問題
危険物の用途として適切なものはどれか。
(1) トルエン―塗料・シンナーの溶剤
(2) 灯油―自動車用ガソリン
(3) 軽油―航空機燃料のみ
(4) アセトン―消火剤
(5) 二硫化炭素―飲料の製造
危険物取扱者乙種4類|危険物の用途を解説
危険物の性質を理解するうえでは、分類や引火点だけでなく、どのような用途で使われるかを知っておくことも大切です。正しい答えは(1)です。トルエンは水に溶けにくい芳香族炭化水素で、塗料、シンナー、接着剤、印刷インキなどの溶剤として広く使用されます。用途を覚えると、性質や危険性も関連づけて理解しやすくなります。

(1) トルエン―塗料・シンナーの溶剤
適切です。トルエンは第4類危険物の第1石油類に分類される非水溶性液体で、芳香族炭化水素の一種です。水には溶けにくく、多くの有機物を溶かす性質があるため、塗料、シンナー、接着剤、印刷インキなどの溶剤として用いられます。蒸気は空気より重く、低い場所に滞留しやすいため、火気や換気不良には注意が必要です。用途としても性質としても、塗料やシンナーの溶剤という組合せは適切です。
(2) 灯油―自動車用ガソリン
不適切です。灯油は第4類危険物の第2石油類に分類される非水溶性液体で、主に石油ストーブ、暖房機器、給湯機、灯火用燃料などに用いられます。自動車用ガソリンとして使われるものではありません。ガソリンは第1石油類に分類され、灯油よりも引火点が低く、常温でも可燃性蒸気を発生しやすい危険物です。灯油とガソリンはどちらも石油系の燃料ですが、用途も危険性も異なります。特に、ガソリンの代わりに灯油を使う、または灯油の代わりにガソリンを使うという発想は非常に危険です。
(3) 軽油―航空機燃料のみ
不適切です。軽油は第4類危険物の第2石油類に分類される非水溶性液体で、主にディーゼルエンジンの燃料として使われます。トラック、バス、建設機械、ディーゼル車などで用いられる燃料として覚えるとよいです。「航空機燃料のみ」という説明は用途を限定しすぎており、軽油の代表的な用途として適切ではありません。航空機燃料には、ジェット燃料や航空ガソリンなどがあり、軽油そのものを航空機燃料のみとする表現は誤りです。
(4) アセトン―消火剤
不適切です。アセトンは第4類危険物の第1石油類に分類される水溶性液体で、揮発性が高く、引火しやすい有機溶剤です。塗料、樹脂、接着剤、油脂などを溶かす溶剤として用いられ、身近な例では除光液などに含まれることもあります。消火剤として使用する物質ではありません。むしろアセトン自体が燃えやすい危険物であるため、火気の近くでの取扱いには注意が必要です。消火剤として用いられるものには、水、泡、粉末、二酸化炭素などがあります。
(5) 二硫化炭素―飲料の製造
不適切です。二硫化炭素は第4類危険物の特殊引火物に分類される非常に危険性の高い物質です。引火点が極めて低く、発火点も約90℃と低く、燃焼範囲も広い危険物です。また、燃焼すると有毒で刺激性のある二酸化硫黄を発生します。飲料の製造に用いられる物質ではありません。名前に「炭素」が含まれるため、炭酸飲料などを連想してしまうかもしれませんが、二硫化炭素は炭酸ガスや二酸化炭素とはまったく異なる危険物です。用途としては、工業用溶剤などが代表的ですが、乙4では特に危険性の高さを押さえることが大切です。
この問題で覚えるポイント
危険物の用途問題では、物質名と代表的な使われ方を結びつけて覚えることが重要です。トルエンは塗料、シンナー、接着剤、印刷インキなどの溶剤として用いられる第1石油類の非水溶性液体です。アセトンも有機溶剤ですが、水溶性の第1石油類であり、消火剤ではなく燃えやすい危険物です。灯油は主に暖房用や灯火用の燃料であり、自動車用ガソリンとは区別します。軽油は主にディーゼルエンジン用燃料であり、「航空機燃料のみ」と限定するのは誤りです。二硫化炭素は特殊引火物で、引火点が非常に低く、発火点も低く、燃焼時に二酸化硫黄を発生する危険物です。名称や用途のイメージだけで判断せず、分類、性質、代表的用途をセットで整理すると正誤判断が安定します。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、身近な燃料や溶剤の用途を似たもの同士で入れ替えている点です。灯油、軽油、ガソリンはいずれも石油系燃料なので混同しやすいですが、灯油は暖房用など、軽油はディーゼルエンジン用、ガソリンはガソリンエンジン用として区別します。また、アセトンは液体で身近な溶剤ですが、消火剤ではなく燃えやすい危険物です。二硫化炭素は名前に「炭素」が入っているため飲料や炭酸を連想しやすいですが、二酸化炭素とは別物で、特殊引火物として非常に危険です。用途問題では、「聞いたことがある言葉同士が並んでいるから正しそう」と判断するのではなく、その物質が燃料なのか、溶剤なのか、消火剤なのか、危険性の高い特殊引火物なのかを落ち着いて見分けることが大切です。
