【第一種衛生管理者過去問】2021年4月公表問題|問37|睡眠の仕組み・レム睡眠・ホルモンと体内リズム|労働生理を解説

出典:第一種衛生管理者2021年(令和3年度)4月公表問題|労働生理第37問

問題

睡眠などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 睡眠は、睡眠中の目の動きなどによって、レム睡眠とノンレム睡眠に分類される。

(2) 甲状腺ホルモンは、夜間に分泌が上昇するホルモンで、睡眠と覚醒のリズムの調節に関与している。

(3) 睡眠と食事は深く関係しているため、就寝直前の過食は、肥満のほか不眠を招くことになる。

(4) 夜間に働いた後の昼間に睡眠する場合は、一般に、就寝から入眠までの時間が長くなり、睡眠時間が短縮し、睡眠の質も低下する。

(5) 睡眠中には、体温の低下、心拍数の減少などがみられる。

第1種衛生管理者|睡眠の仕組み・レム睡眠・ホルモンと体内リズムを解説

睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠の違い、体温や心拍数の変化、食事や昼夜逆転勤務との関係がよく問われます。答えは(2)です。睡眠と覚醒のリズムに深く関与する代表的なホルモンは、夜間に分泌が高まるメラトニンです。甲状腺ホルモンは主に基礎代謝を高める働きに関係するため、「夜間に分泌が上昇し、睡眠と覚醒のリズムを調節する」とする記述は不適切です。

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(1) 睡眠は、睡眠中の目の動きなどによって、レム睡眠とノンレム睡眠に分類される。

適切です。睡眠は大きくレム睡眠とノンレム睡眠に分けられます。レム睡眠の「レム」は急速眼球運動を意味し、眠っていても眼球がすばやく動くことが特徴です。夢を見やすい睡眠段階でもあり、脳は比較的活動していますが、体の筋肉はゆるんでいます。ノンレム睡眠は、急速眼球運動がみられにくい睡眠で、脳や身体を休める深い睡眠を含みます。睡眠を目の動きなどにより分類するという点は正しい内容です。

(2) 甲状腺ホルモンは、夜間に分泌が上昇するホルモンで、睡眠と覚醒のリズムの調節に関与している。

不適切です。夜間に分泌が高まり、睡眠と覚醒のリズムの調節に関与する代表的なホルモンはメラトニンです。メラトニンは脳の松果体から分泌され、暗くなると分泌が増え、眠気を促し、体内時計の調整に関係します。甲状腺ホルモンは、全身の代謝を高め、体温産生やエネルギー消費などに関わるホルモンです。睡眠リズムに関係するホルモン名を問う問題では、甲状腺ホルモンではなくメラトニンを思い出すことが重要です。

(3) 睡眠と食事は深く関係しているため、就寝直前の過食は、肥満のほか不眠を招くことになる。

適切です。就寝直前に多く食べると、睡眠中にも胃腸が活発に働き続けるため、身体が十分に休まりにくくなります。胃もたれや逆流感が生じることもあり、寝つきの悪化や睡眠の質の低下につながります。また、夜遅い過食はエネルギーが消費されにくく、肥満の原因にもなります。睡眠の質を保つためには、就寝直前の過食を避けることが大切です。

(4) 夜間に働いた後の昼間に睡眠する場合は、一般に、就寝から入眠までの時間が長くなり、睡眠時間が短縮し、睡眠の質も低下する。

適切です。人の体内リズムは、通常、昼間に活動し、夜間に眠るように調整されています。夜間勤務後に昼間眠ろうとしても、光や生活音の影響を受けやすく、体温やホルモン分泌のリズムも夜間睡眠とは異なります。そのため、寝つくまでに時間がかかりやすく、睡眠時間が短くなり、深い睡眠が得られにくくなります。交替制勤務や夜勤では、睡眠の質が低下しやすい点が重要です。

(5) 睡眠中には、体温の低下、心拍数の減少などがみられる。

適切です。睡眠中は、身体を休息状態にするため、自律神経の働きが変化します。一般に、活動時に優位になる交感神経の働きが弱まり、安静時に優位になる副交感神経の働きが強くなります。その結果、心拍数は減少し、血圧も低下しやすくなります。また、深部体温も低下し、身体は休息に適した状態になります。睡眠は単に意識がなくなる状態ではなく、全身の機能を回復させる生理的な休息状態です。

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この問題で覚えるポイント

睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠に分類され、レム睡眠では急速眼球運動がみられ、夢を見やすく、脳は比較的活動しています。ノンレム睡眠は脳や身体を休める睡眠で、深い睡眠を含みます。睡眠と覚醒のリズムに関わる代表的なホルモンはメラトニンであり、暗くなると分泌が増え、眠気や体内時計の調整に関与します。甲状腺ホルモンは主に基礎代謝や体温産生に関係するホルモンであり、睡眠リズム調節の代表としては扱いません。就寝直前の過食は胃腸の活動を高め、肥満や不眠につながります。夜勤後の昼間睡眠は、体内リズム、光、騒音などの影響で、入眠困難、睡眠時間の短縮、睡眠の質の低下が起こりやすくなります。睡眠中は副交感神経の働きが優位になり、体温の低下、心拍数の減少、血圧の低下などがみられます。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「夜間に分泌が上昇するホルモン」という部分だけを見て、ホルモン名を深く確認せずに正しいと判断してしまう点です。睡眠リズムに関係するホルモンはメラトニンであり、甲状腺ホルモンではありません。甲状腺ホルモンも身体の活動性や代謝に関係するため、睡眠や覚醒と何となく結びつけてしまいやすいですが、試験では「代謝の調節」と「体内時計・睡眠リズムの調節」を区別する必要があります。また、選択肢の文章は前半にもっともらしい表現が含まれていると、後半のホルモン名の誤りを見落としやすくなります。睡眠分野では、レム睡眠、ノンレム睡眠、メラトニン、昼間睡眠、就寝直前の過食、睡眠中の生理変化をセットで整理しておくと、同じ形式の問題にも対応しやすくなります。

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