問題
危険物保安監督者を選任しなければならない製造所等において、危険物保安監督者となることができる者として、法令上、正しいものはどれか。
(1) 甲種危険物取扱者であるが、危険物の取扱実務経験がない者。
(2) 当該製造所等で取り扱う危険物を取り扱うことができる乙種危険物取扱者で、6か月以上の危険物取扱いの実務経験がある者。
(3) 丙種危険物取扱者で、10年以上の危険物取扱いの実務経験がある者。
(4) 危険物取扱者免状を有していないが、危険物保安統括管理者である者。
(5) 免状と必要な実務経験を有しているが、当該製造所等から離れた場所に勤務しており、危険物の取扱作業に関する監督業務を十分に遂行できない者。
危険物取扱者乙種4類|危険物保安監督者の選任資格を解説
危険物保安監督者になれるのは、原則として甲種又は乙種危険物取扱者で、6か月以上の危険物取扱いの実務経験がある者です。答えは(2)です。危険物保安監督者は、製造所等で危険物の取扱作業を安全に管理・監督する立場であるため、免状を持っているだけでは足りず、実務経験も必要になります。また、丙種危険物取扱者や免状を持たない者は、経験年数が長くても危険物保安監督者にはなれません。

(1) 甲種危険物取扱者であるが、危険物の取扱実務経験がない者。
不適切です。甲種危険物取扱者は、取り扱える危険物の範囲が広い資格ですが、危険物保安監督者になるには免状の種類だけでなく、6か月以上の危険物取扱いの実務経験が必要です。危険物保安監督者は、現場で危険物の取扱作業を監督し、火災や事故を防ぐための安全管理を行う役割です。そのため、知識だけでなく、実際に危険物を取り扱った経験が求められます。甲種であっても実務経験がなければ選任資格を満たしません。
(2) 当該製造所等で取り扱う危険物を取り扱うことができる乙種危険物取扱者で、6か月以上の危険物取扱いの実務経験がある者。
適切です。危険物保安監督者となることができるのは、甲種危険物取扱者又は乙種危険物取扱者で、6か月以上の危険物取扱いの実務経験がある者です。ただし、乙種危険物取扱者が監督できるのは、交付を受けている免状の類に該当する危険物の取扱作業に限られます。したがって、当該製造所等で取り扱う危険物に対応した乙種免状と、6か月以上の実務経験の両方が必要です。
(3) 丙種危険物取扱者で、10年以上の危険物取扱いの実務経験がある者。
不適切です。丙種危険物取扱者は、一定の第4類危険物を取り扱うことができる資格ですが、危険物保安監督者になる資格はありません。たとえ10年以上の実務経験があっても、丙種である限り危険物保安監督者には選任できません。ここでは、経験年数の長さに惑わされないことが大切です。危険物保安監督者の資格要件は、甲種又は乙種の免状と6か月以上の実務経験です。
(4) 危険物取扱者免状を有していないが、危険物保安統括管理者である者。
不適切です。危険物保安統括管理者は、事業所全体の危険物保安に関する業務を統括する立場ですが、危険物保安監督者とは役割も資格要件も異なります。危険物保安監督者になるには、甲種又は乙種危険物取扱者の免状が必要です。危険物取扱者免状を持っていない者は、危険物保安統括管理者であっても危険物保安監督者にはなれません。名称が似ているため混同しやすいですが、別の制度として整理しましょう。
(5) 免状と必要な実務経験を有しているが、当該製造所等から離れた場所に勤務しており、危険物の取扱作業に関する監督業務を十分に遂行できない者。
不適切です。危険物保安監督者は、免状と実務経験を備えているだけでなく、当該製造所等における危険物の取扱作業について、必要な指示や監督を実際に行わなければなりません。対象施設から離れた場所に勤務し、監督業務を十分に遂行できない者を名義上だけ選任することは適切ではありません。ただし、法令上の要点は「その施設の従業員であること」ではなく、必要な監督業務を確実に遂行できることです。
この問題で覚えるポイント
危険物保安監督者は、甲種危険物取扱者又は乙種危険物取扱者で、6か月以上の危険物取扱いの実務経験を有する者から選任します。甲種危険物取扱者であっても、必要な実務経験がなければ選任できません。乙種危険物取扱者も選任できますが、監督できるのは、その者の免状で取り扱うことができる類の危険物に限られます。一方、丙種危険物取扱者や危険物取扱者免状を持たない者は、実務経験の長さにかかわらず選任できません。 また、危険物保安監督者には、当該製造所等における危険物の取扱作業について、保安上必要な監督業務を確実に遂行できることが求められます。危険物保安統括管理者は、事業所全体の危険物保安に関する業務を統括する者であり、危険物保安監督者とは役割や選任要件が異なります。危険物保安統括管理者であることだけでは、危険物保安監督者の資格要件を満たしません。
ひっかけポイント
このテーマでは、「甲種なら実務経験がなくてもよい」「経験が長ければ丙種でもよい」「乙種免状であれば、どの類の危険物でも監督できる」「危険物保安統括管理者なら免状がなくても危険物保安監督者になれる」といった誤りが狙われます。 危険物保安監督者の基本要件は、「甲種又は乙種危険物取扱者」と「6か月以上の危険物取扱いの実務経験」の両方です。さらに、乙種危険物取扱者の場合は、当該製造所等で取り扱う危険物が、取得している免状の類に対応しているかも確認しなければなりません。また、単に免状と実務経験があるだけでなく、その施設における監督業務を実際に遂行できることも重要です。役職名や経験年数だけに惑わされず、免状の種類、実務経験、取り扱う危険物の類、監督業務を遂行できる立場の4点を確認しましょう。
