【第二種衛生管理者過去問】2023年10月公表問題|問18|脳血管障害と虚血性心疾患|脳梗塞・心筋梗塞の特徴|労働衛生を解説

出典:第二種衛生管理者2023年(令和5年度)10月公表問題|労働衛生第18問

問題

脳血管障害及び虚血性心疾患に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 虚血性の脳血管障害である脳梗塞は、脳血管自体の動脈硬化性病変による脳血栓症と、心臓や動脈壁の血栓が剥がれて脳血管を閉塞する脳塞栓症に分類される。

(2) くも膜下出血は、通常、脳動脈瘤(りゅう)が破れて数日後、激しい頭痛で発症する。

(3) 虚血性心疾患は、冠動脈による心筋への血液の供給が不足したり途絶えることにより起こる心筋障害である。

(4) 心筋梗塞では、突然激しい胸痛が起こり、「締め付けられるように痛い」、「胸が苦しい」などの症状が、1時間以上続くこともある。

(5) 運動負荷心電図検査は、虚血性心疾患の発見に有用である。

第二種衛生管理者|脳血管障害と虚血性心疾患|脳梗塞・心筋梗塞の特徴を解説

脳血管障害と虚血性心疾患について、発症の仕組み、分類、代表的な症状を確認する内容です。答えは(2)です。くも膜下出血は、脳動脈瘤が破れて「数日後」に発症するのではなく、破裂した時点で突然の激しい頭痛を起こすのが典型です。特に「突然」「今まで経験したことのないような激しい頭痛」という表現が重要です。

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(1) 虚血性の脳血管障害である脳梗塞は、脳血管自体の動脈硬化性病変による脳血栓症と、心臓や動脈壁の血栓が剥がれて脳血管を閉塞する脳塞栓症に分類される。

適切です。脳梗塞は、脳の血管が詰まり、その先の脳組織に血液が届かなくなる虚血性の脳血管障害です。脳血栓症は、脳血管そのものに動脈硬化などが起こり、血管内で血栓ができて詰まるものです。脳塞栓症は、心臓や太い動脈などでできた血栓が血流に乗って脳血管まで運ばれ、そこで血管をふさぐものです。どちらも「血管が詰まる」という点は共通していますが、血栓ができる場所が違います。

(2) くも膜下出血は、通常、脳動脈瘤(りゅう)が破れて数日後、激しい頭痛で発症する。

不適切です。くも膜下出血は、脳動脈瘤が破裂したときに、脳を包むくも膜と軟膜の間に出血が起こる病気です。典型的には、破裂した瞬間に突然の激しい頭痛で発症します。「数日後」に発症するという記述が誤りです。試験では、くも膜下出血は「突然の激しい頭痛」と結びつけて覚えると判断しやすくなります。

(3) 虚血性心疾患は、冠動脈による心筋への血液の供給が不足したり途絶えることにより起こる心筋障害である。

適切です。虚血性心疾患は、心臓の筋肉である心筋に酸素や栄養を送る冠動脈の血流が悪くなることで起こります。血流が一時的に不足するものが狭心症で、血流が途絶えて心筋が壊死するものが心筋梗塞です。つまり、虚血性心疾患の中心は「冠動脈の血流不足」と「心筋の酸素不足」です。

(4) 心筋梗塞では、突然激しい胸痛が起こり、「締め付けられるように痛い」、「胸が苦しい」などの症状が、1時間以上続くこともある。

適切です。心筋梗塞では、冠動脈が詰まり、心筋に血液が届かなくなります。そのため、突然の強い胸痛、胸部圧迫感、冷や汗、吐き気、息苦しさなどが現れることがあります。狭心症の発作は比較的短時間で治まることが多いのに対し、心筋梗塞では強い症状が長く続くことがあります。「1時間以上続くこともある」という表現は、心筋梗塞の特徴として適切です。

(5) 運動負荷心電図検査は、虚血性心疾患の発見に有用である。

適切です。運動負荷心電図検査は、運動によって心臓に負荷をかけ、そのときの心電図変化を調べる検査です。安静時には異常が出にくい狭心症などでも、運動によって心筋の酸素需要が増えると、冠動脈の血流不足が表れやすくなります。そのため、虚血性心疾患の発見に役立ちます。

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この問題で覚えるポイント

脳血管障害は、大きく出血性と虚血性に分けて整理します。出血性には、脳出血やくも膜下出血があります。くも膜下出血は、脳動脈瘤の破裂により突然の激しい頭痛で発症する点が重要です。虚血性には脳梗塞があり、脳血栓症と脳塞栓症に分類されます。脳血栓症は脳血管そのものに血栓ができるもの、脳塞栓症は心臓などでできた血栓が流れてきて脳血管を詰まらせるものです。虚血性心疾患は、冠動脈の血流不足によって心筋に酸素が届きにくくなる病気です。代表例は狭心症と心筋梗塞です。狭心症は一時的な血流不足、心筋梗塞は血流が途絶えて心筋が壊死する状態と整理すると、正誤判断がしやすくなります。運動負荷心電図検査は、安静時には分かりにくい虚血性心疾患を見つけるために有用です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「脳動脈瘤が破れて数日後」という時間のずれです。くも膜下出血は、脳動脈瘤が破れた瞬間に突然の激しい頭痛で発症するのが典型であり、「数日後」という表現は誤りです。文章の前半にある「脳動脈瘤が破れて」という部分は正しいため、そこだけを見て正しいと判断しないことが大切です。また、脳血栓症と脳塞栓症は名前が似ていますが、血栓が脳血管でできるのが脳血栓症、別の場所から流れてきて詰まるのが脳塞栓症です。虚血性心疾患では、冠動脈、心筋、血流不足という関係を押さえておくと、狭心症や心筋梗塞の問題にも対応しやすくなります。

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