【第一種衛生管理者過去問】2024年4月公表問題|問30|スクリーニング検査の偽陽性率・偽陰性率の計算方法|労働衛生(有害業務以外)を解説

出典:第一種衛生管理者2024年(令和6年度)4月公表問題|労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの)第30問

問題

1,000人を対象としたある疾病のスクリーニング検査の結果と精密検査結果によるその疾病の有無は下表のとおりであった。このスクリーニング検査の偽陽性率及び偽陰性率の近似値の組合せとして、適切なものは( 1 )~( 5 )のうちどれか。ただし、偽陽性率とは、疾病無しの者を陽性と判定する率をいい、偽陰性率とは、疾病有りの者を陰性と判定する率をいうものとする。

【第一種衛生管理者過去問】2024年4月公表問題|問30|スクリーニング検査の偽陽性率・偽陰性率|統計問題の計算方法|労働衛生を解説 問題 表

(1) 偽陽性率 20.0%  偽陰性率 0.5%

(2) 偽陽性率 20.5%  偽陰性率 20.0%

(3) 偽陽性率 22.0%  偽陰性率 25.0%

(4) 偽陽性率 25.8%  偽陰性率 0.5%

(5) 偽陽性率 28.2%  偽陰性率 20.0%

 

 

 

第1種衛生管理者|スクリーニング検査の偽陽性率・偽陰性率の計算方法を解説

スクリーニング検査では、検査結果の陽性・陰性だけでなく、精密検査で確認された疾病の有無を基準にして判定の正確さを考えます。答えは(2)です。偽陽性率は、疾病が無い人のうち、スクリーニング検査で誤って陽性と判定された人の割合です。偽陰性率は、疾病が有る人のうち、スクリーニング検査で誤って陰性と判定された人の割合です。表の数値をそれぞれの母数に当てはめると、偽陽性率は約20.5%、偽陰性率は20.0%となります。

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(1) 偽陽性率 20.0%  偽陰性率 0.5%

不適切です。偽陽性率は疾病無しの者を母数にして計算するため、単に全体1,000人に対する割合で考えてはいけません。また、偽陰性率も疾病有りの者を母数にして計算します。偽陰性は「疾病があるのに陰性と判定された人」ですから、全体人数に対する割合ではなく、疾病有りの人数の中でどれくらい見逃されたかを見る必要があります。

(2) 偽陽性率 20.5%  偽陰性率 20.0%

適切です。偽陽性率は、疾病無しの者のうち、検査で陽性と判定された者の割合です。つまり、疾病無しであるにもかかわらず陽性とされた人数を、疾病無しの総人数で割って求めます。偽陰性率は、疾病有りの者のうち、検査で陰性と判定された者の割合です。疾病があるのに陰性とされた人数を、疾病有りの総人数で割って求めます。この計算により、偽陽性率は約20.5%、偽陰性率は20.0%となるため、この組合せが正解です。

(3) 偽陽性率 22.0%  偽陰性率 25.0%

不適切です。偽陽性率も偽陰性率も、それぞれ決まった母数があります。偽陽性率の母数は疾病無しの者、偽陰性率の母数は疾病有りの者です。陽性者全体や陰性者全体を母数にしてしまうと、別の指標を計算していることになります。スクリーニング検査の問題では、どの集団を分母にするかが最も重要です。

(4) 偽陽性率 25.8%  偽陰性率 0.5%

不適切です。偽陰性率0.5%は、疾病有りの者の中で見逃された割合としては小さすぎます。このような値は、全体1,000人を分母にして誤って計算した場合に近い数値になりやすいです。偽陰性率は、疾病有りの者だけを分母にして計算するため、疾病有りの人数が少ない場合、少数の見逃しでも割合は大きくなります。

(5) 偽陽性率 28.2%  偽陰性率 20.0%

不適切です。偽陰性率20.0%は正しいですが、偽陽性率が誤っています。偽陽性率は、疾病無しの者のうち、陽性と判定された者の割合です。陽性と判定された者の中に疾病無しの者がどれだけいるかを計算するものではありません。似たような表の読み取りでも、分母を取り違えると数値が変わるため注意が必要です。

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この問題で覚えるポイント

スクリーニング検査では、偽陽性率と偽陰性率の分母を正確に区別することが重要です。偽陽性率は、疾病無しの者のうち、陽性と判定された者の割合です。式で表すと、偽陽性率=疾病無しで陽性の者÷疾病無しの者全体×100です。偽陰性率は、疾病有りの者のうち、陰性と判定された者の割合です。式で表すと、偽陰性率=疾病有りで陰性の者÷疾病有りの者全体×100です。陽性者全体を分母にするのは陽性的中率、陰性者全体を分母にするのは陰性的中率に関係する考え方です。偽陽性率や偽陰性率とは別の指標なので混同しないことが大切です。試験では、全体人数を分母にするのではなく、疾病の有無を基準に分母を選ぶことを意識してください。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、検査結果の陽性・陰性に目を奪われて、分母を間違える点にあります。偽陽性率という名前を見ると、陽性と判定された人の中で誤りがどれくらいあるかを考えたくなりますが、実際には疾病無しの者を分母にします。偽陰性率も同じで、陰性と判定された人の中で誤りを探すのではなく、疾病有りの者の中でどれだけ見逃されたかを見ます。また、1,000人という全体人数が示されているため、全体を分母にしたくなるのも典型的な罠です。スクリーニング検査の計算では、まず疾病有りと疾病無しに分け、その後に検査結果が正しいか誤っているかを見る順序で考えると、安定して正答できます。

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