形成分です。
(5) 血液の凝固は、血漿中のフィブリノーゲンがフィブリンに変化し、赤血球などが絡みついて固まる現象である。
適切です。その理由は、血液凝固では、血漿中に含まれるフィブリノーゲンが不溶性のフィブリンに変化し、その網目に赤血球などが絡みついて血餅を作るためです。血小板は止血の初期段階で重要な役割を果たし、その後、凝固因子の働きによってフィブリンが形成されます。フィブリノーゲンは血漿中の蛋白質であり、血液凝固に関係するという点を押さえておくと判断しやすくなります。
この問題で覚えるポイント
血液は、液体成分である血漿と、有形成分である赤血球、白血球、血小板から成ります。血漿は血液容積の約55%、有形成分は約45%です。血漿中の蛋白質では、アルブミンは血液の浸透圧維持、グロブリンは免疫、フィブリノーゲンは血液凝固に関与します。赤血球は酸素や二酸化炭素の運搬、白血球は免疫や生体防御、血小板は止血に関係します。白血球には好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球などがあり、好中球は細菌や異物を貪食し、リンパ球にはBリンパ球やTリンパ球があって免疫反応に関与します。血液凝固では、フィブリノーゲンがフィブリンに変化し、赤血球などが絡みついて血液が固まります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、「Bリンパ球、Tリンパ球は免疫反応に関与する」という正しい知識に意識を向けさせて、冒頭の「血小板のうち」という誤った分類を見落とさせる点です。文章の後半だけを見ると正しく感じますが、リンパ球は血小板ではなく白血球の一種です。衛生管理者試験では、このように「説明内容の一部は正しいが、分類や所属が誤っている」選択肢がよく出ます。血液の問題では、赤血球は酸素運搬、白血球は免疫、血小板は止血、血漿蛋白質は浸透圧や凝固など、役割ごとに整理しておくと誤答を防ぎやすくなります。
