【第一種衛生管理者過去問】2021年10月公表問題|問8|特別教育が必要な業務と対象作業一覧|関係法令(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2021年(令和3年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第8問

問題

次の業務のうち、当該業務に労働者を就かせるとき、法令に基づく安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならないものに該当しないものはどれか。

(1) 石綿等が使用されている建築物の解体等の作業に係る業務

(2) チェーンソーを用いて行う造材の業務

(3) 特定化学物質のうち第二類物質を取り扱う作業に係る業務

(4) 廃棄物の焼却施設において焼却灰を取り扱う業務

(5) エックス線装置を用いて行う透過写真の撮影の業務

第1種衛生管理者|特別教育が必要な業務と対象作業一覧を解説

特別教育は、危険性又は有害性が高い一定の業務に労働者を就かせる前に、事業者が安全又は衛生のために行う教育です。石綿作業、チェーンソー作業、廃棄物焼却施設での焼却灰取扱い、エックス線装置による透過写真撮影は特別教育の対象です。答えは(3)です。特定化学物質の第二類物質を取り扱う作業そのものは、特別教育が必要な業務としては定められていないためです。

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(1) 石綿等が使用されている建築物の解体等の作業に係る業務

適切です。石綿等が使用されている建築物、工作物又は船舶の解体等の作業に係る業務は、特別教育の対象です。石綿は吸入すると肺がん、中皮腫、石綿肺などの重い健康障害につながるおそれがあり、粉じんを発散させない作業方法、呼吸用保護具の使用、湿潤化、隔離、作業後の処理などを理解して作業する必要があります。そのため、労働者をこの業務に就かせるときは、石綿の有害性やばく露防止措置について特別教育を行う必要があります。

(2) チェーンソーを用いて行う造材の業務

適切です。チェーンソーを用いて行う伐木、造材などの業務は、特別教育の対象です。チェーンソー作業では、刃による切創、キックバック、倒木や材木の跳ね返り、振動障害などの危険があります。造材とは、伐採した木を一定の長さに切りそろえる作業をいいます。単に道具を使えるだけでは安全を確保できず、作業姿勢、退避場所、チェーンソーの点検、保護具の使用などを理解する必要があるため、特別教育が必要です。

(3) 特定化学物質のうち第二類物質を取り扱う作業に係る業務

不適切です。これが正解です。特定化学物質の第二類物質を取り扱う作業は、有害性があるため管理が必要ですが、第二類物質を取り扱う作業に係る業務そのものは、特別教育が必要な業務としては定められていません。特定化学物質については、作業主任者の選任、局所排気装置などの設備、作業環境測定、特殊健康診断、保護具、作業記録などが重要になります。つまり、特定化学物質は厳しい管理対象ではありますが、「特別教育の対象業務か」という観点では、他の選択肢と区別して判断する必要があります。

(4) 廃棄物の焼却施設において焼却灰を取り扱う業務

適切です。廃棄物の焼却施設において焼却灰を取り扱う業務は、特別教育の対象です。廃棄物焼却施設では、焼却灰やばいじんなどにダイオキシン類が含まれるおそれがあります。ダイオキシン類は健康への影響が問題となる有害物であり、粉じんを吸い込まないこと、皮膚に付着させないこと、保護具を正しく使うこと、作業後の汚染拡大を防ぐことが重要です。そのため、当該業務に就かせる前に特別教育を行う必要があります。

(5) エックス線装置を用いて行う透過写真の撮影の業務

適切です。エックス線装置を用いて行う透過写真の撮影の業務は、特別教育の対象です。透過写真の撮影では、エックス線を対象物に照射して内部の状態を確認しますが、エックス線は電離放射線であり、過度に被ばくすると健康障害を生じるおそれがあります。作業者は、管理区域、遮へい、距離、照射時間、線量管理、警報装置などの基本を理解して作業する必要があります。そのため、法令に基づく特別教育が必要です。

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この問題で覚えるポイント

特別教育は、危険又は有害な一定の業務に労働者を就かせる前に行う教育です。試験では、石綿等が使用されている建築物の解体等の作業、チェーンソーを用いる伐木や造材の業務、廃棄物焼却施設での焼却灰やばいじんの取扱い、エックス線装置を用いる透過写真撮影などが代表例として問われます。特定化学物質は有害性が高く、作業主任者、作業環境測定、特殊健康診断、局所排気装置などの管理が重要ですが、第二類物質の取扱い作業そのものを理由に特別教育が必要と判断しない点が重要です。特別教育、作業主任者、特殊健康診断、作業環境測定はそれぞれ別の制度なので、危険有害業務だからすべて同じ措置が必要になるわけではありません。

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ひっかけポイント

この問題の大きなひっかけは、「特定化学物質の第二類物質」といういかにも有害で法規制が強そうな言葉に引っ張られることです。第二類物質は確かに重要な管理対象ですが、問われているのは有害性の有無ではなく、特別教育が法令上必要な業務に該当するかどうかです。衛生管理者試験では、作業主任者が必要な業務、特別教育が必要な業務、特殊健康診断が必要な業務を混同させる出題がよくあります。「危険そうだから特別教育が必要」と感覚で選ぶのではなく、「どの制度の対象か」を切り分けて覚えることが正答につながります。

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