出典:第二種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|労働衛生第11問
問題
一般の事務室における換気に関する次のAからDの記述について、誤っているものの組合せはどれか。
A 人間の呼気の成分の中で、酸素の濃度は約16%、二酸化炭素の濃度は約4%である。
B 新鮮な外気中の酸素濃度は約21%、二酸化炭素濃度は0.3〜0.4%程度である。
C 室内の必要換気量(m3/h)は、次の式により算出される。
(室内にいる人が1時間に呼出する二酸化炭素量(m3/h)/(室内二酸化炭素基準濃度(%)− 外気の二酸化炭素濃度(%))×100
D 必要換気量の算出に当たって、室内二酸化炭素基準濃度は、通常、1%とする。
(1) A,B
(2) A,C
(3) B,C
(4) B,D
(5) C,D
第二種衛生管理者|事務室の換気基準と必要換気量|二酸化炭素濃度による換気計算を解説
事務室の換気では、外気と呼気に含まれる酸素・二酸化炭素の濃度、必要換気量の計算式、室内二酸化炭素濃度の基準値を正確に押さえることが大切です。Aは人の呼気中の酸素濃度と二酸化炭素濃度として適切です。Bは外気中の二酸化炭素濃度を0.3〜0.4%としている点が不適切です。正しくは約0.03〜0.04%程度です。Cは必要換気量の計算式として適切です。Dは室内二酸化炭素基準濃度を1%としている点が不適切です。事務室では通常、0.1%、つまり1,000ppmを基準に考えます。よって、誤っているものの組合せはB,Dで、答えは(4)です。

(1) A,B
不適切です。Aは適切ですが、Bが不適切です。人間の呼気は、吸い込む空気に比べて酸素が減り、二酸化炭素が増えています。呼気中の酸素濃度は約16%、二酸化炭素濃度は約4%とされるため、Aは正しい内容です。一方、新鮮な外気中の酸素濃度は約21%で正しいですが、二酸化炭素濃度を0.3〜0.4%程度としている点が誤りです。外気中の二酸化炭素濃度は約0.03〜0.04%程度であり、0.3〜0.4%では10倍程度大きい数値になってしまいます。
(2) A,C
不適切です。AもCも適切です。Aの呼気中の酸素約16%、二酸化炭素約4%という数値は、換気の基本知識として押さえておく内容です。Cの必要換気量の式は、室内で発生する二酸化炭素量を、許容できる室内濃度と外気濃度との差で割って求める考え方です。濃度を%で扱う場合は、割合に直すために100を掛ける形になります。必要換気量は、室内の二酸化炭素濃度を基準値以下に保つために、どれだけ外気を取り入れる必要があるかを求める計算です。
(3) B,C
不適切です。Bは不適切ですが、Cは適切です。Bでは外気中の二酸化炭素濃度を0.3〜0.4%程度としていますが、正しくは約0.03〜0.04%程度です。数字の見た目は似ていますが、小数点の位置が重要です。Cは必要換気量を求める式として正しい内容です。室内にいる人が呼出する二酸化炭素量が多いほど、必要換気量は大きくなります。また、室内二酸化炭素基準濃度と外気濃度の差が小さいほど、同じ濃度以下に保つためにより多くの換気が必要になります。
(4) B,D
適切です。BとDはいずれも不適切な記述であるため、誤っているものの組合せとして正しい選択肢です。Bは外気中の二酸化炭素濃度を0.3〜0.4%程度としている点が誤りで、正しくは約0.03〜0.04%程度です。Dは室内二酸化炭素基準濃度を通常1%としている点が誤りで、事務室では通常0.1%、つまり1,000ppmを基準にします。1%は10,000ppmに相当し、事務室の換気基準としては高すぎる値です。
(5) C,D
不適切です。Cは適切ですが、Dが不適切です。Cの必要換気量の式は、二酸化炭素の発生量と濃度差から必要な換気量を求めるものです。事務室では人の呼気によって二酸化炭素濃度が上昇するため、この濃度を基準以下に保つことが換気管理の中心になります。Dは室内二酸化炭素基準濃度を1%としている点が誤りです。通常は0.1%、つまり1,000ppmを基準にします。1%と0.1%は一見似ていますが、10倍の違いがあるため、試験では非常に狙われやすい数値です。
この問題で覚えるポイント
事務室の換気では、人の呼気中の酸素濃度は約16%、二酸化炭素濃度は約4%と覚えます。新鮮な外気中の酸素濃度は約21%、二酸化炭素濃度は約0.03〜0.04%程度です。事務室の室内二酸化炭素濃度の基準は通常0.1%、つまり1,000ppmです。必要換気量は、室内にいる人が1時間に呼出する二酸化炭素量を、室内二酸化炭素基準濃度と外気二酸化炭素濃度との差で割って求めます。%で計算する場合は、式の中で100を掛ける形になります。ppmと%の換算も重要で、0.1%は1,000ppm、1%は10,000ppmです。換気の問題では、酸素濃度よりも二酸化炭素濃度が管理指標として問われやすく、特に0.03〜0.04%、0.1%、1,000ppmという数値を正確に区別することが正誤判断に直結します。
ひっかけポイント
この問題の大きなひっかけは、小数点の位置です。外気中の二酸化炭素濃度は約0.03〜0.04%ですが、0.3〜0.4%とされると10倍違う数値になります。数字の並びが似ているため、急いで読むと正しいように見えてしまいます。もう一つのひっかけは、室内二酸化炭素基準濃度の1%と0.1%の混同です。事務室の基準は0.1%であり、1%ではありません。1%は10,000ppmで、事務室の換気基準としては高すぎます。換気計算では、式の形だけでなく、どの濃度を使うのかが得点差になります。呼気、外気、室内基準濃度の三つを混同しないことが、このテーマを安定して解くためのポイントです。
