【第二種衛生管理者過去問】2022年10月公表問題|問5|長時間労働者の面接指導制度|実施要件と記録保存義務|関係法令を解説

出典:第二種衛生管理者2022年(令和4年度)10月公表問題|関係法令第5問

問題

労働時間の状況等が一定の要件に該当する労働者に対して、法令により実施することが義務付けられている医師による面接指導に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務に従事する者及び高度プロフェッショナル制度の対象者はいないものとする。

(1) 面接指導の対象となる労働者の要件は、原則として、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1か月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることとする。

(2) 事業者は、面接指導を実施するため、タイムカードによる記録等の客観的な方法その他の適切な方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない。

(3) 面接指導の結果は、健康診断個人票に記載しなければならない。

(4) 事業者は、面接指導の結果に基づき、労働者の健康を保持するために必要な措置について、原則として、面接指導が行われた日から3か月以内に、医師の意見を聴かなければならない。

(5) 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを3年間保存しなければならない。

第二種衛生管理者|長時間労働者の面接指導制度|実施要件と記録保存義務を解説を解説

長時間労働者への医師による面接指導では、対象者の要件、労働時間の把握方法、医師の意見聴取の時期、記録の保存期間がよく問われます。正しい答えは(2)です。事業者は、面接指導を適切に行う前提として、タイムカード、パソコンの使用時間の記録などの客観的な方法、またはその他の適切な方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければならないためです。

下に移動する

【第二種衛生管理者過去問】2022年10月公表問題|問5|長時間労働者の面接指導制度|実施要件と記録保存義務|関係法令を解説する画像__2syu-2022-10-hourei-q5

下に移動する

(1) 面接指導の対象となる労働者の要件は、原則として、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1か月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることとする。

不適切です。その理由は、原則的な面接指導の対象は、時間外・休日労働時間が1か月当たり80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる労働者だからです。かつては100時間超が重要な基準として扱われていましたが、現在の一般的な面接指導の要件では80時間超が基本です。試験では、100時間と80時間の入れ替えがよく出題されます。

(2) 事業者は、面接指導を実施するため、タイムカードによる記録等の客観的な方法その他の適切な方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない。

適切です。その理由は、面接指導の対象者を正しく判断するためには、事業者が労働時間の状況を把握している必要があるからです。労働時間の把握は、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録などの客観的な方法が原則です。自己申告だけに頼ると、長時間労働の実態を見落とすおそれがあるため、法令上も客観的な把握が重視されています。

(3) 面接指導の結果は、健康診断個人票に記載しなければならない。

不適切です。その理由は、面接指導の結果は、健康診断個人票ではなく、面接指導の結果に関する記録として作成するものだからです。健康診断個人票は、定期健康診断などの健康診断結果を記録するためのものです。面接指導は健康診断そのものではなく、長時間労働による脳・心臓疾患やメンタルヘルス不調などのリスクを確認し、必要な就業上の措置につなげる制度です。

(4) 事業者は、面接指導の結果に基づき、労働者の健康を保持するために必要な措置について、原則として、面接指導が行われた日から3か月以内に、医師の意見を聴かなければならない。

不適切です。その理由は、医師からの意見聴取は、原則として面接指導が行われた後、遅滞なく行う必要があるためです。3か月以内という表現は遅すぎます。面接指導は、長時間労働による健康障害を防ぐための制度なので、医師の意見を早く聴き、必要に応じて労働時間の短縮、作業内容の変更、休養の確保などにつなげることが重要です。

(5) 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを3年間保存しなければならない。

不適切です。その理由は、面接指導の結果の記録は、3年間ではなく5年間保存しなければならないからです。労働者の健康状態や、医師の意見、事業者が講じた措置を後から確認できるようにするため、一定期間の保存義務があります。試験では、保存期間の3年と5年を入れ替えて出題されることが多いため注意が必要です。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

長時間労働者への医師による面接指導では、原則として、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた時間、つまり時間外・休日労働時間が1か月当たり80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる労働者が対象になります。事業者は、面接指導を実施するために、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録など、客観的な方法その他の適切な方法で労働時間の状況を把握しなければなりません。面接指導の結果は健康診断個人票ではなく、面接指導の結果に関する記録として作成します。この記録には、労働者の氏名、面接指導を行った医師の氏名、面接指導の結果、医師の意見などが含まれ、5年間保存する必要があります。また、事業者は面接指導後、労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師の意見を遅滞なく聴かなければなりません。長時間労働の面接指導は、単なる健康確認ではなく、脳・心臓疾患やメンタルヘルス不調を予防するための就業上の措置につなげる制度として理解すると、正誤判断がしやすくなります。

下に移動する

ひっかけポイント

このテーマでは、数値、記録の名称、保存期間の入れ替えが典型的なひっかけです。特に、時間外・休日労働時間の基準について、100時間超と80時間超を混同しやすい点に注意が必要です。100時間という数字は長時間労働のリスクを考えるうえで印象に残りやすいため、問題文に出てくると正しそうに見えますが、一般的な面接指導の要件では80時間超が基本です。また、面接指導は健康に関する制度であるため、健康診断個人票に記載すると考えたくなりますが、健康診断と面接指導は別の制度です。さらに、保存期間も3年間ではなく5年間です。試験では、文章の大部分が正しくても、数値や期限が少しだけ違う選択肢が出されます。制度の趣旨を理解しつつ、80時間超、客観的方法による労働時間把握、遅滞なく医師の意見聴取、記録は5年間保存という判断軸をセットで押さえることが大切です。

短期間で衛生管理者試験の合格を目指したい方はこちら

図解・動画中心で学びたい方向け。

次の問題へ