【第二種衛生管理者過去問】2021年4月公表問題|問9|労働基準法の労働時間ルール|時間外労働・休憩・フレックスタイム制|関係法令を解説

出典:第二種衛生管理者2021年(令和3年度)4月公表問題|関係法令第9問

問題

労働基準法における労働時間等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

ただし、労使協定とは、「労働者の過半数で組織する労働組合(その労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者)と使用者との書面による協定」をいうものとする。

(1) 1日8時間を超えて労働させることができるのは、時間外労働の労使協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合に限られている。

(2) 労働時間に関する規定の適用については、事業場を異にする場合は労働時間を通算しない。

(3) 所定労働時間が7時間30分である事業場において、延長する労働時間が1時間であるときは、少なくとも45分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

(4) 監視又は断続的労働に従事する労働者であって、所轄労働基準監督署長の許可を受けたものについては、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用されない。

(5) フレックスタイム制の清算期間は、6か月以内の期間に限られる。

第二種衛生管理者|第二種衛生管理者過去問|労働基準法の労働時間ルール|時間外労働・休憩・フレックスタイム制を解説を解説

労働基準法における労働時間、休憩、適用除外、フレックスタイム制の基本ルールを整理する問題です。正しい選択肢は(4)です。監視又は断続的労働に従事する労働者について、所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合には、労働時間、休憩及び休日に関する規定が適用されません。ほかの選択肢は、「限られている」「通算しない」「45分でよい」「6か月以内」など、条件や数値が法令とずれています。

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(1) 1日8時間を超えて労働させることができるのは、時間外労働の労使協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合に限られている。

不適切です。その理由は、1日8時間を超える労働が認められる場面は、いわゆる36協定を締結し届け出た場合だけに限られないためです。労働基準法では、原則として1日8時間、1週40時間を超えて労働させることはできません。ただし、労使協定を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出た場合には、時間外労働や休日労働をさせることができます。これが36協定です。しかし、災害その他避けることのできない事由によって臨時の必要がある場合など、例外的に時間外労働が認められる場合もあります。そのため、「36協定を届け出た場合に限られている」と断定している点が誤りです。試験では、「限る」「必ず」「すべて」といった断定表現が出たときは、例外がないかを確認することが大切です。

(2) 労働時間に関する規定の適用については、事業場を異にする場合は労働時間を通算しない。

不適切です。その理由は、労働基準法では、事業場を異にする場合でも、労働時間に関する規定の適用については労働時間を通算するためです。たとえば、同じ労働者が複数の事業場で働く場合、労働時間を別々に考えるのではなく、原則として合計して判断します。これは、場所や勤務先が分かれていても、労働者本人の身体的負担は合算されるためです。労働時間規制は、労働者の健康を守るための制度ですので、事業場が違うからといって労働時間を切り離して考えるわけではありません。この選択肢は、「通算しない」としている点が誤りです。

(3) 所定労働時間が7時間30分である事業場において、延長する労働時間が1時間であるときは、少なくとも45分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

不適切です。その理由は、実際の労働時間が8時間を超える場合には、少なくとも1時間の休憩が必要になるためです。労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に与えなければなりません。この選択肢では、所定労働時間が7時間30分で、さらに1時間延長しているため、実際の労働時間は8時間30分になります。8時間を超えているので、必要な休憩時間は45分ではなく、少なくとも1時間です。所定労働時間だけを見るのではなく、延長後の実労働時間で判断する点が重要です。

(4) 監視又は断続的労働に従事する労働者であって、所轄労働基準監督署長の許可を受けたものについては、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用されない。

適切です。その理由は、監視又は断続的労働に従事する労働者について、所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合には、労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用除外が認められているためです。監視労働とは、常態として身体的・精神的な緊張が少ない監視中心の労働をいいます。断続的労働とは、作業時間と手待ち時間が繰り返され、通常の労働に比べて労働密度が低い労働をいいます。ただし、使用者が一方的に「これは監視労働です」「断続的労働です」と判断すればよいわけではありません。所轄労働基準監督署長の許可が必要です。この「許可を受けたもの」という条件があるため、本肢は正しい記述です。

(5) フレックスタイム制の清算期間は、6か月以内の期間に限られる。

不適切です。その理由は、フレックスタイム制の清算期間は6か月以内ではなく、3か月以内とされているためです。フレックスタイム制は、一定の清算期間を定め、その期間内で労働者が始業時刻や終業時刻をある程度自由に決められる制度です。清算期間とは、その期間内で実際に働いた時間と、あらかじめ定められた総労働時間を清算するための単位です。現在の制度では、清算期間の上限は3か月以内です。選択肢の「6か月以内」は数値が誤っています。労働時間制度では、1か月、3か月、6か月、1年など似た期間が多く出るため、制度ごとに整理して覚える必要があります。

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この問題で覚えるポイント

労働基準法の労働時間は、原則として1日8時間、1週40時間が上限です。これを超えて労働させるには、通常は36協定の締結と届出が必要ですが、災害など臨時の必要がある場合には別の例外もあります。労働時間は、事業場を異にする場合でも通算するのが原則です。休憩時間は、労働時間が6時間を超えると少なくとも45分、8時間を超えると少なくとも1時間必要です。休憩は労働時間の途中に与える必要があります。監視又は断続的労働については、所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合に、労働時間、休憩及び休日の規定が適用除外となります。フレックスタイム制の清算期間は3か月以内です。労働時間の問題では、原則だけでなく例外、行政官庁の許可、具体的な時間数をセットで覚えることが大切です。

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ひっかけポイント

このテーマでは、「限られている」「通算しない」「45分」「6か月以内」のように、一見もっともらしい表現に注意が必要です。36協定は時間外労働の中心的な制度ですが、例外があるため「それだけに限る」と書かれると誤りになります。事業場が違うと労働時間も別々に見えるため、「通算しない」と考えやすいですが、労働者本人の負担を基準にするため通算します。休憩時間は所定労働時間ではなく、延長後の実際の労働時間で判断します。7時間30分に1時間を足すと8時間30分となり、45分ではなく1時間の休憩が必要です。フレックスタイム制は清算期間の上限が問われやすく、6か月ではなく3か月以内です。似た制度の期間と混同しないように、制度名と数字を一対一で整理しておきましょう。

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