【第一種衛生管理者過去問】2025年10月公表問題|問8|作業環境測定の対象業務と測定項目一覧|関係法令(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2025年(令和7年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第8問

問題

有害業務を行う作業場とその作業場において定期に測定することが義務付けられている項目の組合せとして、法令上、誤っているものは次のうちどれか。

(1) 溶融ガラスからガラス製品を成型する業務を行う屋内作業場 ――― 空気中の粉じんの濃度

(2) 加硫がまによりゴムを加硫する業務を行う屋内作業場 ――― 気温及び湿度

(3) ドラムバーカーにより、木材を削皮する業務を行う屋内作業場 ――― 等価騒音レベル

(4) エックス線装置を用いて透過写真撮影の業務を行う作業場の管理区域 ――― 線量当量率又は線量当量

(5) 廃棄物の焼却施設において焼却灰を取り扱う業務(設備の解体等に伴うものを除く。)を行う作業場 ――― 空気中のダイオキシン類の濃度

第1種衛生管理者|作業環境測定の対象業務と測定項目一覧を解説

有害業務を行う作業場では、作業の種類に応じて、粉じん、温湿度、騒音、放射線、ダイオキシン類などの測定が義務付けられています。正解は(1)です。溶融ガラスからガラス製品を成型する業務を行う屋内作業場では、粉じん濃度ではなく、気温及び湿度を測定する対象として整理します。粉じんが発生しそうかどうかではなく、法令上その作業場にどの測定項目が対応しているかを正確に覚えることが大切です。

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(1) 溶融ガラスからガラス製品を成型する業務を行う屋内作業場 ――― 空気中の粉じんの濃度

不適切です。溶融ガラスからガラス製品を成型する業務は、高温の溶融物を扱うため、作業場の暑熱環境が問題になります。そのため、測定項目としては気温及び湿度が関係します。ガラスという言葉から原料粉じんを連想しやすいですが、この選択肢は「溶融ガラスからガラス製品を成型する業務」です。すでに溶融したガラスを扱う作業であり、粉じん濃度の測定対象として判断するのは誤りです。作業名の中にある「溶融ガラス」という部分に注目することが重要です。

(2) 加硫がまによりゴムを加硫する業務を行う屋内作業場 ――― 気温及び湿度

適切です。加硫がまによるゴムの加硫作業では、高温の設備を使用するため、作業場が暑熱環境になりやすいです。暑熱環境では、熱中症や疲労のリスクが高まるため、気温及び湿度を定期に測定し、作業環境の状態を把握する必要があります。加硫とは、ゴムに硫黄などを加えて加熱し、弾性や強度を高める処理です。加熱を伴う作業であるため、粉じんや騒音ではなく、温熱条件に注目して判断します。

(3) ドラムバーカーにより、木材を削皮する業務を行う屋内作業場 ――― 等価騒音レベル

適切です。ドラムバーカーは、木材の皮を機械的に削り取る設備であり、作業時に大きな騒音を発生することがあります。騒音による健康障害としては、長期間のばく露による騒音性難聴が代表的です。そのため、このような強い騒音を発する作業場では、等価騒音レベルを測定し、騒音ばく露の程度を評価することが必要です。等価騒音レベルは、時間的に変動する騒音を一定時間で平均化して評価する考え方で、騒音管理において重要な測定項目です。

(4) エックス線装置を用いて透過写真撮影の業務を行う作業場の管理区域 ――― 線量当量率又は線量当量

適切です。エックス線装置を用いる透過写真撮影では、放射線による外部被ばくのおそれがあります。管理区域では、放射線の影響を適切に管理するため、線量当量率又は線量当量を測定する必要があります。線量当量率は一定時間あたりの放射線量を評価するものであり、線量当量は被ばく線量を評価するものです。放射線業務では、粉じんや騒音ではなく、被ばく線量の管理が中心になります。

(5) 廃棄物の焼却施設において焼却灰を取り扱う業務(設備の解体等に伴うものを除く。)を行う作業場 ――― 空気中のダイオキシン類の濃度

適切です。廃棄物の焼却施設で焼却灰を取り扱う作業では、ダイオキシン類へのばく露が問題になることがあります。ダイオキシン類は、廃棄物の焼却過程などで発生することがあり、長期的な健康影響が懸念される有害物質です。そのため、焼却灰を取り扱う作業場では、空気中のダイオキシン類の濃度を測定し、作業者のばく露を管理する必要があります。なお、設備の解体等に伴うものを除くという条件も、問題文どおり押さえておく必要があります。

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この問題で覚えるポイント

作業環境測定では、作業の種類と測定項目を対応させて覚えることが重要です。溶融ガラスからガラス製品を成型する業務や、加硫がまによりゴムを加硫する業務では、高温作業として気温及び湿度が問題になります。ドラムバーカーによる木材の削皮作業では、機械による強い騒音が問題となるため、等価騒音レベルを測定します。エックス線装置を用いる透過写真撮影の管理区域では、放射線ばく露を管理するため、線量当量率又は線量当量を測定します。廃棄物焼却施設で焼却灰を取り扱う作業では、空気中のダイオキシン類の濃度が測定項目です。作業環境測定の問題では、粉じん、温湿度、騒音、放射線、化学物質のように、何を有害因子として管理する作業なのかを見分けることが大切です。作業名に含まれる材料名だけで判断せず、実際に問題となる有害因子を対応させると正答しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「ガラス」という言葉から粉じんを連想させる点です。ガラス製造では原料の投入や粉状原料の取扱いで粉じんが問題になる場面もありますが、選択肢では「溶融ガラスからガラス製品を成型する業務」とされています。溶融ガラスを扱う場面では、高温による暑熱環境が中心となるため、気温及び湿度の測定として判断します。作業環境測定の問題では、同じ業種や似た材料でも、工程が変わると測定項目が変わります。また、騒音、放射線、ダイオキシン類のように、作業名と有害因子が比較的結びつきやすいものは正答しやすい一方、ガラスやゴムのように複数の有害因子を連想できるものは迷いやすいです。問題文の工程名を最後まで読み、粉じんが出る工程なのか、高温が問題となる工程なのかを切り分けることが、このテーマでの失点防止につながります。

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