【第二種衛生管理者過去問】2021年10月公表問題|問13|照明と採光の基礎知識|照度・局部照明・グレア対策|労働衛生を解説

出典:第二種衛生管理者2021年(令和3年度)10月公表問題|労働衛生第13問

問題

照明、採光などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 北向きの窓では、直射日光はほとんど入らないが一年中平均した明るさが得られる。

(2) 全般照明と局部照明を併用する場合、全般照明による照度は、局部照明による照度の5分の1程度としている。

(3) 前方から明かりを取るときは、まぶしさをなくすため、眼と光源を結ぶ線と視線とがなす角度が、40°程度になるように光源の位置を決めている。

(4) 照明設備は、1年以内ごとに1回、定期に点検し、異常があれば電球の交換などを行っている。

(5) 部屋の彩色として、目の高さ以下は、まぶしさを防ぎ安定感を出すために濁色とし、目より上方の壁や天井は、明るい色を用いるとよい。

第二種衛生管理者|照明と採光の基礎知識|照度・局部照明・グレア対策を解説

照明や採光では、作業に必要な明るさを確保するだけでなく、まぶしさ、影、光源の位置、室内の色彩、照明設備の維持管理まで含めて考える必要があります。答えは(4)です。照明設備の点検は、1年以内ごとに1回ではなく、6か月以内ごとに1回、定期に行う必要があるため、この記述が誤りです。照明に関する問題では、照度そのものだけでなく、点検周期や全般照明と局部照明の関係、北窓の特徴、グレア防止の考え方がよく問われます。

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(1) 北向きの窓では、直射日光はほとんど入らないが一年中平均した明るさが得られる。

適切です。北向きの窓は、太陽の直射日光が入りにくいため、強い日差しによるまぶしさや室温上昇が起こりにくい特徴があります。直射日光が少ない分、明るさの変化が比較的小さく、年間を通じて安定した採光が得られます。作業環境では、単に明るければよいのではなく、明るさが急に変化しないことや、まぶしさが少ないことも重要です。そのため、北向きの採光は、均一で落ち着いた自然光を得やすいものとして理解しておくとよいです。

(2) 全般照明と局部照明を併用する場合、全般照明による照度は、局部照明による照度の5分の1程度としている。

適切です。全般照明とは、部屋全体を照らす照明のことです。局部照明とは、机上や作業台など、特定の作業場所を重点的に照らす照明のことです。局部照明だけを強くすると、作業面と周囲の明るさの差が大きくなり、目が疲れやすくなります。そのため、局部照明を用いる場合でも、周囲をある程度明るくする全般照明が必要です。目安として、全般照明による照度は局部照明による照度の5分の1程度とされます。これは、作業面だけが極端に明るくなり、周囲が暗くなりすぎることを防ぐためです。

(3) 前方から明かりを取るときは、まぶしさをなくすため、眼と光源を結ぶ線と視線とがなす角度が、40°程度になるように光源の位置を決めている。

適切です。照明では、光源が視線に近すぎる位置にあると、直接目に光が入り、まぶしさを感じやすくなります。このまぶしさをグレアといいます。前方から明かりを取る場合には、眼と光源を結ぶ線と視線との角度を40°程度にすることで、光源が視野の中心に入りにくくなり、まぶしさを抑えることができます。照明計画では、照度の数値だけでなく、光源の位置や角度も作業のしやすさに大きく関係します。

(4) 照明設備は、1年以内ごとに1回、定期に点検し、異常があれば電球の交換などを行っている。

不適切です。照明設備は、6か月以内ごとに1回、定期に点検し、異常がある場合には補修などを行う必要があります。照明器具は使用しているうちに、ランプの劣化、汚れ、器具の不具合などによって照度が低下します。照度が不足すると、文字や作業対象が見えにくくなり、眼精疲労や作業能率の低下につながります。この選択肢は「点検する」という方向性自体は正しいのですが、点検周期が「1年以内ごとに1回」となっている点が誤りです。試験では、このように内容の一部だけが正しく、数値や周期だけが違う記述がよく出ます。

(5) 部屋の彩色として、目の高さ以下は、まぶしさを防ぎ安定感を出すために濁色とし、目より上方の壁や天井は、明るい色を用いるとよい。

適切です。室内の色彩は、照明環境に大きく影響します。目の高さより下の部分に明るすぎる色や反射の強い色を使うと、視野に入る反射光が増え、まぶしさを感じやすくなります。そのため、目の高さ以下には、落ち着いた濁色を用いると安定感が出ます。一方、目より上方の壁や天井に明るい色を用いると、光を適度に反射し、室内全体を明るく感じさせる効果があります。採光や照明は、照明器具だけでなく、壁や天井の色によっても快適性が変わる点を押さえておきましょう。

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この問題で覚えるポイント

照明と採光では、作業面の明るさ、まぶしさの防止、明るさの均一性、照明設備の維持管理をセットで覚えることが大切です。北向きの窓は直射日光が入りにくい反面、年間を通じて比較的安定した明るさが得られます。全般照明と局部照明を併用する場合、全般照明は局部照明の5分の1程度の照度を確保することで、作業面と周囲の明暗差を小さくします。前方の光源は、視線との角度を40°程度にすることで、グレアを防ぎやすくなります。照明設備の点検周期は6か月以内ごとに1回です。室内の彩色では、目の高さ以下は濁色で落ち着かせ、目より上方の壁や天井は明るい色にして、室内全体の明るさを保つ考え方が基本です。

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ひっかけポイント

この問題では、「点検を行う」という内容が正しそうに見えるため、点検周期の誤りを見落としやすいです。照明設備の点検は1年以内ごとではなく、6か月以内ごとに1回です。衛生管理者試験では、文章全体の雰囲気が正しくても、数値、周期、対象、条件の一部だけを変えて誤りにする出題がよくあります。また、照明の問題では、明るさが強いほどよいと考えてしまうと、グレア防止や明暗差の調整という視点を見落とします。照度、採光、光源の位置、室内色彩、点検周期は、それぞれ別々の知識としてではなく、快適で安全な視環境をつくるための要素として関連づけて覚えると正誤判断がしやすくなります。

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