【第一種衛生管理者過去問】2021年4月公表問題|問40|血液の成分と赤血球・白血球・血小板の働き|労働生理を解説

出典:第一種衛生管理者2021年(令和3年度)4月公表問題|労働生理第40問

問題

血液に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1) 血漿中の蛋白質のうち、アルブミンは血液の浸透圧の維持に関与している。

(2) 血漿中の水溶性蛋白質であるフィブリンがフィブリノーゲンに変化する現象が、血液の凝集反応である。

(3) 赤血球は、損傷部位から血管外に出ると、血液凝固を促進させる物質を放出する。

(4) 血液中に占める白血球の容積の割合をヘマトクリットといい、感染や炎症があると増加する。

(5) 血小板は、体内に侵入してきた細菌やウイルスを貪食する働きがある。

第1種衛生管理者|血液の成分と赤血球・白血球・血小板の働きを解説

血液は、血漿と血球成分に分けられ、それぞれに重要な働きがあります。正解は(1)です。アルブミンは血漿蛋白質の一つで、血液中の水分量を保ち、血液の浸透圧を維持する働きがあります。血液凝固ではフィブリノーゲンがフィブリンに変化し、赤血球は酸素運搬、白血球は免疫、血小板は止血に関わるため、それぞれの役割を混同しないことが大切です。

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(1) 血漿中の蛋白質のうち、アルブミンは血液の浸透圧の維持に関与している。

適切です。アルブミンは、血漿中に多く含まれる蛋白質で、血管内に水分を保つ働きがあります。血液中の蛋白質が作る浸透圧を膠質浸透圧といい、アルブミンはその維持に大きく関与しています。アルブミンが不足すると、血管内に水分を保ちにくくなり、組織に水分が移動してむくみが起こりやすくなります。血漿蛋白質の働きとして、アルブミンは浸透圧の維持、グロブリンは免疫、フィブリノーゲンは血液凝固に関与すると整理すると覚えやすいです。

(2) 血漿中の水溶性蛋白質であるフィブリンがフィブリノーゲンに変化する現象が、血液の凝集反応である。

不適切です。血液凝固では、血漿中に溶けているフィブリノーゲンが、不溶性のフィブリンに変化します。選択肢では変化の方向が逆になっています。また、これは血液の凝集反応ではなく、血液凝固に関する説明です。凝集反応は、血液型が合わない場合などに赤血球が集まって固まる反応を指します。フィブリノーゲンからフィブリンへ変化し、網目状のフィブリンが血球をからめ取って血餅を作る流れを押さえておきましょう。

(3) 赤血球は、損傷部位から血管外に出ると、血液凝固を促進させる物質を放出する。

不適切です。血液凝固を促進する物質を放出し、止血に関わる主役は血小板です。赤血球の主な働きは、ヘモグロビンによって酸素を全身の組織へ運び、二酸化炭素の運搬にも関与することです。血管が損傷すると、まず血小板が傷口に集まり、血小板血栓を作り、さらに凝固因子の働きによってフィブリンが形成されます。赤血球は血餅に取り込まれることはありますが、血液凝固を開始・促進する中心的な役割ではありません。

(4) 血液中に占める白血球の容積の割合をヘマトクリットといい、感染や炎症があると増加する。

不適切です。ヘマトクリットとは、血液全体に占める赤血球の容積の割合をいいます。白血球の割合ではありません。一般に、成人男性では約45%、成人女性では約40%程度が目安とされます。感染や炎症があると白血球数が増加することはありますが、それをヘマトクリットとはいいません。この選択肢は、感染時に白血球が増えるという一部の知識に、ヘマトクリットという別の用語を組み合わせたひっかけです。

(5) 血小板は、体内に侵入してきた細菌やウイルスを貪食する働きがある。

不適切です。細菌や異物を貪食する働きをもつのは、主に白血球の一種である好中球や単球、マクロファージです。血小板の主な働きは、血管が損傷したときに傷口に集まって血小板血栓を作り、止血を助けることです。血小板は血液凝固にも関与しますが、免疫反応として細菌やウイルスを食べる細胞ではありません。白血球は免疫、血小板は止血と区別して覚えると正誤判断がしやすくなります。

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この問題で覚えるポイント

血液は液体成分である血漿と、細胞成分である赤血球、白血球、血小板に分けられます。血漿蛋白質では、アルブミンは血液の膠質浸透圧を維持し、グロブリンは免疫に関与し、フィブリノーゲンは血液凝固に関与します。血液凝固では、水溶性のフィブリノーゲンが不溶性のフィブリンに変化します。赤血球はヘモグロビンにより酸素を運搬し、ヘマトクリットは血液中に占める赤血球の容積割合を表します。白血球は体内に侵入した細菌やウイルスなどに対する防御に関わり、好中球や単球などは貪食作用をもちます。血小板は血管損傷時に集まって止血に関与します。試験では、赤血球、白血球、血小板の働きと、血漿蛋白質の名称と役割を入れ替えた文章がよく出るため、それぞれをセットで整理しておくことが重要です。

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ひっかけポイント

このテーマでは、用語の響きが似ているものや、血液に関係する働きを別の成分にすり替えるひっかけが多く出ます。フィブリノーゲンとフィブリンは順番が重要で、凝固ではフィブリノーゲンからフィブリンへ変化します。ヘマトクリットは白血球ではなく赤血球の割合を示す用語です。感染や炎症で白血球が増えるという知識は正しいため、そこに引っ張られると誤答しやすくなります。また、血小板は止血、白血球は免疫、赤血球は酸素運搬という基本を曖昧にしていると、血液凝固や貪食作用の説明で混同しやすくなります。血液の問題では、文章の一部だけが正しくても、成分名や変化の方向が違えば誤りになると意識して読むことが大切です。

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