【第二種衛生管理者過去問】2024年4月公表問題|問19|ノロウイルス食中毒の特徴|潜伏期間・症状・感染経路の基礎知識|労働衛生を解説

出典:第二種衛生管理者2024年(令和6年度)4月公表問題|労働衛生第19問

問題

ノロウイルスによる食中毒に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1) 食品に付着したウイルスが食品中で増殖し、ウイルスが産生した毒素により発症する。

(2) ウイルスの感染性は、長時間煮沸しても失われない。

(3) 潜伏期間は、1~2日である。

(4) 発生時期は、夏季が多い。

(5) 症状は、筋肉の麻痺(ひ)などの神経症状が特徴である。

第二種衛生管理者|ノロウイルス食中毒の特徴|潜伏期間・症状・感染経路の基礎知識を解説

ノロウイルス食中毒は、食品中で増殖した毒素による食中毒ではなく、体内に入ったウイルスが腸管で感染して発症する感染型の食中毒です。答えは(3)です。ノロウイルスの潜伏期間は一般に1~2日程度で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などです。冬季に多く発生し、少量のウイルスでも感染しやすい点が重要です。

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(1) 食品に付着したウイルスが食品中で増殖し、ウイルスが産生した毒素により発症する。

不適切です。ノロウイルスは食品中で増殖するのではなく、人の腸管内で増殖します。また、毒素を産生して発症するタイプの食中毒でもありません。食品に付着したノロウイルスを摂取すると、ウイルスが体内で感染し、胃腸炎症状を起こします。食品中で増殖する細菌や、毒素を作る細菌性食中毒と混同しないことが大切です。

(2) ウイルスの感染性は、長時間煮沸しても失われない。

不適切です。ノロウイルスは比較的抵抗力が強いウイルスですが、十分な加熱により感染性を失わせることができます。食品では中心部までしっかり加熱することが予防上重要です。「加熱に強い」というイメージだけで、長時間煮沸しても失われないと判断すると誤りになります。試験では、極端な表現に注意してください。

(3) 潜伏期間は、1~2日である。

適切です。ノロウイルスの潜伏期間は一般に1~2日程度です。感染してすぐに症状が出るわけではなく、一定の潜伏期間を経て、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などの症状が現れます。衛生管理者試験では、ノロウイルスは「潜伏期間1~2日」「冬季に多い」「嘔吐・下痢が中心」と整理しておくと判断しやすくなります。

(4) 発生時期は、夏季が多い。

不適切です。ノロウイルスによる食中毒は、冬季に多く発生します。夏季に多い食中毒としては、腸炎ビブリオ、サルモネラ菌、カンピロバクターなどの細菌性食中毒が問われやすいです。食中毒は原因ごとに発生しやすい季節が異なるため、「ノロウイルスは冬季」という対応関係を覚えておくことが正誤判断に直結します。

(5) 症状は、筋肉の麻痺(ひ)などの神経症状が特徴である。

不適切です。ノロウイルスの主な症状は、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などの胃腸炎症状です。筋肉の麻痺などの神経症状が特徴となるのは、ボツリヌス菌による食中毒などで問われる内容です。ノロウイルスとボツリヌス菌を混同しないように、ノロウイルスは胃腸症状、ボツリヌス菌は神経症状という形で区別して覚えるとよいです。

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この問題で覚えるポイント

ノロウイルスは、食品中で増殖して毒素を作る細菌ではなく、人の腸管内で感染、増殖して胃腸炎を起こすウイルスです。潜伏期間は一般に1~2日程度で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱です。発生時期は冬季に多く、少量のウイルスでも感染しやすい点が特徴です。予防では、手洗い、調理器具の衛生管理、汚染された可能性のある食品の十分な加熱、嘔吐物や便の適切な処理が重要です。細菌性食中毒のように食品中で増殖するとは限らないため、「食品中で増殖」「毒素を産生」という表現が出た場合は注意が必要です。また、夏季に多い食中毒は細菌性食中毒に多く、ノロウイルスは冬季に多いと整理しておくと、季節に関する問題にも対応しやすくなります。神経症状が特徴となるボツリヌス菌、熱に強い毒素を作る黄色ブドウ球菌、冬季に多く嘔吐や下痢を起こすノロウイルスというように、原因ごとの特徴を比較して覚えることが正解への近道です。

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ひっかけポイント

この問題では、ノロウイルスを細菌性食中毒と混同させる表現が使われています。「食品中で増殖する」「毒素により発症する」という説明は、細菌や毒素型食中毒を連想させるため、ノロウイルスには当てはまりません。また、「加熱に強い」という知識を極端に広げて、「長時間煮沸しても感染性が失われない」と判断してしまうのも典型的なひっかけです。さらに、食中毒は夏に多いという日常的なイメージから、ノロウイルスも夏季に多いと誤認しやすいですが、ノロウイルスは冬季に多い点が重要です。筋肉の麻痺などの神経症状はボツリヌス菌の特徴であり、ノロウイルスの中心症状は嘔吐や下痢です。このように、原因物質ごとの「増殖場所」「毒素の有無」「潜伏期間」「発生時期」「症状」をセットで覚えると、似た選択肢に惑わされにくくなります。

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