出典:第二種衛生管理者2021年(令和3年度)4月公表問題|労働生理第26問
問題
血液に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 血漿中の蛋白質のうち、アルブミンは血液の浸透圧の維持に関与している。
(2) 血漿中の水溶性蛋白質であるフィブリンがフィブリノーゲンに変化する現象が、血液の凝集反応である。
(3) 赤血球は、損傷部位から血管外に出ると、血液凝固を促進させる物質を放出する。
(4) 血液中に占める白血球の容積の割合をヘマトクリットといい、感染や炎症があると増加する。
(5) 血小板は、体内に侵入してきた細菌やウイルスを貪食する働きがある。
第二種衛生管理者|血液の働きと血液成分の基礎知識|アルブミン・血小板・ヘマトクリットを解説
血液成分の働きについて、アルブミン、フィブリノーゲン、赤血球、白血球、血小板、ヘマトクリットの違いを正しく区別することが大切です。答えは(1)です。アルブミンは血漿蛋白の一種で、血液中の水分を血管内に保つための浸透圧、特に膠質浸透圧の維持に関与します。他の選択肢は、血液凝固に関わる物質、血小板の働き、白血球の働き、ヘマトクリットの意味を入れ替えた内容です。

(1) 血漿中の蛋白質のうち、アルブミンは血液の浸透圧の維持に関与している。
適切です。アルブミンは血漿中に多く含まれる蛋白質で、血管内に水分を保つ働きがあります。血液中の蛋白質によって生じる浸透圧を膠質浸透圧といい、アルブミンはその維持に大きく関係します。アルブミンが不足すると、血管内の水分を保ちにくくなり、むくみが生じやすくなります。衛生管理者試験では、アルブミンは浸透圧の維持、フィブリノーゲンは血液凝固、白血球は免疫、血小板は止血と整理して覚えると判断しやすくなります。
(2) 血漿中の水溶性蛋白質であるフィブリンがフィブリノーゲンに変化する現象が、血液の凝集反応である。
不適切です。血液凝固では、血漿中に溶けているフィブリノーゲンが、不溶性のフィブリンに変化します。選択肢では、フィブリンがフィブリノーゲンに変化すると逆に書かれています。また、この現象は血液の凝固反応であり、凝集反応ではありません。血液凝固では、フィブリンが網のような構造を作り、血球などをからめ取って血ぺいを形成し、出血を止めます。
(3) 赤血球は、損傷部位から血管外に出ると、血液凝固を促進させる物質を放出する。
不適切です。血液凝固や止血に深く関わるのは、主に血小板です。血小板は血管が傷ついた部分に集まり、血栓形成や血液凝固を助ける物質を放出します。赤血球の主な働きは、ヘモグロビンによって酸素を全身に運搬し、二酸化炭素の運搬にも関与することです。赤血球と血小板の働きを入れ替えないようにすることが大切です。
(4) 血液中に占める白血球の容積の割合をヘマトクリットといい、感染や炎症があると増加する。
不適切です。ヘマトクリットとは、血液中に占める赤血球の容積の割合をいいます。白血球の割合ではありません。感染や炎症があると白血球数が増加することがありますが、それをヘマトクリットとはいいません。ヘマトクリットは、貧血や脱水などの状態を判断する際に参考となる指標です。
(5) 血小板は、体内に侵入してきた細菌やウイルスを貪食する働きがある。
不適切です。細菌などの異物を貪食する働きがあるのは、主に白血球です。特に好中球や単球から分化したマクロファージなどが、体内に侵入した細菌などを取り込んで処理します。血小板の主な働きは、血管が傷ついたときに傷口に集まり、止血や血液凝固を助けることです。免疫に関わる白血球と、止血に関わる血小板を区別して覚えましょう。
この問題で覚えるポイント
血液は、液体成分である血漿と、細胞成分である赤血球、白血球、血小板から成ります。血漿中のアルブミンは浸透圧の維持に関与し、フィブリノーゲンは血液凝固の際にフィブリンへ変化します。赤血球は酸素の運搬、白血球は免疫や貪食作用、血小板は止血と血液凝固に関わります。ヘマトクリットは血液中に占める赤血球の容積割合であり、白血球の割合ではありません。試験では、アルブミンは浸透圧、フィブリノーゲンは凝固、赤血球は酸素運搬、白血球は免疫、血小板は止血、ヘマトクリットは赤血球の割合、という対応関係を押さえることが正誤判断に直結します。
ひっかけポイント
このテーマでは、血液成分の名称と働きを入れ替える形のひっかけが多く出ます。特に、フィブリノーゲンとフィブリンの変化の向き、白血球と血小板の働き、ヘマトクリットが示す対象を混同しやすいです。フィブリノーゲンは血漿中に溶けている状態、フィブリンは凝固時にできる不溶性の線維状物質と理解しておくと、逆向きの記述に気づけます。また、日常感覚では「血が固まる」という表現だけで考えがちですが、試験ではどの成分が何をしているかまで問われます。血小板は止血、白血球は免疫、赤血球は酸素運搬という基本対応を崩さないことが重要です。
