【危険物取扱者乙種4類予想問題4】|問34|特殊引火物に共通する性質|性質・消火を解説

問題

特殊引火物に共通する性質として、最も適切なものはどれか。

(1) 引火点が21℃以上70℃未満である。

(2) 水より重く、水中に沈むものが多い。

(3) 引火点が極めて低く、沸点が低いため、常温で多量の可燃性蒸気を発生しやすい。

(4) 水に溶けるものだけが特殊引火物に分類される。

(5) 燃焼すると必ず有毒な二酸化硫黄を発生する。

危険物取扱者乙種4類|特殊引火物に共通する性質を解説

特殊引火物は、第4類危険物の中でも特に引火しやすく、火災危険性が高いものとして分類されています。消防法上、特殊引火物とは、発火点が100℃以下のもの、または引火点がマイナス20℃未満で、かつ沸点が40℃以下のものをいいます。常温でも蒸発しやすく、可燃性蒸気を大量に発生するため、火花、静電気、電気設備のスイッチなどの小さな着火源でも引火する危険があります。正解は(3)です。引火点が極めて低く、沸点も低いため、常温で可燃性蒸気を発生しやすいという説明が、特殊引火物の危険性を最も適切に表しています。

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(1) 引火点が21℃以上70℃未満である。

不適切です。引火点が21℃以上70℃未満という範囲は、原則として第2石油類の分類基準です。第2石油類には灯油や軽油などが含まれ、特殊引火物よりも引火点が高く、常温での引火危険性は比較的低くなります。特殊引火物は、引火点がマイナス20℃未満で、かつ沸点が40℃以下であるものなどが該当します。引火点が低いほど、低い温度でも可燃性蒸気を発生し、火源があれば燃え始めやすくなります。特殊引火物と第2石油類では、引火点の範囲と危険性が大きく異なります。

(2) 水より重く、水中に沈むものが多い。

不適切です。水に対する比重は、特殊引火物に共通する分類基準ではありません。特殊引火物には、水より軽いものと水より重いものの両方があります。例えば、ジエチルエーテルやアセトアルデヒドは水より軽く、二硫化炭素は水より重い物質です。そのため、特殊引火物であることだけを理由に、水中に沈むと判断することはできません。第4類危険物では、水より軽いか重いかという性質が、流出時の広がり方や消火方法に関係しますが、特殊引火物の分類そのものを決める条件ではありません。

(3) 引火点が極めて低く、沸点が低いため、常温で多量の可燃性蒸気を発生しやすい。

適切です。特殊引火物は、引火点が非常に低く、沸点も低いものが多いため、常温でも急速に蒸発して可燃性蒸気を発生します。引火点とは、液体から発生した蒸気が空気と混合し、火源を近づけたときに一時的に燃え始める最低温度です。沸点が低い物質は蒸発しやすいため、周囲に可燃性蒸気が広がりやすくなります。特殊引火物の蒸気は、離れた場所にある火源まで流れて引火し、炎が液体のある場所まで戻ることもあります。取り扱う際は、火気を遠ざけるだけでなく、換気、密栓、静電気対策なども重要です。

(4) 水に溶けるものだけが特殊引火物に分類される。

不適切です。水への溶解性は、特殊引火物に分類されるための条件ではありません。特殊引火物には、水に溶けやすいものと水に溶けにくいものがあります。例えば、アセトアルデヒドは水に非常によく溶けますが、ジエチルエーテルは水にわずかしか溶けず、二硫化炭素も水にほとんど溶けません。特殊引火物の分類では、発火点、引火点、沸点などの性質が重要です。水溶性か非水溶性かは、主に消火方法や流出時の対応を判断するときに確認する性質です。

(5) 燃焼すると必ず有毒な二酸化硫黄を発生する。

不適切です。二酸化硫黄は、硫黄を含む物質が燃焼したときに発生する有毒な気体です。特殊引火物の中では、二硫化炭素が燃焼すると二酸化硫黄と二酸化炭素を生じます。しかし、ジエチルエーテルやアセトアルデヒドなどには硫黄が含まれていないため、燃焼しても二酸化硫黄は発生しません。物質の燃焼生成物は、その物質を構成する元素によって異なります。特殊引火物という分類だけを根拠に、すべて同じ燃焼生成物が発生すると考えることはできません。

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この問題で覚えるポイント

特殊引火物は、第4類危険物の中で最も危険性が高い分類の一つです。消防法上は、発火点が100℃以下のもの、または引火点がマイナス20℃未満で、かつ沸点が40℃以下のものが該当します。代表例には、ジエチルエーテル、二硫化炭素、アセトアルデヒド、酸化プロピレンなどがあります。指定数量は50リットルで、第4類危険物の中では最も少ない数量に設定されています。指定数量が少ないほど、少量でも大きな危険があると考えられていることを意味します。引火点は、液体が可燃性蒸気を発生し、火源によって引火する最低温度です。発火点は、火源がなくても加熱によって自ら燃え始める最低温度です。引火点と発火点は異なる概念なので、区別して覚える必要があります。沸点が低い物質は常温で蒸発しやすく、周囲に可燃性蒸気を広げます。可燃性蒸気は空気と混合して燃焼範囲内の濃度になると、火花や静電気でも引火する可能性があります。水への溶解性、比重、燃焼生成物は物質ごとに異なり、特殊引火物すべてに共通する性質ではありません。分類基準を問われた場合は、引火点、沸点、発火点に注目することが正誤判断につながります。

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ひっかけポイント

この問題では、特殊引火物に共通する性質と、個々の物質だけが持つ性質を混同させる表現が使われています。二硫化炭素は水より重く、燃焼すると二酸化硫黄を発生しますが、これらは二硫化炭素固有の性質であり、特殊引火物全体の共通点ではありません。代表物質の性質を分類全体の性質だと思い込むと誤答しやすくなります。また、引火点が21℃以上70℃未満という数値は、第2石油類の基準としてよく出題されます。特殊引火物の問題に、別の石油類の正しい数値を入れることで迷わせる典型的な出題です。数値そのものが正しく見えても、どの分類に対応する数値なのかを確認する必要があります。水溶性という言葉も、危険物の分類基準と誤解されやすい点です。水溶性か非水溶性かは消火方法や指定数量の区分に関係する場合がありますが、特殊引火物の基本的な判定条件ではありません。共通する性質を問われたときは、すべての代表物質に当てはまるかを考え、特定の物質にしか当てはまらない説明を除外することが重要です。

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