問題
同一の場所において、ベンゼン100L、灯油1,000L、重油1,000Lを貯蔵している。この場所における危険物の指定数量の倍数として、正しいものは次のうちどれか。
(1) 1.0倍
(2) 1.5倍
(3) 2.0倍
(4) 2.5倍
(5) 3.0倍
危険物取扱者乙種4類|危険物の指定数量の倍数計算を解説
指定数量の倍数は、各危険物の貯蔵量をそれぞれの指定数量で割り、その値を合計して求めます。ベンゼンは第1石油類の非水溶性液体で指定数量200Lなので100L÷200L=0.5倍、灯油は第2石油類の非水溶性液体で指定数量1,000Lなので1,000L÷1,000L=1.0倍、重油は第3石油類の非水溶性液体で指定数量2,000Lなので1,000L÷2,000L=0.5倍です。合計は0.5+1.0+0.5=2.0倍となるため、正しい答えは(3)です。

(1) 1.0倍
不適切です。1.0倍は、灯油1,000Lだけを指定数量で割った場合の値です。灯油は第2石油類の非水溶性液体で、指定数量は1,000Lです。そのため、灯油だけなら1.0倍になります。しかし、この問題ではベンゼンと重油も同じ場所に貯蔵されています。指定数量の倍数計算では、同一場所にある危険物をすべて計算に含める必要があります。灯油だけで判断してしまうと、合計の危険性を正しく評価できません。
(2) 1.5倍
不適切です。1.5倍は、ベンゼン0.5倍と灯油1.0倍だけを合計した場合などに出やすい数値です。しかし、問題文には重油1,000Lも含まれています。重油は第3石油類の非水溶性液体で、指定数量は2,000Lです。したがって、重油1,000Lは0.5倍として加算しなければなりません。危険物の種類が複数ある場合は、すべての倍数を足し合わせることが大切です。
(3) 2.0倍
適切です。ベンゼンは第1石油類の非水溶性液体で指定数量200Lです。100Lを貯蔵しているので、100L÷200L=0.5倍です。灯油は第2石油類の非水溶性液体で指定数量1,000Lです。1,000Lを貯蔵しているので、1,000L÷1,000L=1.0倍です。重油は第3石油類の非水溶性液体で指定数量2,000Lです。1,000Lを貯蔵しているので、1,000L÷2,000L=0.5倍です。これらを合計すると、0.5+1.0+0.5=2.0倍になります。指定数量の倍数計算では、危険物ごとに指定数量が異なるため、必ず個別に割り算をしてから合計します。
(4) 2.5倍
不適切です。2.5倍になるためには、いずれかの危険物の指定数量を実際より小さく見積もっている可能性があります。特に重油の指定数量を1,000Lと誤って覚えてしまうと、重油1,000Lを1.0倍として計算してしまい、合計が0.5+1.0+1.0=2.5倍になります。しかし、重油は第3石油類の非水溶性液体であり、指定数量は2,000Lです。重油は灯油より引火点が高く、指定数量も大きく設定されています。
(5) 3.0倍
不適切です。3.0倍は、ベンゼン、灯油、重油をそれぞれ1倍ずつのように大まかに扱ってしまった場合に選びやすい数値です。しかし、指定数量の倍数は危険物の数量を単純に足すのではなく、それぞれの指定数量に対する割合を計算します。ベンゼン100Lは0.5倍、灯油1,000Lは1.0倍、重油1,000Lは0.5倍です。合計は2.0倍であり、3.0倍にはなりません。
この問題で覚えるポイント
指定数量の倍数は、貯蔵量または取扱量を指定数量で割り、複数の危険物がある場合はそれぞれの倍数を合計して求めます。式で表すと、指定数量の倍数=危険物の数量÷その危険物の指定数量です。第4類危険物では、特殊引火物は50L、第1石油類の非水溶性液体は200L、水溶性液体は400L、アルコール類は400L、第2石油類の非水溶性液体は1,000L、水溶性液体は2,000L、第3石油類の非水溶性液体は2,000L、水溶性液体は4,000L、第4石油類は6,000L、動植物油類は10,000Lです。ベンゼンは第1石油類の非水溶性液体、灯油は第2石油類の非水溶性液体、重油は第3石油類の非水溶性液体としてよく出題されます。指定数量は危険性が高いものほど小さく、危険性が比較的低いものほど大きくなると考えると整理しやすいです。計算問題では、危険物の分類、指定数量、貯蔵量を順番に確認し、最後に倍数を合計する流れを固定しておくと安定して解けます。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、灯油1,000Lがちょうど1.0倍になるため、そこで計算を止めてしまいやすい点です。また、重油を灯油と同じ第2石油類のように扱ったり、重油の指定数量を1,000Lと誤って覚えたりすると、2.5倍を選びやすくなります。さらに、ベンゼン、灯油、重油という名前だけを見て数量を単純に足すと、指定数量の倍数計算ではなく合計リットル数の計算になってしまいます。指定数量の倍数は、危険物ごとの危険性を指定数量で補正して合計する考え方です。名前が似ている石油類でも、第1石油類、第2石油類、第3石油類で指定数量が異なるため、分類を確認してから計算する習慣が重要です。
