【危険物取扱者乙種4類予想問題6】|問18|静電気災害防止対策|物理・化学を解説

問題

引火性液体を金属製容器から別の金属製容器へ移し替える際、静電気による災害防止の方法として、最も適切なものはどれか。

(1) 容器同士を絶縁したまま作業する。

(2) 乾燥した場所で移し替え速度をできるだけ速くする。

(3) 両方の容器を接地し、液体をできるだけ静かに移し替える。

(4) 容器内に空気を送り込みながら移し替える。

(5) 合成繊維製の布で容器の表面をこすりながら作業する。

危険物取扱者乙種4類|静電気災害防止対策を解説

引火性液体を容器から別の容器へ移し替えるときは、液体の流動、落下、飛散、容器との摩擦などによって静電気が発生するおそれがあります。第4類危険物は可燃性蒸気を発生しやすく、その蒸気に静電気の火花が着火すると火災や爆発につながります。正しい対策は、容器を接地して電荷を逃がし、液体を静かに移し替えて静電気の発生自体を少なくすることです。答えは(3)です。

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(1) 容器同士を絶縁したまま作業する。

不適切です。容器同士を絶縁したままにすると、移し替え中に発生した静電気が逃げにくくなり、容器や液体に電荷がたまります。電荷がたまった状態で別の物体に近づいたり、容器同士に電位差が生じたりすると、火花放電が起こるおそれがあります。引火性液体の周囲には可燃性蒸気が存在することがあり、この火花が点火源になるため非常に危険です。金属製容器は電気を通しやすいので、接地やボンディングによって静電気を安全に逃がすことが重要です。

(2) 乾燥した場所で移し替え速度をできるだけ速くする。

不適切です。乾燥した環境では空気中の水分が少ないため、静電気が逃げにくく、帯電しやすくなります。また、移し替え速度を速くすると、液体と容器、液体と配管、液体同士の摩擦や乱流が大きくなり、静電気の発生量が増えます。引火性液体では、速く注ぐほど安全になるのではなく、むしろ危険が増すと考える必要があります。移し替えは、飛散や泡立ちを避けながら、できるだけ静かに行うことが基本です。

(3) 両方の容器を接地し、液体をできるだけ静かに移し替える。

適切です。接地とは、容器などに発生した静電気を大地へ逃がすための措置です。金属製容器を接地しておけば、容器に電荷が蓄積しにくくなり、火花放電の危険を小さくできます。また、液体を静かに移し替えることで、流動、衝突、飛散、泡立ちによる静電気の発生を抑えられます。引火性液体を扱う場合は、可燃性蒸気と点火源を同時に存在させないことが重要であり、接地と静かな注入は静電気災害防止の代表的な対策です。

(4) 容器内に空気を送り込みながら移し替える。

不適切です。容器内に空気を送り込むと、引火性液体の蒸気と空気が混合し、燃焼範囲内の混合気をつくるおそれがあります。燃焼範囲内の可燃性混合気ができた状態で静電気の火花が発生すると、火災や爆発につながります。また、空気の吹込みによって液体が攪拌され、泡立ちや飛散が起こると、静電気の発生も増えやすくなります。引火性液体の取扱いでは、空気を不用意に送り込む操作は安全対策ではありません。

(5) 合成繊維製の布で容器の表面をこすりながら作業する。

不適切です。合成繊維は静電気を発生しやすく、布で容器をこすると摩擦によって帯電するおそれがあります。とくに乾燥した環境では静電気が逃げにくく、火花放電の危険が高まります。引火性液体の周囲では、静電気の火花も点火源になります。容器をこすりながら作業することは静電気防止ではなく、むしろ静電気を発生させる行為です。作業時は帯電しにくい服装や器具を選び、不要な摩擦を避けることが大切です。

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この問題で覚えるポイント

引火性液体の移し替えでは、液体の流動、落下、衝突、飛散、泡立ち、摩擦によって静電気が発生します。第4類危険物は可燃性蒸気を発生するため、静電気の火花が点火源になると火災や爆発につながります。静電気災害を防ぐ基本は、接地によって電荷を逃がすこと、金属容器同士の電位差をなくすこと、移し替え速度を抑えて静かに注ぐこと、飛散や泡立ちを防ぐこと、乾燥しすぎた環境や合成繊維など帯電しやすい条件を避けることです。金属は電気を通しやすいため接地対策が有効ですが、絶縁状態にすると電荷が逃げず危険になります。湿度が低いほど静電気は発生しやすく、流速が速いほど摩擦や乱流によって帯電しやすくなります。試験では、接地、静かな注入、流速低下、摩擦防止が正しい対策として問われ、絶縁、乾燥、高速移送、空気の吹込み、合成繊維でこする行為は危険側の選択肢として出やすいです。

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ひっかけポイント

静電気対策では、金属製容器だから安全だと考えてしまうのが典型的な罠です。金属は電気を通しますが、接地されていなければ静電気が安全に逃げるとは限りません。また、作業を早く終わらせたほうが危険時間が短くなるという日常感覚も誤りです。引火性液体では、速く流すほど摩擦や乱流が増えて静電気が発生しやすくなります。さらに、空気を入れれば換気のように安全になると考えがちですが、容器内では可燃性蒸気と空気が混ざり、かえって燃焼しやすい混合気をつくるおそれがあります。静電気災害防止の問題では、見た目に作業効率がよさそうな方法や、日常的な掃除・換気に見える方法が危険な選択肢として出されることがあります。正誤判断では、静電気を逃がす、静電気を発生させない、可燃性蒸気と点火源を近づけない、という三つの視点で確認すると安定して解けます。

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