【危険物取扱者乙種4類予想問題7】|問29| 水溶性液体用泡消火剤|性質・消火を解説

問題

水溶性の第4類危険物に対する泡消火剤の使用について、最も適切なものはどれか。

(1) 水溶性液体には、泡が液面全体に広がりやすいため、一般のたん白泡消火剤が最も適している。

(2) 水溶性液体には、泡を構成する水分が危険物に吸収されても消火性能に影響しないため、どの種類の泡消火剤でも同じ効果が得られる。

(3) 水溶性液体には、危険物による泡の破壊を防ぐため、耐アルコール泡消火剤などの水溶性液体用泡消火剤を使用する。

(4) 水溶性液体には、危険物を水で希釈することだけを目的として、泡を液中に強く注入するのが効果的である。

(5) 水溶性液体は水と混ざるため、泡による窒息効果は得られず、泡消火剤を使用することはできない。

危険物取扱者乙種4類|水溶性液体用泡消火剤を解説

水溶性の第4類危険物に使用する泡消火剤の種類と、その消火原理について確認する問題です。正解は(3)です。アルコール類などの水溶性液体は、一般の泡消火剤に含まれる水分を吸収し、泡を壊しやすい性質があります。このため、液面に安定した泡の膜を維持できる耐アルコール泡消火剤などの水溶性液体用泡消火剤を使用します。泡消火では、危険物の液面を泡で覆い、可燃性蒸気の発生を抑えるとともに、空気中の酸素との接触を遮断することが重要です。

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(1) 水溶性液体には、泡が液面全体に広がりやすいため、一般のたん白泡消火剤が最も適している。

不適切です。一般のたん白泡消火剤は、主にガソリンや灯油などの非水溶性液体の火災に使用される泡消火剤です。水溶性液体に使用すると、泡に含まれている水分が危険物側に吸収され、泡を構成する膜が破壊されやすくなります。泡が液面に広がったように見えても、短時間で消滅すれば、可燃性蒸気を封じ込めることができません。 水溶性液体の消火で重要なのは、単に泡が広がることではなく、液面上に安定した泡の層を形成し、その状態を維持することです。一般のたん白泡では十分な耐性がないため、最も適しているとはいえません。

(2) 水溶性液体には、泡を構成する水分が危険物に吸収されても消火性能に影響しないため、どの種類の泡消火剤でも同じ効果が得られる。

不適切です。泡を構成する水分が水溶性危険物に吸収されると、泡膜の安定性が失われ、泡が壊れやすくなります。泡が壊れると危険物の液面が再び露出し、可燃性蒸気の発生や酸素との接触を抑えられなくなるため、消火性能は大きく低下します。 泡消火剤には、たん白泡消火剤、合成界面活性剤泡消火剤、水成膜泡消火剤、耐アルコール泡消火剤などがあり、それぞれ適する危険物や火災の種類が異なります。どの泡消火剤でも同じ効果が得られるわけではありません。水溶性液体に対しては、水溶性液体による泡の破壊に耐えられる専用の泡消火剤を選ぶ必要があります。

(3) 水溶性液体には、危険物による泡の破壊を防ぐため、耐アルコール泡消火剤などの水溶性液体用泡消火剤を使用する。

適切です。アルコール類、アセトン、酢酸などの水溶性液体は、泡に含まれる水分と混ざりやすく、一般の泡を破壊する性質があります。そのため、水溶性液体の火災には、耐アルコール泡消火剤などの水溶性液体用泡消火剤を使用します。 耐アルコール泡消火剤は、危険物の液面に特殊な保護膜を形成し、泡に含まれる水分が危険物へ急速に吸収されることを防ぎます。この保護膜と泡の層によって液面を覆い、可燃性蒸気の発生を抑制するとともに、空気中の酸素との接触を遮断します。泡が安定して液面に残るため、消火後の再燃防止にも効果があります。 名称に「アルコール」とありますが、対象はアルコール類だけに限られません。水に溶ける性質をもつ第4類危険物に対応する泡消火剤として理解することが大切です。

(4) 水溶性液体には、危険物を水で希釈することだけを目的として、泡を液中に強く注入するのが効果的である。

不適切です。泡消火の主な目的は、危険物を水で希釈することではなく、泡で液面を覆って可燃性蒸気の発生を抑え、酸素との接触を遮断することです。泡を液中へ強く注入すると、危険物が激しくかくはんされ、燃焼範囲が広がったり、液体が容器外へ飛散したりする危険があります。 また、強い勢いで泡を放射すると、せっかく形成された泡が壊れたり、危険物の液面下へ沈み込んだりして、十分な被覆効果が得られません。泡は容器の内壁などに当て、液面へ静かに流し込むように放射することが基本です。 水溶性危険物の中には、水で希釈することにより燃焼しにくくなるものもありますが、希釈による消火と泡による窒息消火は別の考え方です。泡消火剤を使用する場合は、液面に安定した泡の層を形成することが重要です。

(5) 水溶性液体は水と混ざるため、泡による窒息効果は得られず、泡消火剤を使用することはできない。

不適切です。水溶性液体であっても、適切な水溶性液体用泡消火剤を使用すれば、液面を泡で覆うことができます。耐アルコール泡消火剤などは、危険物と泡との間に保護膜を形成し、泡の破壊を防ぎながら液面を被覆します。 この泡の層によって、危険物から発生する可燃性蒸気を抑え、空気中の酸素との接触を遮断する窒息効果が得られます。水溶性液体だから泡消火剤を使用できないのではなく、一般の泡消火剤では泡が壊れやすいため、専用の泡消火剤を使用しなければならないという点が重要です。

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この問題で覚えるポイント

第4類危険物の液体火災では、液面を泡で覆い、可燃性蒸気の発生を抑えるとともに、酸素との接触を遮断する泡消火が有効です。ただし、危険物が水に溶けるかどうかによって、適する泡消火剤が異なります。ガソリン、灯油、軽油、重油、ベンゼンなどの非水溶性液体には、一般のたん白泡消火剤、合成界面活性剤泡消火剤、水成膜泡消火剤などを使用できます。アルコール類、アセトン、酢酸などの水溶性液体は、一般の泡に含まれる水分を吸収して泡を破壊するため、耐アルコール泡消火剤などの水溶性液体用泡消火剤を使用します。耐アルコール泡消火剤は、危険物と泡との間に保護膜を形成し、泡の水分が危険物へ吸収されることを防ぎます。泡消火の中心的な作用は窒息作用であり、液体を水で薄める希釈作用とは区別して覚える必要があります。泡は液面へ直接強くたたきつけず、容器の内壁などに当てて静かに流し込み、液面全体を安定した泡で覆います。水溶性か非水溶性かを判断し、危険物の性質に適した泡消火剤を選ぶことが、正誤判断の基本です。

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ひっかけポイント

この問題では、「水溶性液体は水と混ざるため、泡とも相性がよい」と考えてしまう思考の罠が仕込まれています。実際には、水と混ざりやすい性質があるからこそ、泡に含まれる水分が危険物に奪われ、一般の泡が壊れやすくなります。また、「泡が液面に広がること」と「泡が消火に必要な時間だけ安定して残ること」は同じではありません。広がってもすぐに消滅する泡では、窒息効果や可燃性蒸気の抑制効果を維持できません。「耐アルコール泡」という名称から、アルコール類にしか使用できないと思い込むことも誤答につながります。試験では、水溶性液体用泡消火剤を代表する名称として扱われるため、アセトンや酢酸などの水溶性危険物にも対応するものとして理解します。さらに、「水溶性なら水で希釈できる」という一部だけ正しい知識を利用し、泡を強く注入する方法を適切に見せる文章にも注意が必要です。泡消火では液面を静かに覆うことが基本であり、強い放射によるかくはんや飛散は消火を妨げます。危険物の水溶性の有無、泡の耐性、消火剤の放射方法を分けて判断することが、同じ形式の問題に対応するためのポイントです。

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