出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|給水および排水の管理第117問
問題
建築物衛生法に基づく貯水槽の清掃に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 清掃終了後の消毒は、有効塩素濃度50〜100mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム溶液などの塩素剤を用いる。
(2) 清掃終了後は、2回以上貯水槽内の消毒を行う。
(3) 消毒終了後の水洗いと水張りは、少なくとも30分以上経過してから行う。
(4) 清掃終了後の水質検査における遊離残留塩素濃度の基準値は、0.1mg/L以上である。
(5) 清掃終了後の水質検査における濁度の基準値は、2度以下である。
ビル管過去問|建築物衛生法に基づく貯水槽清掃|消毒方法・水質検査・残留塩素を解説
この問題は、建築物衛生法に基づく貯水槽清掃の実施手順と、清掃後に確認すべき水質基準について問う問題です。貯水槽清掃では、清掃後に適切な濃度の塩素剤で消毒し、一定時間作用させた後に水洗いと水張りを行い、水質検査で基準に適合していることを確認します。遊離残留塩素濃度については0.2mg/L以上が基準であり、0.1mg/L以上とした記述は誤りです。そのため、誤っている選択肢は(4)です。

(1) 清掃終了後の消毒は、有効塩素濃度50〜100mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム溶液などの塩素剤を用いる。
適切です。貯水槽清掃の後には、槽内の壁面や底部、配管などに残っている微生物を確実に殺菌するため、塩素剤による消毒を行います。このとき用いる塩素剤としては、次亜塩素酸ナトリウム溶液などが代表的であり、有効塩素濃度50〜100mg/L程度で使用するのが基準です。濃度が低すぎると十分な消毒効果が得られず、高すぎると取扱い上の危険や設備への影響も考えられるため、基準濃度を正確に覚えることが大切です。
(2) 清掃終了後は、2回以上貯水槽内の消毒を行う。
適切です。貯水槽清掃では、汚れを除去しただけでは衛生的に安全とはいえず、清掃後に消毒を実施する必要があります。しかも1回だけではなく、2回以上行うこととされています。これは、1回目で全体を消毒した後、再度消毒することで殺菌の確実性を高めるためです。試験では「1回」なのか「2回以上」なのかがよく問われますので、回数の基準を数字で覚えておくと正誤判断しやすくなります。
(3) 消毒終了後の水洗いと水張りは、少なくとも30分以上経過してから行う。
適切です。塩素剤による消毒は、ただ散布すればよいわけではなく、一定時間接触させて初めて十分な殺菌効果が得られます。そのため、消毒後すぐに水洗いや水張りをしてしまうと、塩素が十分に作用する前に洗い流されてしまい、消毒の意味が薄れてしまいます。そこで、少なくとも30分以上経過してから水洗いと水張りを行うことが必要です。これは消毒時間に関する基本事項なので、手順とセットで覚えておくとよいです。
(4) 清掃終了後の水質検査における遊離残留塩素濃度の基準値は、0.1mg/L以上である。
不適切です。清掃終了後の水質検査では、給水される水が衛生的に安全かどうかを確認するため、残留塩素や濁度などを測定します。このうち遊離残留塩素濃度の基準は0.2mg/L以上です。0.1mg/L以上という数値は、水道法関係の一般的な給水栓での管理基準として見かけることがあるため、そこを混同すると間違えやすいです。しかし、貯水槽清掃後の確認では0.2mg/L以上が求められます。数字がわずかに違うだけですが、試験ではこの差を正確に見抜く必要があります。
(5) 清掃終了後の水質検査における濁度の基準値は、2度以下である。
適切です。濁度は、水のにごりの程度を示す指標であり、貯水槽清掃後の水質確認では重要な項目です。清掃後に槽内に汚れや微粒子が残っていれば濁度が高くなるため、清掃が適切に行われたかどうかを判断する手がかりになります。基準値は2度以下であり、この範囲に収まっていることが必要です。残留塩素と並んで頻出の数値なので、セットで覚えておくと得点につながります。
この問題で覚えるポイント
貯水槽清掃では、清掃して終わりではなく、その後の消毒と水質確認まで含めて一連の管理が成立します。消毒には有効塩素濃度50〜100mg/Lの塩素剤を用い、2回以上実施することが必要です。また、消毒後は塩素を十分に作用させるため、少なくとも30分以上経過してから水洗いと水張りを行います。清掃終了後の水質検査では、遊離残留塩素濃度が0.2mg/L以上、濁度が2度以下であることを確認します。試験では、消毒の回数、塩素濃度、接触時間、水質基準の数値が頻繁に問われます。特に残留塩素は、普段の給水管理で見かける0.1mg/L以上という数値と混同しやすいため、貯水槽清掃後の確認基準では0.2mg/L以上と整理して覚えることが重要です。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、日常的な水道水管理の基準値と、貯水槽清掃後に求められる確認基準とをわざと混同させるところにあります。特に残留塩素は、0.1mg/Lという数値を見て、見覚えがあるため正しいと判断してしまいやすいです。しかし試験では、似た数値や似た制度上の基準をずらして出題し、受験者の記憶のあいまいさを狙ってきます。また、消毒についても、濃度だけ覚えていて回数や時間を忘れていると誤答しやすいです。一部だけ正しい文章は全体としては誤りになり得るため、数値だけでなく、何の場面の基準なのかまで含めて理解しておくことが、こうした問題に対応するための大切な考え方です。
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