出典:第一種衛生管理者2021年(令和3年度)10月公表問題|労働生理第42問
問題
抗体に関する次の文中の( )内に入れるAからCの語句の組合せとして、適切なものは( 1 )~( 5 )のうちどれか。「抗体とは、体内に入ってきた( A )に対して( B )免疫において作られる( C )と呼ばれる蛋白質のことで、( A )に特異的に結合し、( A )の働きを抑える働きがある。」
(1) A:化学物質 B:体液性 C:アルブミン
(2) A:化学物質 B:細胞性 C:免疫グロブリン
(3) A:抗原 B:体液性 C:アルブミン
(4) A:抗原 B:体液性 C:免疫グロブリン
(5) A:抗原 B:細胞性 C:アルブミン
第1種衛生管理者|抗体と免疫グロブリン・体液性免疫の基礎知識を解説
抗体は、体内に入ってきた抗原に対して、体液性免疫のしくみによって作られる免疫グロブリンという蛋白質です。抗体は特定の抗原に結合し、その働きを抑えたり、排除しやすくしたりします。そのため、正しい組合せは「A:抗原、B:体液性、C:免疫グロブリン」で、答えは(4)です。
(1) A:化学物質 B:体液性 C:アルブミン
不適切です。抗体が反応する対象は、一般に「抗原」といいます。抗原とは、体内で免疫反応を引き起こす物質のことで、細菌、ウイルス、毒素、異物として認識される蛋白質などが含まれます。また、抗体はアルブミンではなく免疫グロブリンです。アルブミンは血漿中に多く含まれる蛋白質で、血液の浸透圧の維持や物質の運搬に関係しますが、抗体そのものではありません。
(2) A:化学物質 B:細胞性 C:免疫グロブリン
不適切です。免疫グロブリンという部分は正しいですが、抗体が作られる免疫は細胞性免疫ではなく体液性免疫です。体液性免疫では、Bリンパ球が関与し、抗体が産生されます。細胞性免疫は、主にTリンパ球が関与し、感染細胞や異常細胞を直接攻撃する免疫反応です。また、抗体が特異的に結合する対象は化学物質という広い表現ではなく、免疫学では抗原と表現します。
(3) A:抗原 B:体液性 C:アルブミン
不適切です。抗体が反応する対象が抗原であること、抗体が体液性免疫で作られることは正しいです。しかし、抗体の正体はアルブミンではなく免疫グロブリンです。アルブミンも蛋白質ではありますが、抗体として抗原に特異的に結合する働きはありません。試験では「蛋白質」という共通点だけでアルブミンを選ばないよう注意が必要です。
(4) A:抗原 B:体液性 C:免疫グロブリン
適切です。抗体は、体内に入った抗原に対して作られる免疫グロブリンという蛋白質です。抗体は抗原に特異的に結合し、抗原の働きを抑えたり、白血球などによる処理を受けやすくしたりします。このように、血液やリンパ液などの体液中に存在する抗体が中心となって働く免疫反応を体液性免疫といいます。
(5) A:抗原 B:細胞性 C:アルブミン
不適切です。抗原という語句は正しいですが、抗体が作られる免疫は細胞性免疫ではなく体液性免疫です。また、抗体はアルブミンではなく免疫グロブリンです。細胞性免疫はTリンパ球が中心となる免疫で、抗体を作って抗原に結合するしくみとは区別して覚える必要があります。
この問題で覚えるポイント
抗体は、体内に入った抗原に対して作られる免疫グロブリンという蛋白質です。抗原とは、免疫反応を引き起こす異物や物質のことで、抗体はその抗原に特異的に結合します。抗体が中心となる免疫反応は体液性免疫であり、Bリンパ球が抗体産生に関与します。細胞性免疫は主にTリンパ球が関与し、感染細胞や異常細胞を直接攻撃するしくみです。アルブミンは血漿蛋白の一種で、血液の浸透圧維持や物質運搬に関係しますが、抗体ではありません。試験では「抗原、体液性免疫、免疫グロブリン」の3語をセットで覚えると、同じテーマの問題に対応しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題では、抗体に関する基本用語を似た言葉で混同させる作りになっています。特に「化学物質」は広い意味では体内に影響を与える物質を含みますが、免疫反応の対象としては「抗原」と表現するのが正確です。また、「体液性免疫」と「細胞性免疫」はどちらも免疫に関する用語ですが、抗体が関係するのは体液性免疫です。さらに、アルブミンも免疫グロブリンも蛋白質なので迷いやすいですが、抗体の正体は免疫グロブリンです。「蛋白質だからアルブミンでもよさそう」と考えると誤答につながります。抗体の問題では、抗原に対して、体液性免疫で、免疫グロブリンが作られる、という流れで判断すると安定して正解できます。
