【危険物取扱者乙種4類予想問題1】|問34|ジエチルエーテルの性質|性質・消火を解説

問題

ジエチルエーテルの性質として、正しいものは次のうちどれか。

(1) 水によく溶け、消火には大量の棒状の水が最も適している。

(2) 引火点が高く、常温では可燃性蒸気をほとんど発生しない。

(3) 空気中で長期間保存すると過酸化物を生成するおそれがある。

(4) 蒸気は空気より軽いため、高所に滞留しやすい。

(5) 第2石油類に分類され、灯油と同程度の引火危険性をもつ。

危険物取扱者乙種4類|ジエチルエーテルの性質を解説

ジエチルエーテルは、第4類危険物の特殊引火物に分類される、引火性が極めて高い液体です。引火点が非常に低く、沸点も低いため、常温でも蒸発して多量の可燃性蒸気を発生します。また、空気中の酸素と接触した状態で長期間保存すると、衝撃や加熱によって爆発するおそれのある過酸化物を生成することがあります。答えは(3)です。長期間の保存や空気との接触によって爆発性の過酸化物を生成する可能性があるという、ジエチルエーテルの重要な危険性を正しく説明しています。

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(1) 水によく溶け、消火には大量の棒状の水が最も適している。

不適切です。ジエチルエーテルは水にわずかに溶けますが、水と自由に混ざり合うほどの水溶性はありません。水より軽いため、水をかけても液面に浮きやすく、燃焼している液体を十分に覆って消火することは困難です。大量の棒状の水を勢いよく放射すると、燃焼中のジエチルエーテルが周囲に飛散し、火災の範囲を広げる危険があります。消火には、燃焼液面を覆って空気との接触を遮断できる泡消火剤、二酸化炭素消火剤、粉末消火剤などが適しています。水を使用する場合は、棒状に放射するのではなく、霧状の水によって周囲を冷却したり、発生する蒸気を抑えたりする方法が基本です。

(2) 引火点が高く、常温では可燃性蒸気をほとんど発生しない。

不適切です。ジエチルエーテルの引火点は非常に低く、一般にマイナス45℃前後とされています。引火点とは、液体から発生した蒸気が空気と混ざり、火源を近づけたときに一時的に燃え始める最低温度です。ジエチルエーテルは通常の室温よりもはるかに低い温度ですでに引火可能な蒸気を発生しているため、常温では極めて引火しやすい状態にあります。また、沸点も約35℃と低く、非常に蒸発しやすい液体です。容器を開放したままにすると、周囲に可燃性蒸気が急速に広がるおそれがあります。火花、静電気、電気設備のスイッチ、加熱された物体など、小さな着火源でも火災や爆発につながる可能性があります。

(3) 空気中で長期間保存すると過酸化物を生成するおそれがある。

適切です。ジエチルエーテルは、空気中の酸素と接触した状態で長期間保存すると、徐々に酸化されて過酸化物を生成することがあります。この過酸化物は非常に不安定であり、加熱、摩擦、衝撃などによって爆発するおそれがあります。特に、長期間保存したジエチルエーテルを蒸留すると、液体のジエチルエーテルが先に蒸発し、過酸化物が蒸留容器内に濃縮されることがあります。濃縮された過酸化物は爆発危険性がさらに高くなるため、古いジエチルエーテルを安易に蒸留してはいけません。保管する場合は、密栓して冷暗所に置き、光、熱、空気との接触をできるだけ避ける必要があります。試験では、ジエチルエーテルの代表的な危険性として、引火点の低さ、蒸発しやすさ、蒸気が空気より重いこと、過酸化物を生成することが頻繁に問われます。

(4) 蒸気は空気より軽いため、高所に滞留しやすい。

不適切です。ジエチルエーテルの蒸気は空気より重く、床面、排水溝、ピット、地下室などの低い場所に流れて滞留しやすい性質があります。ジエチルエーテルの分子量は約74であり、平均分子量が約29である空気よりも大きいためです。蒸気は目に見えないまま床面に沿って遠くまで移動することがあります。その先に火気や火花があると着火し、炎が蒸気の流れを逆に伝わって、液体や容器のある場所まで戻ることがあります。これを引火や逆火の危険として理解しておく必要があります。換気を行う場合も、天井付近だけでなく、低所にたまった蒸気を排出できるようにすることが重要です。

(5) 第2石油類に分類され、灯油と同程度の引火危険性をもつ。

不適切です。ジエチルエーテルは第2石油類ではなく、特殊引火物に分類されます。特殊引火物は、1気圧において発火点が100℃以下であるもの、または引火点がマイナス20℃以下で沸点が40℃以下であるものです。ジエチルエーテルは、引火点がマイナス45℃前後、沸点が約35℃であるため、この基準に該当します。特殊引火物の指定数量は50リットルです。第2石油類である灯油の指定数量は1,000リットルであり、ジエチルエーテルのほうがはるかに少ない量から厳しく規制されています。これは、ジエチルエーテルが灯油よりも蒸発しやすく、低温でも引火しやすいためです。ジエチルエーテルと灯油を同程度の引火危険性として扱うことはできません。

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この問題で覚えるポイント

ジエチルエーテルは、第4類危険物の特殊引火物に分類され、指定数量は50リットルです。特殊引火物は、1気圧において発火点が100℃以下のもの、または引火点がマイナス20℃以下で沸点が40℃以下のものをいいます。ジエチルエーテルは引火点がマイナス45℃前後、沸点が約35℃であり、常温で非常に蒸発しやすく、わずかな火源でも引火する危険があります。蒸気は空気より重いため、床面や排水溝などの低所に滞留し、離れた場所の火源によって着火することがあります。水にはわずかに溶けますが、水より軽いため水面に浮きます。火災時に棒状の水を放射すると燃焼液が飛散するおそれがあるため、泡、粉末、二酸化炭素などによる消火が適しています。長期間保存すると空気中の酸素によって爆発性の過酸化物を生成することがあり、古いものを蒸留すると過酸化物が濃縮されて危険性が高まります。特殊引火物と第1石油類や第2石油類を比較する問題では、引火点、沸点、指定数量を確認すると正誤を判断しやすくなります。

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ひっかけポイント

ジエチルエーテルは無色透明の液体であり、水にもわずかに溶けるため、水を大量にかければ安全に消火できると考えやすい点が罠です。水に少し溶けることと、水と自由に混ざることは同じではありません。また、液体が水より軽いことと、蒸気が空気より軽いことを混同しやすい点にも注意が必要です。ジエチルエーテルの液体は水より軽いものの、蒸気は空気より重いため低所に滞留します。常温では液体であることから、蒸気の発生が少ないと判断するのも誤りです。沸点や引火点が低い液体は、沸騰していなくても常温で蒸発し、引火可能な蒸気を発生します。さらに、灯油や軽油と同じ石油類であるように見せる選択肢では、危険物名の印象ではなく、引火点と沸点による分類基準を確認することが重要です。物質の外見や日常的な感覚で判断せず、液体の比重、蒸気比重、引火点、沸点、分類、指定数量をそれぞれ分けて覚えることが、同じ形式の問題への対策になります。

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