問題
製造所等に設ける標識および掲示板に関する次の記述のうち、法令上、正しいものはどれか。
(1) 製造所等であることを表示する標識は、幅0.3m以上、長さ0.6m以上とし、地を赤色、文字を白色にしなければならない。
(2) 危険物に関する掲示板には、危険物の類、品名、最大数量および指定数量の倍数を表示するが、危険物保安監督者の氏名を表示する必要はない。
(3) 第4類の危険物を貯蔵し、または取り扱う製造所等には、防火上必要な事項を表示する掲示板として「火気厳禁」と表示する。
(4) 「火気厳禁」の掲示板は、地を青色、文字を白色としなければならない。
(5) 製造所等の標識および掲示板は、事務所内など従業員だけが確認できる場所に設置すればよい。
危険物取扱者乙種4類|危険物施設の標識・掲示板を解説
製造所、貯蔵所または取扱所には、その施設が製造所等であることを示す標識と、防火上必要な事項を示す掲示板を設けなければなりません。標識や掲示板には、寸法、表示事項、色、設置場所などの基準が定められています。第4類危険物は引火しやすく、火花や炎によって火災を起こす危険があるため、注意事項として「火気厳禁」と表示します。よって、正しい答えは(3)です。標識は地を白色、文字を黒色とし、「火気厳禁」の掲示板は地を赤色、文字を白色とします。また、標識および掲示板は、施設を利用する人などが確認できる見やすい箇所に設ける必要があります。

(1) 製造所等であることを表示する標識は、幅0.3m以上、長さ0.6m以上とし、地を赤色、文字を白色にしなければならない。
不適切です。製造所等であることを表示する標識の寸法については、幅0.3m以上、長さ0.6m以上という部分は正しい記述です。しかし、標識の色は地を白色、文字を黒色とするため、地を赤色、文字を白色とする部分が誤っています。赤地に白文字という配色は、「火気厳禁」などの注意事項を表示する掲示板に用いられます。標識と注意事項の掲示板は、寸法が同じ場合があるため、色の違いを区別して覚えることが重要です。
(2) 危険物に関する掲示板には、危険物の類、品名、最大数量および指定数量の倍数を表示するが、危険物保安監督者の氏名を表示する必要はない。
不適切です。危険物に関する掲示板には、原則として、貯蔵し、または取り扱う危険物の類、品名、貯蔵最大数量または取扱最大数量、指定数量の倍数を表示します。さらに、危険物保安監督者を定めなければならない製造所等では、危険物保安監督者の氏名または職名も表示する必要があります。そのため、危険物保安監督者に関する表示が一律に不要であるとする記述は正しくありません。すべての製造所等に危険物保安監督者を定めるわけではありませんが、選任が必要な施設では、その氏名または職名が掲示事項に加わると理解してください。
(3) 第4類の危険物を貯蔵し、または取り扱う製造所等には、防火上必要な事項を表示する掲示板として「火気厳禁」と表示する。
適切です。第4類危険物は、引火性液体を中心とする危険物です。液体そのものが直接燃えるというよりも、液面から発生した可燃性蒸気が空気と混ざり、炎、火花、高温部分などの着火源に触れることで燃焼します。このため、第4類危険物を貯蔵し、または取り扱う製造所等では、火気の使用を厳しく禁止する必要があり、防火上必要な注意事項として「火気厳禁」と表示します。「火気厳禁」の掲示板は、地を赤色、文字を白色とするのが基準です。
(4) 「火気厳禁」の掲示板は、地を青色、文字を白色としなければならない。
不適切です。「火気厳禁」の掲示板は、地を赤色、文字を白色とします。地を青色、文字を白色とするのは、「禁水」と表示する掲示板です。「禁水」は、水に接触すると発熱したり、可燃性ガスを発生させたりする危険物について、水との接触を禁止するための表示です。「火気厳禁」と「禁水」は、どちらも白文字で表示されるため、背景色を混同しやすい点に注意が必要です。火気厳禁は赤地、禁水は青地と整理して覚えましょう。
(5) 製造所等の標識および掲示板は、事務所内など従業員だけが確認できる場所に設置すればよい。
不適切です。製造所等の標識および掲示板は、見やすい箇所に設けなければなりません。標識や掲示板は、従業員だけでなく、施設に出入りする人や消防活動を行う人などが、その施設の種類や取り扱っている危険物、必要な注意事項を速やかに確認できるようにするためのものです。事務所内など、限られた従業員しか確認できない場所だけに設置したのでは、標識や掲示板の安全上の目的を果たせません。施設の出入口付近など、外部から容易に確認できる位置に設置することが基本です。
この問題で覚えるポイント
製造所等には、施設の種類を示す標識と、防火上必要な事項を示す掲示板を、見やすい箇所に設けます。基本となる標識は幅0.3m以上、長さ0.6m以上で、地を白色、文字を黒色とします。危険物に関する掲示板には、危険物の類、品名、貯蔵最大数量または取扱最大数量、指定数量の倍数を表示します。危険物保安監督者を定める必要がある製造所等では、その氏名または職名も表示します。注意事項の表示は危険物の性質によって異なり、第4類危険物、引火性固体、自然発火性物品および第5類危険物などには「火気厳禁」と表示します。第2類危険物のうち引火性固体を除くものには「火気注意」と表示し、水との接触が危険な物品には「禁水」と表示します。「火気厳禁」は赤地に白文字、「火気注意」は赤地に白文字、「禁水」は青地に白文字です。標識と危険物の内容を表示する掲示板は白地に黒文字、危険性に応じた注意事項の掲示板は赤地または青地に白文字という違いを押さえると、正誤を判断しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題では、寸法だけを正しくして色を入れ替える表現や、表示事項を途中まで正しく並べて一部だけ除外する表現が誤答を誘います。幅0.3m以上、長さ0.6m以上という数値が正しいため、文章全体も正しいと思い込むと、標識の色の誤りを見落とします。また、「危険物保安監督者はすべての施設に必要ではない」という知識から、その氏名や職名の表示は常に不要だと判断するのも典型的な誤りです。危険物保安監督者の選任が必要な施設では、その氏名または職名を表示するという条件まで確認しなければなりません。「火気厳禁」と「禁水」は、どちらも白文字であるため背景色を逆にした選択肢が頻出します。火気に関する表示は赤、水に関する禁止表示は青と関連づけて覚えると混同を防げます。さらに、標識や掲示板を従業員への連絡物と考えると、事務所内でもよいように感じますが、法令上は緊急時を含めて多くの人が確認できる見やすい箇所への設置が必要です。文章の一部が正しくても、色、条件、設置場所などの一語が違えば、その選択肢全体は不適切になることを意識してください。
